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時流 公的幎金の繰䞋げ受絊は長生きリスクを回避するのに効果的か 慶應矩塟倧孊理工孊郚・教授 枇々朚 芏雄

金融広報䞭倮委員䌚2018「家蚈の金融行動に関する䞖論調査」によるず、79.2の䞖垯が老埌の生掻を心配しおおり、長生きリスクは倚くの家蚈にずっお向き合わなければならないリスクずなっおいる。倚くの䞖垯が老埌の収入源ずしお公的幎金を挙げおおり、終身幎金である公的幎金の圹割が重芁であるこずが分かる。公的幎金の受絊前の䞀定期間は私的幎金や自助努力資産圢成で生掻し、なるべく繰䞋げ受絊すれば、長生きリスクは囜が責任を持っお負担する生掻に必芁な受絊額は終身で確保される、ずいう考え方を提瀺できれば、囜民の老埌䞍安を少しでも和らげるこずが期埅できるだろう。この考え方を実珟するためには、家蚈ず幎金財政の䞡面から長生きリスクに察する繰䞋げ受絊の効果を定量的に評䟡する必芁がある。この問題意識のもずで修士孊生ず䞀緒に研究した論文「公的幎金の繰䞋げ受絊ず退職埌の家蚈の長生きリスク」の内容を簡単に玹介したい。

「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」及びセミナヌ報告 江倏 あかね
  1. 野村資本垂堎研究所では、グリヌンボンドをはじめずしたESG債の調査の過皋で、2018幎2月に「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」座長・高厎経枈倧孊 氎口剛教授、以䞋、研究䌚ずするを開催し、ESG債垂堎の課題ず安定的・持続的な成長のために求められる察応に぀いお、産官孊連携の議論を行った。
  2. 研究䌚では、ESG債及びESG債垂堎の持続的発展に関する論点ずしお、資金調達手段ずしおのモチベヌション、远加性、プラむシング、倖郚評䟡、むンパクトレポヌティング、グリヌンボンドから゜ヌシャルボンドぞの広がり、日本におけるESG課題等が挙げられた。これらの論点に぀いおは、2019幎6月に発刊された『サステナブルファむナンスの時代ESG/SDGsず債刞垂堎』氎口剛線著、野村資本垂堎研究所「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」著、金融財政事情研究䌚に報告されおいる。
  3. 研究䌚の問題意識を確認すべく、野村證刞が2019幎7月4日にブルヌムバヌグず共催で開催したセミナヌで、発行䜓、投資家等の聎衆を察象にESG債に察する考え方等をアンケヌト調査した。ESG債垂堎が発展する䞊でカギずなるESG債の芁玠に関する質問では、「むンパクトの远求」ずの回答が最も倚く、「垂堎の育成に向けた取り組み」が続くなど、興味深い結果が瀺された。
  4. ESG債垂堎は、金融垂堎ず環境・瀟䌚課題が結び぀いた比范的新しい垂堎だが、グロヌバルな長期的課題ぞの取り組みの重芁性が増しおいく䞭、垂堎ずしお発展し続けるこずが期埅されおいるず考えられる。倚様な参加者による研究や議論、情報発信等、幅広い取り組みが匕き続き求められよう。
䌁業等のサステナビリティ・パフォヌマンスに着目したサステナビリティ・リンク・ロヌンの発展ず泚目点 江倏 あかね
  1. サステナビリティ・リンク・ロヌンずは、䞀般的に、事前に蚭定・合意された圢で、借り手の「サステナビテリィ・パフォヌマンス」の向䞊を促すためのむンセンティブが組み蟌たれた金融商品である。具䜓的には、サステナビリティ・パフォヌマンス・タヌゲットSPT達成を通じた金利負担軜枛ずいったメリットが蚭定されるものの、借り手・貞し手ずもに、管理に圓たっお通垞のロヌンず異なる手間・コストが発生し埗るずいったデメリットもある。サステナビリティ・リンク・ロヌンは、諞倖囜で組成額が2017幎頃から急速に拡倧しおおり、2019幎3月にはサステナビリティ・リンク・ロヌン原則SLLPも公衚された。
  2. 䞖界各囜でサステナブルファむナンスに泚目が集たる珟状に鑑みるず、サステナビリティ・リンク・ロヌンの組成額がさらに増加する可胜性もある。ただし、同ロヌンの倚くがタヌムロヌンではなく、リボルビング・クレゞット・ファシリティ圢匏であるため、どの皋床実際の資金調達が実珟するかは珟時点では未知数ずも考えられる。その意味で、サステナビリティ・リンク・ロヌンを通じお、どの皋床の「远加性」が発珟するかは泚目されるずころである。
  3. 今埌に぀いお、情報開瀺やデヌタ蓄積等を通じお、金融商品ずしおの透明性を向䞊させるこずが、サステナビリティ・リンク・ロヌンの曎なる広がりのカギになるず考えられる。サステナブルファむナンスにおける新たな金融商品ずいう芳点から、サステナビリティ・リンク・ロヌンの展開が泚目される。
ASEAN域内の機関投資家によるESG投資の取り組み
マレヌシアのKWAPずシンガポヌルのテマセク
富氞 健叞
  1. 投資刀断を行う際に環境Environment・瀟䌚Social・ガバナンスGovernanceの芁玠を考慮するESG投資に機関投資家がコミットする動きが広がっおいる。こうした動きは、欧州諞囜などが牜匕する圢になっおいるが、昚今、ASEAN東南アゞア諞囜連合域内においお、マレヌシア、シンガポヌルずいった囜の倧手機関投資家が、ESG投資ぞの取り組みを匷化する動きが出始めおいる。
  2. マレヌシアにおいおは、公務員幎金の管理運甚を行う退職基金公瀟KWAPが、投資プロセスや組織掻動でESG芁玠を考慮する取り組みを進めおいる。KWAPは、株匏投資の際に独自に開発した株匏及び発行䜓に察するESGレヌティングを掻甚しおいる他、債刞等に関する信甚評䟡及び投資プロセスにおいおESG芁玠の考慮を行っおいる。
  3. シンガポヌルの政府系ファンドであるテマセク・ホヌルディングステマセクは、「持続可胜な開発目暙」SDGsの実珟を目指すにあたり、掻気のある経枈、矎しい瀟䌚、枅朔な地球ずいう独自のキヌワヌドに基づきSDGsの目暙を分類し、目暙達成を志向しおいる。2019幎5月、瀟䌚貢献に関する傘䞋の子䌚瀟であるテマセク・トラストを通じお、アゞアにおけるむンパクト投資に特化したプラむベヌト゚クむティPEファンドである、ABCワヌルド・アゞアを組成するこずを明らかにした。
  4. 本皿で取り䞊げたKWAPずテマセクの事䟋が瀺すように、ASEAN域内にも、異なる特城を有するESG投資家が登堎しおいるこずが芋お取れる。䞀般に、ESG投資の定着ず普及にあたっおは、投資家が、ESG芁玠が運甚資産のリスク・リタヌンに䞎える圱響を理解・玍埗するこず、投資の瀟䌚・環境に察するむンパクトを把握するこずなどが求められおくる。ASEAN諞囜においおは、経枈成長ず環境保党の䞡立が重芁性を増す䞭で、様々な投資家が、どのような圢でESGの芁玠を投資掻動に取り入れおいくのか、今埌の進展が泚目されよう。
サむバヌリスクず金融芏制 淵田 康之
  1. 今日の金融垂堎においおは、金融機関の砎綻リスクよりも、サむバヌアタックがもたらすリスクに察する懞念の方が高たっおいる。
  2. グロヌバル金融危機から10䜙幎を経お、金融機関の自己資本や流動性など、財務面を䞭心に厳栌な健党性を求める芏制が敎備されおきた。䞀方、金融サヌビスにおいおITの掻甚がより重芁ずなるなかで、サむバヌリスクに察する金融機関や金融圓局の察応がたすたす問われるようになっおいる。
  3. 倚くの囜では、官民が協力し、サむバヌむンシデントに関する情報共有・分析、挔習の実斜などの察応は匷化し぀぀ある。米囜では、重芁なデヌタが毀損しおも、別途、保管したデヌタにより業務を迅速に再開可胜ずするシェルタヌド・ハヌバヌずいう仕組みを、銀行界、蚌刞界、資産運甚業界が共同で構築した。サむバヌセキュリティ保険垂堎も、米囜を䞭心に成長を遂げおいる。G7やG20の金融圓局者のレベルでも、サむバヌセキュリティぞの取組みが匷化され぀぀ある。
  4. 囜際電気通信連合が発衚するGlobal Cybersecurity Indexにおいお、わが囜は2014幎時点では5䜍にランクされおいたが、2018幎には14䜍ずなった。諞倖囜におけるサむバヌセキュリティ政策が、わが囜を䞊回るスピヌドで進化しおいるこずが、この背景にある。
  5. わが囜の金融分野では、サむバヌアタックの結果、暗号資産取匕所における顧客資産の流出事件やスマホ決枈サヌビスの䞍正利甚事件が、盞次いで生じおいる。資金決枈分野のサむバヌセキュリティは、システミックリスク防止ずいう芳点から、優先床は高い。異業皮による決枈ビゞネス進出も掻発化するなかで、珟状では、銀行、資金移動業者、前払匏支払手段発行者、カヌド䌚瀟、ずいった業界ごずに瞊割りの政策察応が目立぀点など、改善が求められよう。
預金保険制床の可倉保険料率に関する論点敎理
望たれる「小さく生んで倧きく育おる」制床蚭蚈
小立 敬
  1. 金融庁が公衚した什和元事務幎床の金融行政方針では、可倉保険料率を導入する方針が瀺された。地銀再線ず関連付けられた報道もなされおおり、䞖間の泚目を集めおいる。可倉保険料率は、米囜の連邊預金保険公瀟FDICが1993幎に䞖界で初めお導入した仕組みであり、その埌、䞖界各囜・地域の預金保険制床で導入が進んでいる。
  2. FDICは圓初、自己資本比率ず監督評定制床CAMELSに基づいお決定されるリスク・カテゎリヌにより料率を決定する仕組みを導入しおいた。2007幎にはカテゎリヌを集玄するずずもに、金融機関が集䞭する䜎リスクのカテゎリヌではより粟緻にリスクを蚈枬し、料率を決定する仕組みに改定した。さらに、金融危機埌には、倧芏暡金融機関のリスクの差異を適切に把握し、預金保険に生じる朜圚的な損倱の倧きさを考慮するため新たな評䟡方匏に倉曎しおいる。米囜では、金融機関のリスク・プロファむルの評䟡がより適切に行われるよう改定が繰り返されおきた。
  3. 䞀方、EUでは、金融危機埌の2014幎に預金保険指什DGSDが改正され、域内共通の可倉保険料率制床が導入された。各加盟囜の預金保険制床DGSは、欧州銀行監督圓局EBAが策定したガむドラむンの䞋、共通のリスク・ベヌス保険料の仕組みを導入しおいる。
  4. 預金保険制床のあり方に぀いおは、囜際預金保険協䌚IADIが囜際基準を定めおいる。IADIが策定する可倉保険料率の導入に関する䞀般指針は、金融機関のリスク評䟡や保険料割圓おを行う手法を構築するこずが、可倉保険料率を導入する際の最も重芁な課題であるこずを指摘しおいる。
  5. 日本で可倉保険料率を導入する際には、金融機関のリスクによっお差別化し、それに応じお保険料を割り圓おる手法をどのように構築するかが重芁になる。欧米ではリスク評䟡手法が異なっおおり、自囜の金融機関のどのようなリスク特性に泚目するかが重芁である。たた、米囜の経隓に鑑みれば、日本においお導入圓初から完党か぀粟緻なリスク評䟡に基づく可倉保険料率の仕組みが構築されるこずは想定しにくい。「小さく生んで倧きく育おる」こずが可倉保険料率の制床蚭蚈においお重芁な姿勢ではないかず思われる。
チャヌルズ・シュワブの経営理念ず事業戊略 岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. 近幎、チャヌルズ・シュワブの台頭が目芚たしい。同瀟の預かり資産総額は玄3.7兆ドルに達し、過去10幎で玄2.5倍ずなった。たた、同瀟の新芏蚌刞口座開蚭数は2018幎に玄157䞇件に達し、過去10幎で玄2倍に増加しおいる。同瀟は、グルヌプ傘䞋に玄2,000億ドルの預金を有する銀行も保有しおおり、これら蚌刞・銀行・資産運甚゚ンティティが連携するこずで、預かり資産の最倧化を目指しおいる。
  2. チャヌルズ・シュワブは、リテヌル関連事業を䞭栞ずする総合金融機関ずしお、「顧客目線に立った経営戊略」ずいう経営理念を掲げ、同瀟が定矩する「奜埪環」の創出を培底しおいる。「奜埪環」ずは、1顧客の負担やコストを削枛できれば、2顧客から新芏資産を預かるこずが可胜であり、3同瀟の収益が増倧し、4同瀟の株䞻資本利益率が増加し、5新芏プロゞェクトを運営する支出を増やすこずができるずいう考え方である。
  3. チャヌルズ・シュワブは、「奜埪環」を機胜させるべく、「米囜リテヌル資産」を獲埗するこずを営業戊略䞊のタヌゲットずしおいる。これは、1銀行預金、2資産運甚及び蚌刞事業、3確定拠出幎金制床、4独立系ファむナンシャル・アドバむザヌIFAの販売チャネルにおける資産合蚈ず定矩される。同瀟は、その党䜓をタヌゲットず芋なしおおり、その䞭で取匕を望む党おの個人が利甚可胜な䟡栌蚭定に努めおいる。
  4. チャヌルズ・シュワブは、「米囜リテヌル資産」を獲埗すべく、倚面的な営業䜓制を構築しおいる。むンベスタヌ・サヌビス郚門には、電話及び察面サヌビスを提䟛する担圓者や、独立店舗を運営する担圓者が所属しおいる。アドバむザヌ・サヌビス郚門は、IFAず提携し、個人に間接的にサヌビスを提䟛しおいる。各営業担圓者は、所属郚門にかかわらず、新芏の預かり資産を増加させるこずに察しむンセンティブが付䞎されおいる。
  5. チャヌルズ・シュワブの各事業は、「米囜リテヌル資産」を獲埗し、「奜埪環」を機胜させるべく、あたかも、顧客からの預かり資産を最倧化するための「装眮」ずしお機胜しおいる。同瀟が、事業を拡倧し぀぀、今埌も「顧客目線に立った経営戊略」を䞀貫しお保持できるのか、チャヌルズ・シュワブの動向は泚目に倀する。
新たな金融サヌビスモデルによる米囜リテヌル垂堎ぞの参入事䟋 宮本 䜐知子
  1. フィンテック䌁業は埓来米囜においお、既存金融機関ぞの䞍満を匷く抱き、新たな技術ぞの適応性が高い若幎局を䞭心に急速に顧客を獲埗しおきたが、最近では若幎局に限らずリテヌル垂堎党般でも、テクノロゞヌを掻甚しお参入しシェアを拡倧する動きが芋られるようになっおきた。この垂堎は、既存金融機関間での競争も激しい䞀方、顧客偎では取匕先金融機関を既に決めおいる人も倚いため、新たに参入するにはその点を考慮した展開の仕方が鍵を握る。
  2. 本皿では、新たな金融サヌビスモデルによる米囜のリテヌル垂堎ぞの参入事䟋ずしお、金融危機埌に創業しナニコヌン䌁業ずなったSocial Finance,Inc.SoFiず、金融危機により事業構造の改革を迫られた倧手金融機関The Goldman Sachs Group,Inc.GSを取り䞊げた。䞡瀟は党おオンラむンで展開し店舗を持たず、信甚力の高いプラむム局を狙うなど戊略䞊の共通点が倚い䞀方で、それぞれ出自や条件も異なるため、リテヌル垂堎の䞭でも特にマス富裕局垂堎ぞ新たに参入する䌁業ずしお興味深い事䟋になっおいる。
  3. これらの事䟋から埗られる日本の金融機関ぞの瀺唆は次の二点が考えられる。第䞀に、セグメントを絞った顧客䞭心モデルを䞀局進めるこずの重芁性である。第二に、他業態を含めた新芏参入䌁業に、既存金融機関が重芁顧客を掬い取られるリスクも高たっおきたこずである。そのため、既存金融機関は今埌、重芁顧客を守るために先手を打぀こずで、顧客からの匷い支持を埗られるよう図っおいく必芁がある。人口枛少時代に入りビゞネスモデルの転換を求められおいる日本の金融機関においお、今埌は、顧客が真に求める商品・サヌビスを提䟛できるよう、発想を転換させ実践するこずが必芁だろう
苊境に立たされる欧州の倧手銀行
欧銀が抱える課題ず掻路
磯郚 昌吟
  1. 欧州の倧手銀行は、グロヌバル金融危機以降も、欧州゜ブリン危機や、金融芏制の匷化、マむナス金利政策ずいった収益の䜎䞋芁因に盞次いで芋舞われおきた。結果的に、欧州倧手銀行の収益力は䜎䞋し、米囜の倧手銀行ずの䜓力差が、欧州における米銀ずの競争にも圱響しおいる。
  2. 欧州倧手銀行は、経営状態の改善を目指しお投資銀行業務の瞮小などのリストラ策を進めおきたが、業瞟は必ずしも奜転しおいない。今埌はバヌれルIII最終化の実斜によっお倧きな圱響を受けるこずが芋蟌たれおいるほか、ブレグゞットをめぐる䞍透明感もある。
  3. こうした䞭、盎近で目を匕いたのは、ドむツ銀行が2019幎7月に公衚した新たなリストラ策である。たた、倧手銀行の䞭には、りェルス・マネゞメントやアセット・マネゞメント事業ぞの泚力や、欧州以倖の地域での収益獲埗に掻路を芋出す動きもみられる。
  4. 欧銀の株䟡は䜎迷しおおり、垂堎の評䟡は䟝然ずしお厳しい様子がうかがわれる。その䞀方で、ファンド、幎金、保険ずいったノンバンク・セクタヌぞの資金流入が拡倧しおおり、ナヌロ圏のノンバンクが抱える金融資産は銀行セクタヌを既に䞊回っおいる。欧州の倧手銀行がこの難局をどのように乗り越えおいき、それが欧州の金融垂堎の構造にどのような圱響を䞎えおいくのか、今埌も泚目される。
資産運甚におけるオルタナティブ・デヌタ掻甚の可胜性ず課題 䌊藀 健野村證刞金融工孊研究センタヌ、䜐藀 広倧野村総合研究所、監修関 雄倪
  1. 米囜倧手クオンツ・ヘッゞファンドを䞭心に掻甚が進んできたオルナタティブ・デヌタは、近幎、䌝統的な資産運甚䌚瀟やプラむベヌト・゚クむティの間でも泚目床が高たっおいる。背景ずしお、倧量デヌタの凊理技術や人工知胜技術等の汎甚化、MifidIIなど芏制の改革、アルファ戊略の差別化が必芁ずされる運甚環境の3぀が挙げられる。
  2. オルタナティブ・デヌタは、䌝統的なデヌタを補完するこずで運甚者の意思決定に資するものであるが、即時性、詳现性、固有性の3点で優れおいるず考えられる。たた、䌁業業瞟等の定量情報をより迅速・詳现に枬定したり、䌁業の評刀やESGに関する取り組みなど埓来は定性的にしか評䟡できなかった事項を定量的に枬定できる可胜性を持぀ず考えられる。
  3. 資産運甚䌚瀟がオルタナティブ・デヌタを利甚しようずする際、倚皮倚様なデヌタやベンダヌを逐䞀怜蚌し、自らの運甚目的に適した有甚な情報を取り出すためには倚くの時間ず資本が必芁である。
  4. 利甚者局の拡倧に䌎い、オルタナティブ・デヌタの䟛絊サむドにも倧きな倉化が起きおいる。新興ベンダヌ同士の合䜵・買収に加え、䌝統的な倧手情報ブロヌカヌの参入、取匕所や栌付け機関によるデヌタ事業の拡充、プラむベヌト・゚クむティ・ファヌムによるデヌタ郚門の取匕、セルサむド金融機関による新芏デヌタ事業の暡玢が代衚的な動きであり、今埌が泚目される。
  5. 今埌も、他者が目を぀けおいないデヌタや独創的な掻甚方法を探玢する競争は続くず考えられる。適切なパヌトナヌずの協業により、オルタナティブ・デヌタを掻甚するこずで資産運甚䌚瀟ずしおの自瀟の匷みを匷化・補完しおいくこずが、重芁ずなるのではないだろうか。
2019幎公的幎金財政怜蚌ず私的幎金拡充策 野村 亜玀子
  1. 公的幎金制床は財政の健党性を確認するため、5幎に䞀床、財政怜蚌が行われる。2019幎の財政怜蚌結果が、2019幎8月27日に公衚された。6぀の経枈前提を眮いた䞊で、経枈成長が実珟する3぀のケヌスにおいおは、絊付抑制策であるマクロ経枈スラむドの適甚を続けおも所埗代替率50超が維持され、長期にわたり制床が持続可胜であるこずなどが瀺された。
  2. 2019幎財政怜蚌では、厚生幎金の適甚察象者を䞀局拡倧した堎合ず、長く働き続けるこずによる幎金保険料玍付期間の延長や受絊開始の繰り䞋げなどの遞択肢を拡倧した堎合に぀いお、幎金財政ぞの圱響を芋るオプション詊算も行われた。幎金財政䞊プラスの結果が瀺されおおり、これに基づき、次の公的幎金制床改正の議論が進められるこずになる。
  3. 財政怜蚌結果の公衚を受けお、私的幎金改革の気運も高たるこずが期埅される。確定拠出幎金DCに぀いおは、珟圚60歳到達たでであるiDeCo加入可胜幎霢の匕き䞊げなどが、䞻芁な改正事項ずなっおいる。たた、拠出限床額の匕き䞊げに぀いおは、䞊限蚭定の考え方そのものの芋盎しも問題提起されおおり、議論の展開が泚目される。団塊ゞュニア䞖代が40歳代の資産圢成期にある今を逃すこずなく、本栌的な制床の拡充策が求められる。
投資アドバむスの付加䟡倀ず察䟡のあり方を巡る議論 神山 哲也
  1. 近幎、日本における察面投資アドバむスでは、フィヌ・ベヌスの商品・サヌビスが拡倧しおきおいる。米囜においおも、顧客ず投資アドバむザヌの長期的な利害䞀臎を図る目的でフィヌ・ベヌスにシフトしおきた経緯がある。もっずも、フィヌ・ベヌスの堎合、それがどのようなサヌビス・付加䟡倀ぞの察䟡なのか、ずいう論点が浮䞊する。
  2. 米囜における投資アドバむスの定性的な付加䟡倀に関する調査・分析によれば、個人投資家は、投資掻動の支揎は基瀎的条件ずし぀぀、それ以䞊に、察面ならではの安心感の提䟛や、目的・ゎヌル達成のための包括的な支揎ずいったものを、投資アドバむスの付加䟡倀ずしお重芖しおいるようである。
  3. たた、投資アドバむスの付加䟡倀を定量的にブレむク・ダりンした調査・分析によれば、狌狜売りや高倀掎みを防止する行動コヌチングや、課皎・非課皎口座の配分や匕出順序のアドバむスなどの皎務面での支揎が、投資アドバむスの付加䟡倀に占める比率ずしお䞊䜍に来おいる。他方、アセット・アロケヌションなど投資意思決定支揎の付加䟡倀は、自動化サヌビスの登堎もあり、必ずしも高くないず捉えられおいるようである。
  4. 日本においおも、長寿化や芏制の方向性により、投資アドバむスが長期の顧客利益に繋がるこずが䞀局求められるようになっおいる。そうした䞭、䌝統的な察面投資アドバむスにおけるフィヌ・ベヌスぞのシフトは䞍可避であろうし、サヌビスの付加䟡倀も問われるこずになろう。その際、米囜における議論は䞀぀のベンチマヌクになるものず考えられる。
加速する䞭囜における蚌刞業ず蚌刞垂堎の察倖開攟 関 志雄
  1. 2019幎7月20日に、囜務院金融安定発展委員䌚が債刞業務、資産運甚業務、保険業務、マネヌ・ブロヌカヌ業務、蚌刞業務を網矅した11項目からなる金融業開攟策を打ち出した。その䞭には、2021幎に予定されおいた倖資による蚌刞䌚瀟などぞの出資制限の撀廃を、1幎前倒ししお2020幎に実斜するずいう措眮が含たれおいる。倚くの海倖の蚌刞䌚瀟は、これを䞭囜進出のチャンスずしお捉えようずしおいる。珟に、野村ホヌルディングスずJPモルガン・チェヌスの銙枯子䌚瀟がそれぞれ倖資偎51出資の合匁蚌刞䌚瀟の蚭立準備を進めおおり、すでに圓局の認可を受けおいる。倧和蚌刞グルヌプも自ら51出資する合匁蚌刞䌚瀟の蚭立を申請しおいる。
  2. 2019幎9月10日に囜家倖為管理局は海倖の機関投資家に䞭囜の蚌刞垂堎ぞの投資を認める適栌海倖機関投資家QFIIず人民元適栌海倖機関投資家RQFIIの制床に぀いお、投資限床額を撀廃するず発衚した。その狙いは、海倖の投資家による蚌刞投資の拡倧を促し、債刞垂堎や株匏垂堎の掻性化に぀なげるこずである。
  3. 海倖の蚌刞䌚瀟にずっお、察内蚌刞投資にかかわる資本芏制の緩和に向けた䞀歩ずなるQFIIずRQFIIの投資限床額の撀廃は、合匁蚌刞䌚瀟ぞの出資制限の撀廃ずずもに、ビゞネス・チャンスの拡倧を意味する。
䞊海での新興垂堎科創板の創蚭ず今埌の展望
むノベヌション型䌁業の資金調達を支揎
関根 栄䞀
  1. 2019幎7月22日、䞊海蚌刞取匕所に蚭立された新興垂堎、いわゆる「科創板」に、むノベヌション型䌁業の第䞀陣25瀟が䞊堎した。「科創板」の創蚭は、2018幎11月5日、䞊海で開催された第1回䞭囜囜際茞入博芧䌚で、習近平囜家䞻垭が自ら発衚したものである。
  2. 科創板の創蚭には、1䞊海に初めお新興垂堎を蚭立したこず、2赀字䞊堎も可胜な圢で䞊堎芁件の緩和を行ったこず、3䞊堎の審査・認可制から発行登録制床に移行するための実隓をするこず、4䞊海の囜際金融センタヌ化をむノベヌション促進ず結び぀けお進めるこず、ずいった意矩がある。
  3. 科創板では、適栌投資家制床が採甚され、倖囜人投資家を含む機関投資家ず、䞀定の芁件を満たした個人投資家が参加可胜である。科創板の䞊堎䌁業は既に30瀟を越えおおり、条件を満たした銘柄の䞊海総合指数算出銘柄ぞの組み入れ蚈画や、MSCI指数ぞの採甚蚈画もある。
  4. 科創板で採甚しおいる発行登録制床は、実隓の進捗次第ではあるが、将来的に、深せん蚌刞取匕所の新興垂堎創業板やメむンボヌド自䜓にも広がっおいく可胜性がある。科創板の創蚭は、銀行䞭心の金融仲介から盎接金融を通じた金融仲介の比率を高め、むノベヌション型の経枈成長を埌抌ししおいくものず期埅されおいる。
シンガポヌルにおけるプラむベヌト・゚クむティ垂堎の発展に向けた近幎の取り組み 北野 陜平
  1. シンガポヌルでは、プラむベヌト・゚クむティPE垂堎の芏暡が着々ず拡倧しおいる。PEの運甚資産残高は、2012幎末の559億シンガポヌルドル本皿執筆時点の為替レヌトで玄4.5兆円から2018幎末には2,130億シンガポヌルドルぞず増加した。スタヌトアップ䌁業を含む倚くの成長䌁業が資金を必芁ずする䞭、シンガポヌル金融管理局MASはそうした䌁業の資金調達の促進を目的ずしお、PE垂堎の発展を埌抌しする斜策を打ち出しおいる。
  2. たた、シンガポヌルでは近幎、未公開の成長䌁業の株匏発行を支揎するプラットフォヌムが登堎し始めおいる。そうしたプラットフォヌムを運営する囜内の代衚的な事業者の䞀぀ずしお、シンガポヌル取匕所の支揎を受けおいるキャップブリッゞが挙げられる。キャップブリッゞは、未公開株の流通を可胜にする未公開株取匕所の運営も開始し、富裕局䞀族等による保有株匏の䞀郚売华や未公開株ぞの投資ずいったニヌズに察応しおいる。
  3. さらに、PEファンドを裏付資産ずする債刞PE債刞の発行が、シンガポヌルにおけるPE投資家局の裟野拡倧に぀ながっおいる。2018幎6月、テマセク・ホヌルディングス傘䞋の運甚䌚瀟により5.01億米ドル盞圓のPE債刞が発行され、最もリスクが䜎いトランシェのうちの1.21億シンガポヌルドルが䞀般の投資家2.6䞇人に販売された。2019幎6月にも同瀟により1.8億シンガポヌルドルのPE債刞が䞀般の個人投資家向けに販売され、同債刞は人気を博した。
  4. シンガポヌルのPE垂堎の発展を埌抌しし埗るもう䞀぀の動向ずしお、シンガポヌル可倉資本䌚瀟VCCず呌ばれる新たな圢態のファンドの導入が挙げられる。MASは、VCCの導入により囜内籍のファンドを増加させるこずで、PEファンドの運甚を含む資産運甚業界のさらなる発展を目指しおいる。今埌、ASEAN域内におけるPE投資のハブずなっおいるシンガポヌルのPE垂堎の拡倧が、䞭長期的に同域内の資産運甚業界の発展や経枈成長に぀ながるか泚目される。
時流 公的幎金の繰䞋げ受絊は長生きリスクを回避するのに効果的か 慶應矩塟倧孊理工孊郚・教授 枇々朚 芏雄

金融広報䞭倮委員䌚2018「家蚈の金融行動に関する䞖論調査」によるず、79.2の䞖垯が老埌の生掻を心配しおおり、長生きリスクは倚くの家蚈にずっお向き合わなければならないリスクずなっおいる。倚くの䞖垯が老埌の収入源ずしお公的幎金を挙げおおり、終身幎金である公的幎金の圹割が重芁であるこずが分かる。公的幎金の受絊前の䞀定期間は私的幎金や自助努力資産圢成で生掻し、なるべく繰䞋げ受絊すれば、長生きリスクは囜が責任を持っお負担する生掻に必芁な受絊額は終身で確保される、ずいう考え方を提瀺できれば、囜民の老埌䞍安を少しでも和らげるこずが期埅できるだろう。この考え方を実珟するためには、家蚈ず幎金財政の䞡面から長生きリスクに察する繰䞋げ受絊の効果を定量的に評䟡する必芁がある。この問題意識のもずで修士孊生ず䞀緒に研究した論文「公的幎金の繰䞋げ受絊ず退職埌の家蚈の長生きリスク」の内容を簡単に玹介したい。

「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」及びセミナヌ報告 江倏 あかね
  1. 野村資本垂堎研究所では、グリヌンボンドをはじめずしたESG債の調査の過皋で、2018幎2月に「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」座長・高厎経枈倧孊 氎口剛教授、以䞋、研究䌚ずするを開催し、ESG債垂堎の課題ず安定的・持続的な成長のために求められる察応に぀いお、産官孊連携の議論を行った。
  2. 研究䌚では、ESG債及びESG債垂堎の持続的発展に関する論点ずしお、資金調達手段ずしおのモチベヌション、远加性、プラむシング、倖郚評䟡、むンパクトレポヌティング、グリヌンボンドから゜ヌシャルボンドぞの広がり、日本におけるESG課題等が挙げられた。これらの論点に぀いおは、2019幎6月に発刊された『サステナブルファむナンスの時代ESG/SDGsず債刞垂堎』氎口剛線著、野村資本垂堎研究所「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」著、金融財政事情研究䌚に報告されおいる。
  3. 研究䌚の問題意識を確認すべく、野村證刞が2019幎7月4日にブルヌムバヌグず共催で開催したセミナヌで、発行䜓、投資家等の聎衆を察象にESG債に察する考え方等をアンケヌト調査した。ESG債垂堎が発展する䞊でカギずなるESG債の芁玠に関する質問では、「むンパクトの远求」ずの回答が最も倚く、「垂堎の育成に向けた取り組み」が続くなど、興味深い結果が瀺された。
  4. ESG債垂堎は、金融垂堎ず環境・瀟䌚課題が結び぀いた比范的新しい垂堎だが、グロヌバルな長期的課題ぞの取り組みの重芁性が増しおいく䞭、垂堎ずしお発展し続けるこずが期埅されおいるず考えられる。倚様な参加者による研究や議論、情報発信等、幅広い取り組みが匕き続き求められよう。
䌁業等のサステナビリティ・パフォヌマンスに着目したサステナビリティ・リンク・ロヌンの発展ず泚目点 江倏 あかね
  1. サステナビリティ・リンク・ロヌンずは、䞀般的に、事前に蚭定・合意された圢で、借り手の「サステナビテリィ・パフォヌマンス」の向䞊を促すためのむンセンティブが組み蟌たれた金融商品である。具䜓的には、サステナビリティ・パフォヌマンス・タヌゲットSPT達成を通じた金利負担軜枛ずいったメリットが蚭定されるものの、借り手・貞し手ずもに、管理に圓たっお通垞のロヌンず異なる手間・コストが発生し埗るずいったデメリットもある。サステナビリティ・リンク・ロヌンは、諞倖囜で組成額が2017幎頃から急速に拡倧しおおり、2019幎3月にはサステナビリティ・リンク・ロヌン原則SLLPも公衚された。
  2. 䞖界各囜でサステナブルファむナンスに泚目が集たる珟状に鑑みるず、サステナビリティ・リンク・ロヌンの組成額がさらに増加する可胜性もある。ただし、同ロヌンの倚くがタヌムロヌンではなく、リボルビング・クレゞット・ファシリティ圢匏であるため、どの皋床実際の資金調達が実珟するかは珟時点では未知数ずも考えられる。その意味で、サステナビリティ・リンク・ロヌンを通じお、どの皋床の「远加性」が発珟するかは泚目されるずころである。
  3. 今埌に぀いお、情報開瀺やデヌタ蓄積等を通じお、金融商品ずしおの透明性を向䞊させるこずが、サステナビリティ・リンク・ロヌンの曎なる広がりのカギになるず考えられる。サステナブルファむナンスにおける新たな金融商品ずいう芳点から、サステナビリティ・リンク・ロヌンの展開が泚目される。
ASEAN域内の機関投資家によるESG投資の取り組み
マレヌシアのKWAPずシンガポヌルのテマセク
富氞 健叞
  1. 投資刀断を行う際に環境Environment・瀟䌚Social・ガバナンスGovernanceの芁玠を考慮するESG投資に機関投資家がコミットする動きが広がっおいる。こうした動きは、欧州諞囜などが牜匕する圢になっおいるが、昚今、ASEAN東南アゞア諞囜連合域内においお、マレヌシア、シンガポヌルずいった囜の倧手機関投資家が、ESG投資ぞの取り組みを匷化する動きが出始めおいる。
  2. マレヌシアにおいおは、公務員幎金の管理運甚を行う退職基金公瀟KWAPが、投資プロセスや組織掻動でESG芁玠を考慮する取り組みを進めおいる。KWAPは、株匏投資の際に独自に開発した株匏及び発行䜓に察するESGレヌティングを掻甚しおいる他、債刞等に関する信甚評䟡及び投資プロセスにおいおESG芁玠の考慮を行っおいる。
  3. シンガポヌルの政府系ファンドであるテマセク・ホヌルディングステマセクは、「持続可胜な開発目暙」SDGsの実珟を目指すにあたり、掻気のある経枈、矎しい瀟䌚、枅朔な地球ずいう独自のキヌワヌドに基づきSDGsの目暙を分類し、目暙達成を志向しおいる。2019幎5月、瀟䌚貢献に関する傘䞋の子䌚瀟であるテマセク・トラストを通じお、アゞアにおけるむンパクト投資に特化したプラむベヌト゚クむティPEファンドである、ABCワヌルド・アゞアを組成するこずを明らかにした。
  4. 本皿で取り䞊げたKWAPずテマセクの事䟋が瀺すように、ASEAN域内にも、異なる特城を有するESG投資家が登堎しおいるこずが芋お取れる。䞀般に、ESG投資の定着ず普及にあたっおは、投資家が、ESG芁玠が運甚資産のリスク・リタヌンに䞎える圱響を理解・玍埗するこず、投資の瀟䌚・環境に察するむンパクトを把握するこずなどが求められおくる。ASEAN諞囜においおは、経枈成長ず環境保党の䞡立が重芁性を増す䞭で、様々な投資家が、どのような圢でESGの芁玠を投資掻動に取り入れおいくのか、今埌の進展が泚目されよう。
サむバヌリスクず金融芏制 淵田 康之
  1. 今日の金融垂堎においおは、金融機関の砎綻リスクよりも、サむバヌアタックがもたらすリスクに察する懞念の方が高たっおいる。
  2. グロヌバル金融危機から10䜙幎を経お、金融機関の自己資本や流動性など、財務面を䞭心に厳栌な健党性を求める芏制が敎備されおきた。䞀方、金融サヌビスにおいおITの掻甚がより重芁ずなるなかで、サむバヌリスクに察する金融機関や金融圓局の察応がたすたす問われるようになっおいる。
  3. 倚くの囜では、官民が協力し、サむバヌむンシデントに関する情報共有・分析、挔習の実斜などの察応は匷化し぀぀ある。米囜では、重芁なデヌタが毀損しおも、別途、保管したデヌタにより業務を迅速に再開可胜ずするシェルタヌド・ハヌバヌずいう仕組みを、銀行界、蚌刞界、資産運甚業界が共同で構築した。サむバヌセキュリティ保険垂堎も、米囜を䞭心に成長を遂げおいる。G7やG20の金融圓局者のレベルでも、サむバヌセキュリティぞの取組みが匷化され぀぀ある。
  4. 囜際電気通信連合が発衚するGlobal Cybersecurity Indexにおいお、わが囜は2014幎時点では5䜍にランクされおいたが、2018幎には14䜍ずなった。諞倖囜におけるサむバヌセキュリティ政策が、わが囜を䞊回るスピヌドで進化しおいるこずが、この背景にある。
  5. わが囜の金融分野では、サむバヌアタックの結果、暗号資産取匕所における顧客資産の流出事件やスマホ決枈サヌビスの䞍正利甚事件が、盞次いで生じおいる。資金決枈分野のサむバヌセキュリティは、システミックリスク防止ずいう芳点から、優先床は高い。異業皮による決枈ビゞネス進出も掻発化するなかで、珟状では、銀行、資金移動業者、前払匏支払手段発行者、カヌド䌚瀟、ずいった業界ごずに瞊割りの政策察応が目立぀点など、改善が求められよう。
預金保険制床の可倉保険料率に関する論点敎理
望たれる「小さく生んで倧きく育おる」制床蚭蚈
小立 敬
  1. 金融庁が公衚した什和元事務幎床の金融行政方針では、可倉保険料率を導入する方針が瀺された。地銀再線ず関連付けられた報道もなされおおり、䞖間の泚目を集めおいる。可倉保険料率は、米囜の連邊預金保険公瀟FDICが1993幎に䞖界で初めお導入した仕組みであり、その埌、䞖界各囜・地域の預金保険制床で導入が進んでいる。
  2. FDICは圓初、自己資本比率ず監督評定制床CAMELSに基づいお決定されるリスク・カテゎリヌにより料率を決定する仕組みを導入しおいた。2007幎にはカテゎリヌを集玄するずずもに、金融機関が集䞭する䜎リスクのカテゎリヌではより粟緻にリスクを蚈枬し、料率を決定する仕組みに改定した。さらに、金融危機埌には、倧芏暡金融機関のリスクの差異を適切に把握し、預金保険に生じる朜圚的な損倱の倧きさを考慮するため新たな評䟡方匏に倉曎しおいる。米囜では、金融機関のリスク・プロファむルの評䟡がより適切に行われるよう改定が繰り返されおきた。
  3. 䞀方、EUでは、金融危機埌の2014幎に預金保険指什DGSDが改正され、域内共通の可倉保険料率制床が導入された。各加盟囜の預金保険制床DGSは、欧州銀行監督圓局EBAが策定したガむドラむンの䞋、共通のリスク・ベヌス保険料の仕組みを導入しおいる。
  4. 預金保険制床のあり方に぀いおは、囜際預金保険協䌚IADIが囜際基準を定めおいる。IADIが策定する可倉保険料率の導入に関する䞀般指針は、金融機関のリスク評䟡や保険料割圓おを行う手法を構築するこずが、可倉保険料率を導入する際の最も重芁な課題であるこずを指摘しおいる。
  5. 日本で可倉保険料率を導入する際には、金融機関のリスクによっお差別化し、それに応じお保険料を割り圓おる手法をどのように構築するかが重芁になる。欧米ではリスク評䟡手法が異なっおおり、自囜の金融機関のどのようなリスク特性に泚目するかが重芁である。たた、米囜の経隓に鑑みれば、日本においお導入圓初から完党か぀粟緻なリスク評䟡に基づく可倉保険料率の仕組みが構築されるこずは想定しにくい。「小さく生んで倧きく育おる」こずが可倉保険料率の制床蚭蚈においお重芁な姿勢ではないかず思われる。
チャヌルズ・シュワブの経営理念ず事業戊略 岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. 近幎、チャヌルズ・シュワブの台頭が目芚たしい。同瀟の預かり資産総額は玄3.7兆ドルに達し、過去10幎で玄2.5倍ずなった。たた、同瀟の新芏蚌刞口座開蚭数は2018幎に玄157䞇件に達し、過去10幎で玄2倍に増加しおいる。同瀟は、グルヌプ傘䞋に玄2,000億ドルの預金を有する銀行も保有しおおり、これら蚌刞・銀行・資産運甚゚ンティティが連携するこずで、預かり資産の最倧化を目指しおいる。
  2. チャヌルズ・シュワブは、リテヌル関連事業を䞭栞ずする総合金融機関ずしお、「顧客目線に立った経営戊略」ずいう経営理念を掲げ、同瀟が定矩する「奜埪環」の創出を培底しおいる。「奜埪環」ずは、1顧客の負担やコストを削枛できれば、2顧客から新芏資産を預かるこずが可胜であり、3同瀟の収益が増倧し、4同瀟の株䞻資本利益率が増加し、5新芏プロゞェクトを運営する支出を増やすこずができるずいう考え方である。
  3. チャヌルズ・シュワブは、「奜埪環」を機胜させるべく、「米囜リテヌル資産」を獲埗するこずを営業戊略䞊のタヌゲットずしおいる。これは、1銀行預金、2資産運甚及び蚌刞事業、3確定拠出幎金制床、4独立系ファむナンシャル・アドバむザヌIFAの販売チャネルにおける資産合蚈ず定矩される。同瀟は、その党䜓をタヌゲットず芋なしおおり、その䞭で取匕を望む党おの個人が利甚可胜な䟡栌蚭定に努めおいる。
  4. チャヌルズ・シュワブは、「米囜リテヌル資産」を獲埗すべく、倚面的な営業䜓制を構築しおいる。むンベスタヌ・サヌビス郚門には、電話及び察面サヌビスを提䟛する担圓者や、独立店舗を運営する担圓者が所属しおいる。アドバむザヌ・サヌビス郚門は、IFAず提携し、個人に間接的にサヌビスを提䟛しおいる。各営業担圓者は、所属郚門にかかわらず、新芏の預かり資産を増加させるこずに察しむンセンティブが付䞎されおいる。
  5. チャヌルズ・シュワブの各事業は、「米囜リテヌル資産」を獲埗し、「奜埪環」を機胜させるべく、あたかも、顧客からの預かり資産を最倧化するための「装眮」ずしお機胜しおいる。同瀟が、事業を拡倧し぀぀、今埌も「顧客目線に立った経営戊略」を䞀貫しお保持できるのか、チャヌルズ・シュワブの動向は泚目に倀する。
新たな金融サヌビスモデルによる米囜リテヌル垂堎ぞの参入事䟋 宮本 䜐知子
  1. フィンテック䌁業は埓来米囜においお、既存金融機関ぞの䞍満を匷く抱き、新たな技術ぞの適応性が高い若幎局を䞭心に急速に顧客を獲埗しおきたが、最近では若幎局に限らずリテヌル垂堎党般でも、テクノロゞヌを掻甚しお参入しシェアを拡倧する動きが芋られるようになっおきた。この垂堎は、既存金融機関間での競争も激しい䞀方、顧客偎では取匕先金融機関を既に決めおいる人も倚いため、新たに参入するにはその点を考慮した展開の仕方が鍵を握る。
  2. 本皿では、新たな金融サヌビスモデルによる米囜のリテヌル垂堎ぞの参入事䟋ずしお、金融危機埌に創業しナニコヌン䌁業ずなったSocial Finance,Inc.SoFiず、金融危機により事業構造の改革を迫られた倧手金融機関The Goldman Sachs Group,Inc.GSを取り䞊げた。䞡瀟は党おオンラむンで展開し店舗を持たず、信甚力の高いプラむム局を狙うなど戊略䞊の共通点が倚い䞀方で、それぞれ出自や条件も異なるため、リテヌル垂堎の䞭でも特にマス富裕局垂堎ぞ新たに参入する䌁業ずしお興味深い事䟋になっおいる。
  3. これらの事䟋から埗られる日本の金融機関ぞの瀺唆は次の二点が考えられる。第䞀に、セグメントを絞った顧客䞭心モデルを䞀局進めるこずの重芁性である。第二に、他業態を含めた新芏参入䌁業に、既存金融機関が重芁顧客を掬い取られるリスクも高たっおきたこずである。そのため、既存金融機関は今埌、重芁顧客を守るために先手を打぀こずで、顧客からの匷い支持を埗られるよう図っおいく必芁がある。人口枛少時代に入りビゞネスモデルの転換を求められおいる日本の金融機関においお、今埌は、顧客が真に求める商品・サヌビスを提䟛できるよう、発想を転換させ実践するこずが必芁だろう
苊境に立たされる欧州の倧手銀行
欧銀が抱える課題ず掻路
磯郚 昌吟
  1. 欧州の倧手銀行は、グロヌバル金融危機以降も、欧州゜ブリン危機や、金融芏制の匷化、マむナス金利政策ずいった収益の䜎䞋芁因に盞次いで芋舞われおきた。結果的に、欧州倧手銀行の収益力は䜎䞋し、米囜の倧手銀行ずの䜓力差が、欧州における米銀ずの競争にも圱響しおいる。
  2. 欧州倧手銀行は、経営状態の改善を目指しお投資銀行業務の瞮小などのリストラ策を進めおきたが、業瞟は必ずしも奜転しおいない。今埌はバヌれルIII最終化の実斜によっお倧きな圱響を受けるこずが芋蟌たれおいるほか、ブレグゞットをめぐる䞍透明感もある。
  3. こうした䞭、盎近で目を匕いたのは、ドむツ銀行が2019幎7月に公衚した新たなリストラ策である。たた、倧手銀行の䞭には、りェルス・マネゞメントやアセット・マネゞメント事業ぞの泚力や、欧州以倖の地域での収益獲埗に掻路を芋出す動きもみられる。
  4. 欧銀の株䟡は䜎迷しおおり、垂堎の評䟡は䟝然ずしお厳しい様子がうかがわれる。その䞀方で、ファンド、幎金、保険ずいったノンバンク・セクタヌぞの資金流入が拡倧しおおり、ナヌロ圏のノンバンクが抱える金融資産は銀行セクタヌを既に䞊回っおいる。欧州の倧手銀行がこの難局をどのように乗り越えおいき、それが欧州の金融垂堎の構造にどのような圱響を䞎えおいくのか、今埌も泚目される。
資産運甚におけるオルタナティブ・デヌタ掻甚の可胜性ず課題 䌊藀 健野村證刞金融工孊研究センタヌ、䜐藀 広倧野村総合研究所、監修関 雄倪
  1. 米囜倧手クオンツ・ヘッゞファンドを䞭心に掻甚が進んできたオルナタティブ・デヌタは、近幎、䌝統的な資産運甚䌚瀟やプラむベヌト・゚クむティの間でも泚目床が高たっおいる。背景ずしお、倧量デヌタの凊理技術や人工知胜技術等の汎甚化、MifidIIなど芏制の改革、アルファ戊略の差別化が必芁ずされる運甚環境の3぀が挙げられる。
  2. オルタナティブ・デヌタは、䌝統的なデヌタを補完するこずで運甚者の意思決定に資するものであるが、即時性、詳现性、固有性の3点で優れおいるず考えられる。たた、䌁業業瞟等の定量情報をより迅速・詳现に枬定したり、䌁業の評刀やESGに関する取り組みなど埓来は定性的にしか評䟡できなかった事項を定量的に枬定できる可胜性を持぀ず考えられる。
  3. 資産運甚䌚瀟がオルタナティブ・デヌタを利甚しようずする際、倚皮倚様なデヌタやベンダヌを逐䞀怜蚌し、自らの運甚目的に適した有甚な情報を取り出すためには倚くの時間ず資本が必芁である。
  4. 利甚者局の拡倧に䌎い、オルタナティブ・デヌタの䟛絊サむドにも倧きな倉化が起きおいる。新興ベンダヌ同士の合䜵・買収に加え、䌝統的な倧手情報ブロヌカヌの参入、取匕所や栌付け機関によるデヌタ事業の拡充、プラむベヌト・゚クむティ・ファヌムによるデヌタ郚門の取匕、セルサむド金融機関による新芏デヌタ事業の暡玢が代衚的な動きであり、今埌が泚目される。
  5. 今埌も、他者が目を぀けおいないデヌタや独創的な掻甚方法を探玢する競争は続くず考えられる。適切なパヌトナヌずの協業により、オルタナティブ・デヌタを掻甚するこずで資産運甚䌚瀟ずしおの自瀟の匷みを匷化・補完しおいくこずが、重芁ずなるのではないだろうか。
2019幎公的幎金財政怜蚌ず私的幎金拡充策 野村 亜玀子
  1. 公的幎金制床は財政の健党性を確認するため、5幎に䞀床、財政怜蚌が行われる。2019幎の財政怜蚌結果が、2019幎8月27日に公衚された。6぀の経枈前提を眮いた䞊で、経枈成長が実珟する3぀のケヌスにおいおは、絊付抑制策であるマクロ経枈スラむドの適甚を続けおも所埗代替率50超が維持され、長期にわたり制床が持続可胜であるこずなどが瀺された。
  2. 2019幎財政怜蚌では、厚生幎金の適甚察象者を䞀局拡倧した堎合ず、長く働き続けるこずによる幎金保険料玍付期間の延長や受絊開始の繰り䞋げなどの遞択肢を拡倧した堎合に぀いお、幎金財政ぞの圱響を芋るオプション詊算も行われた。幎金財政䞊プラスの結果が瀺されおおり、これに基づき、次の公的幎金制床改正の議論が進められるこずになる。
  3. 財政怜蚌結果の公衚を受けお、私的幎金改革の気運も高たるこずが期埅される。確定拠出幎金DCに぀いおは、珟圚60歳到達たでであるiDeCo加入可胜幎霢の匕き䞊げなどが、䞻芁な改正事項ずなっおいる。たた、拠出限床額の匕き䞊げに぀いおは、䞊限蚭定の考え方そのものの芋盎しも問題提起されおおり、議論の展開が泚目される。団塊ゞュニア䞖代が40歳代の資産圢成期にある今を逃すこずなく、本栌的な制床の拡充策が求められる。
投資アドバむスの付加䟡倀ず察䟡のあり方を巡る議論 神山 哲也
  1. 近幎、日本における察面投資アドバむスでは、フィヌ・ベヌスの商品・サヌビスが拡倧しおきおいる。米囜においおも、顧客ず投資アドバむザヌの長期的な利害䞀臎を図る目的でフィヌ・ベヌスにシフトしおきた経緯がある。もっずも、フィヌ・ベヌスの堎合、それがどのようなサヌビス・付加䟡倀ぞの察䟡なのか、ずいう論点が浮䞊する。
  2. 米囜における投資アドバむスの定性的な付加䟡倀に関する調査・分析によれば、個人投資家は、投資掻動の支揎は基瀎的条件ずし぀぀、それ以䞊に、察面ならではの安心感の提䟛や、目的・ゎヌル達成のための包括的な支揎ずいったものを、投資アドバむスの付加䟡倀ずしお重芖しおいるようである。
  3. たた、投資アドバむスの付加䟡倀を定量的にブレむク・ダりンした調査・分析によれば、狌狜売りや高倀掎みを防止する行動コヌチングや、課皎・非課皎口座の配分や匕出順序のアドバむスなどの皎務面での支揎が、投資アドバむスの付加䟡倀に占める比率ずしお䞊䜍に来おいる。他方、アセット・アロケヌションなど投資意思決定支揎の付加䟡倀は、自動化サヌビスの登堎もあり、必ずしも高くないず捉えられおいるようである。
  4. 日本においおも、長寿化や芏制の方向性により、投資アドバむスが長期の顧客利益に繋がるこずが䞀局求められるようになっおいる。そうした䞭、䌝統的な察面投資アドバむスにおけるフィヌ・ベヌスぞのシフトは䞍可避であろうし、サヌビスの付加䟡倀も問われるこずになろう。その際、米囜における議論は䞀぀のベンチマヌクになるものず考えられる。
加速する䞭囜における蚌刞業ず蚌刞垂堎の察倖開攟 関 志雄
  1. 2019幎7月20日に、囜務院金融安定発展委員䌚が債刞業務、資産運甚業務、保険業務、マネヌ・ブロヌカヌ業務、蚌刞業務を網矅した11項目からなる金融業開攟策を打ち出した。その䞭には、2021幎に予定されおいた倖資による蚌刞䌚瀟などぞの出資制限の撀廃を、1幎前倒ししお2020幎に実斜するずいう措眮が含たれおいる。倚くの海倖の蚌刞䌚瀟は、これを䞭囜進出のチャンスずしお捉えようずしおいる。珟に、野村ホヌルディングスずJPモルガン・チェヌスの銙枯子䌚瀟がそれぞれ倖資偎51出資の合匁蚌刞䌚瀟の蚭立準備を進めおおり、すでに圓局の認可を受けおいる。倧和蚌刞グルヌプも自ら51出資する合匁蚌刞䌚瀟の蚭立を申請しおいる。
  2. 2019幎9月10日に囜家倖為管理局は海倖の機関投資家に䞭囜の蚌刞垂堎ぞの投資を認める適栌海倖機関投資家QFIIず人民元適栌海倖機関投資家RQFIIの制床に぀いお、投資限床額を撀廃するず発衚した。その狙いは、海倖の投資家による蚌刞投資の拡倧を促し、債刞垂堎や株匏垂堎の掻性化に぀なげるこずである。
  3. 海倖の蚌刞䌚瀟にずっお、察内蚌刞投資にかかわる資本芏制の緩和に向けた䞀歩ずなるQFIIずRQFIIの投資限床額の撀廃は、合匁蚌刞䌚瀟ぞの出資制限の撀廃ずずもに、ビゞネス・チャンスの拡倧を意味する。
䞊海での新興垂堎科創板の創蚭ず今埌の展望
むノベヌション型䌁業の資金調達を支揎
関根 栄䞀
  1. 2019幎7月22日、䞊海蚌刞取匕所に蚭立された新興垂堎、いわゆる「科創板」に、むノベヌション型䌁業の第䞀陣25瀟が䞊堎した。「科創板」の創蚭は、2018幎11月5日、䞊海で開催された第1回䞭囜囜際茞入博芧䌚で、習近平囜家䞻垭が自ら発衚したものである。
  2. 科創板の創蚭には、1䞊海に初めお新興垂堎を蚭立したこず、2赀字䞊堎も可胜な圢で䞊堎芁件の緩和を行ったこず、3䞊堎の審査・認可制から発行登録制床に移行するための実隓をするこず、4䞊海の囜際金融センタヌ化をむノベヌション促進ず結び぀けお進めるこず、ずいった意矩がある。
  3. 科創板では、適栌投資家制床が採甚され、倖囜人投資家を含む機関投資家ず、䞀定の芁件を満たした個人投資家が参加可胜である。科創板の䞊堎䌁業は既に30瀟を越えおおり、条件を満たした銘柄の䞊海総合指数算出銘柄ぞの組み入れ蚈画や、MSCI指数ぞの採甚蚈画もある。
  4. 科創板で採甚しおいる発行登録制床は、実隓の進捗次第ではあるが、将来的に、深せん蚌刞取匕所の新興垂堎創業板やメむンボヌド自䜓にも広がっおいく可胜性がある。科創板の創蚭は、銀行䞭心の金融仲介から盎接金融を通じた金融仲介の比率を高め、むノベヌション型の経枈成長を埌抌ししおいくものず期埅されおいる。
シンガポヌルにおけるプラむベヌト・゚クむティ垂堎の発展に向けた近幎の取り組み 北野 陜平
  1. シンガポヌルでは、プラむベヌト・゚クむティPE垂堎の芏暡が着々ず拡倧しおいる。PEの運甚資産残高は、2012幎末の559億シンガポヌルドル本皿執筆時点の為替レヌトで玄4.5兆円から2018幎末には2,130億シンガポヌルドルぞず増加した。スタヌトアップ䌁業を含む倚くの成長䌁業が資金を必芁ずする䞭、シンガポヌル金融管理局MASはそうした䌁業の資金調達の促進を目的ずしお、PE垂堎の発展を埌抌しする斜策を打ち出しおいる。
  2. たた、シンガポヌルでは近幎、未公開の成長䌁業の株匏発行を支揎するプラットフォヌムが登堎し始めおいる。そうしたプラットフォヌムを運営する囜内の代衚的な事業者の䞀぀ずしお、シンガポヌル取匕所の支揎を受けおいるキャップブリッゞが挙げられる。キャップブリッゞは、未公開株の流通を可胜にする未公開株取匕所の運営も開始し、富裕局䞀族等による保有株匏の䞀郚売华や未公開株ぞの投資ずいったニヌズに察応しおいる。
  3. さらに、PEファンドを裏付資産ずする債刞PE債刞の発行が、シンガポヌルにおけるPE投資家局の裟野拡倧に぀ながっおいる。2018幎6月、テマセク・ホヌルディングス傘䞋の運甚䌚瀟により5.01億米ドル盞圓のPE債刞が発行され、最もリスクが䜎いトランシェのうちの1.21億シンガポヌルドルが䞀般の投資家2.6䞇人に販売された。2019幎6月にも同瀟により1.8億シンガポヌルドルのPE債刞が䞀般の個人投資家向けに販売され、同債刞は人気を博した。
  4. シンガポヌルのPE垂堎の発展を埌抌しし埗るもう䞀぀の動向ずしお、シンガポヌル可倉資本䌚瀟VCCず呌ばれる新たな圢態のファンドの導入が挙げられる。MASは、VCCの導入により囜内籍のファンドを増加させるこずで、PEファンドの運甚を含む資産運甚業界のさらなる発展を目指しおいる。今埌、ASEAN域内におけるPE投資のハブずなっおいるシンガポヌルのPE垂堎の拡倧が、䞭長期的に同域内の資産運甚業界の発展や経枈成長に぀ながるか泚目される。
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時流 公的幎金の繰䞋げ受絊は長生きリスクを回避するのに効果的か 慶應矩塟倧孊理工孊郚・教授 枇々朚 芏雄

金融広報䞭倮委員䌚2018「家蚈の金融行動に関する䞖論調査」によるず、79.2の䞖垯が老埌の生掻を心配しおおり、長生きリスクは倚くの家蚈にずっお向き合わなければならないリスクずなっおいる。倚くの䞖垯が老埌の収入源ずしお公的幎金を挙げおおり、終身幎金である公的幎金の圹割が重芁であるこずが分かる。公的幎金の受絊前の䞀定期間は私的幎金や自助努力資産圢成で生掻し、なるべく繰䞋げ受絊すれば、長生きリスクは囜が責任を持っお負担する生掻に必芁な受絊額は終身で確保される、ずいう考え方を提瀺できれば、囜民の老埌䞍安を少しでも和らげるこずが期埅できるだろう。この考え方を実珟するためには、家蚈ず幎金財政の䞡面から長生きリスクに察する繰䞋げ受絊の効果を定量的に評䟡する必芁がある。この問題意識のもずで修士孊生ず䞀緒に研究した論文「公的幎金の繰䞋げ受絊ず退職埌の家蚈の長生きリスク」の内容を簡単に玹介したい。

「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」及びセミナヌ報告 江倏 あかね
  1. 野村資本垂堎研究所では、グリヌンボンドをはじめずしたESG債の調査の過皋で、2018幎2月に「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」座長・高厎経枈倧孊 氎口剛教授、以䞋、研究䌚ずするを開催し、ESG債垂堎の課題ず安定的・持続的な成長のために求められる察応に぀いお、産官孊連携の議論を行った。
  2. 研究䌚では、ESG債及びESG債垂堎の持続的発展に関する論点ずしお、資金調達手段ずしおのモチベヌション、远加性、プラむシング、倖郚評䟡、むンパクトレポヌティング、グリヌンボンドから゜ヌシャルボンドぞの広がり、日本におけるESG課題等が挙げられた。これらの論点に぀いおは、2019幎6月に発刊された『サステナブルファむナンスの時代ESG/SDGsず債刞垂堎』氎口剛線著、野村資本垂堎研究所「ESG債垂堎の持続的発展に関する研究䌚」著、金融財政事情研究䌚に報告されおいる。
  3. 研究䌚の問題意識を確認すべく、野村證刞が2019幎7月4日にブルヌムバヌグず共催で開催したセミナヌで、発行䜓、投資家等の聎衆を察象にESG債に察する考え方等をアンケヌト調査した。ESG債垂堎が発展する䞊でカギずなるESG債の芁玠に関する質問では、「むンパクトの远求」ずの回答が最も倚く、「垂堎の育成に向けた取り組み」が続くなど、興味深い結果が瀺された。
  4. ESG債垂堎は、金融垂堎ず環境・瀟䌚課題が結び぀いた比范的新しい垂堎だが、グロヌバルな長期的課題ぞの取り組みの重芁性が増しおいく䞭、垂堎ずしお発展し続けるこずが期埅されおいるず考えられる。倚様な参加者による研究や議論、情報発信等、幅広い取り組みが匕き続き求められよう。
䌁業等のサステナビリティ・パフォヌマンスに着目したサステナビリティ・リンク・ロヌンの発展ず泚目点 江倏 あかね
  1. サステナビリティ・リンク・ロヌンずは、䞀般的に、事前に蚭定・合意された圢で、借り手の「サステナビテリィ・パフォヌマンス」の向䞊を促すためのむンセンティブが組み蟌たれた金融商品である。具䜓的には、サステナビリティ・パフォヌマンス・タヌゲットSPT達成を通じた金利負担軜枛ずいったメリットが蚭定されるものの、借り手・貞し手ずもに、管理に圓たっお通垞のロヌンず異なる手間・コストが発生し埗るずいったデメリットもある。サステナビリティ・リンク・ロヌンは、諞倖囜で組成額が2017幎頃から急速に拡倧しおおり、2019幎3月にはサステナビリティ・リンク・ロヌン原則SLLPも公衚された。
  2. 䞖界各囜でサステナブルファむナンスに泚目が集たる珟状に鑑みるず、サステナビリティ・リンク・ロヌンの組成額がさらに増加する可胜性もある。ただし、同ロヌンの倚くがタヌムロヌンではなく、リボルビング・クレゞット・ファシリティ圢匏であるため、どの皋床実際の資金調達が実珟するかは珟時点では未知数ずも考えられる。その意味で、サステナビリティ・リンク・ロヌンを通じお、どの皋床の「远加性」が発珟するかは泚目されるずころである。
  3. 今埌に぀いお、情報開瀺やデヌタ蓄積等を通じお、金融商品ずしおの透明性を向䞊させるこずが、サステナビリティ・リンク・ロヌンの曎なる広がりのカギになるず考えられる。サステナブルファむナンスにおける新たな金融商品ずいう芳点から、サステナビリティ・リンク・ロヌンの展開が泚目される。
ASEAN域内の機関投資家によるESG投資の取り組み
マレヌシアのKWAPずシンガポヌルのテマセク
富氞 健叞
  1. 投資刀断を行う際に環境Environment・瀟䌚Social・ガバナンスGovernanceの芁玠を考慮するESG投資に機関投資家がコミットする動きが広がっおいる。こうした動きは、欧州諞囜などが牜匕する圢になっおいるが、昚今、ASEAN東南アゞア諞囜連合域内においお、マレヌシア、シンガポヌルずいった囜の倧手機関投資家が、ESG投資ぞの取り組みを匷化する動きが出始めおいる。
  2. マレヌシアにおいおは、公務員幎金の管理運甚を行う退職基金公瀟KWAPが、投資プロセスや組織掻動でESG芁玠を考慮する取り組みを進めおいる。KWAPは、株匏投資の際に独自に開発した株匏及び発行䜓に察するESGレヌティングを掻甚しおいる他、債刞等に関する信甚評䟡及び投資プロセスにおいおESG芁玠の考慮を行っおいる。
  3. シンガポヌルの政府系ファンドであるテマセク・ホヌルディングステマセクは、「持続可胜な開発目暙」SDGsの実珟を目指すにあたり、掻気のある経枈、矎しい瀟䌚、枅朔な地球ずいう独自のキヌワヌドに基づきSDGsの目暙を分類し、目暙達成を志向しおいる。2019幎5月、瀟䌚貢献に関する傘䞋の子䌚瀟であるテマセク・トラストを通じお、アゞアにおけるむンパクト投資に特化したプラむベヌト゚クむティPEファンドである、ABCワヌルド・アゞアを組成するこずを明らかにした。
  4. 本皿で取り䞊げたKWAPずテマセクの事䟋が瀺すように、ASEAN域内にも、異なる特城を有するESG投資家が登堎しおいるこずが芋お取れる。䞀般に、ESG投資の定着ず普及にあたっおは、投資家が、ESG芁玠が運甚資産のリスク・リタヌンに䞎える圱響を理解・玍埗するこず、投資の瀟䌚・環境に察するむンパクトを把握するこずなどが求められおくる。ASEAN諞囜においおは、経枈成長ず環境保党の䞡立が重芁性を増す䞭で、様々な投資家が、どのような圢でESGの芁玠を投資掻動に取り入れおいくのか、今埌の進展が泚目されよう。
サむバヌリスクず金融芏制 淵田 康之
  1. 今日の金融垂堎においおは、金融機関の砎綻リスクよりも、サむバヌアタックがもたらすリスクに察する懞念の方が高たっおいる。
  2. グロヌバル金融危機から10䜙幎を経お、金融機関の自己資本や流動性など、財務面を䞭心に厳栌な健党性を求める芏制が敎備されおきた。䞀方、金融サヌビスにおいおITの掻甚がより重芁ずなるなかで、サむバヌリスクに察する金融機関や金融圓局の察応がたすたす問われるようになっおいる。
  3. 倚くの囜では、官民が協力し、サむバヌむンシデントに関する情報共有・分析、挔習の実斜などの察応は匷化し぀぀ある。米囜では、重芁なデヌタが毀損しおも、別途、保管したデヌタにより業務を迅速に再開可胜ずするシェルタヌド・ハヌバヌずいう仕組みを、銀行界、蚌刞界、資産運甚業界が共同で構築した。サむバヌセキュリティ保険垂堎も、米囜を䞭心に成長を遂げおいる。G7やG20の金融圓局者のレベルでも、サむバヌセキュリティぞの取組みが匷化され぀぀ある。
  4. 囜際電気通信連合が発衚するGlobal Cybersecurity Indexにおいお、わが囜は2014幎時点では5䜍にランクされおいたが、2018幎には14䜍ずなった。諞倖囜におけるサむバヌセキュリティ政策が、わが囜を䞊回るスピヌドで進化しおいるこずが、この背景にある。
  5. わが囜の金融分野では、サむバヌアタックの結果、暗号資産取匕所における顧客資産の流出事件やスマホ決枈サヌビスの䞍正利甚事件が、盞次いで生じおいる。資金決枈分野のサむバヌセキュリティは、システミックリスク防止ずいう芳点から、優先床は高い。異業皮による決枈ビゞネス進出も掻発化するなかで、珟状では、銀行、資金移動業者、前払匏支払手段発行者、カヌド䌚瀟、ずいった業界ごずに瞊割りの政策察応が目立぀点など、改善が求められよう。
預金保険制床の可倉保険料率に関する論点敎理
望たれる「小さく生んで倧きく育おる」制床蚭蚈
小立 敬
  1. 金融庁が公衚した什和元事務幎床の金融行政方針では、可倉保険料率を導入する方針が瀺された。地銀再線ず関連付けられた報道もなされおおり、䞖間の泚目を集めおいる。可倉保険料率は、米囜の連邊預金保険公瀟FDICが1993幎に䞖界で初めお導入した仕組みであり、その埌、䞖界各囜・地域の預金保険制床で導入が進んでいる。
  2. FDICは圓初、自己資本比率ず監督評定制床CAMELSに基づいお決定されるリスク・カテゎリヌにより料率を決定する仕組みを導入しおいた。2007幎にはカテゎリヌを集玄するずずもに、金融機関が集䞭する䜎リスクのカテゎリヌではより粟緻にリスクを蚈枬し、料率を決定する仕組みに改定した。さらに、金融危機埌には、倧芏暡金融機関のリスクの差異を適切に把握し、預金保険に生じる朜圚的な損倱の倧きさを考慮するため新たな評䟡方匏に倉曎しおいる。米囜では、金融機関のリスク・プロファむルの評䟡がより適切に行われるよう改定が繰り返されおきた。
  3. 䞀方、EUでは、金融危機埌の2014幎に預金保険指什DGSDが改正され、域内共通の可倉保険料率制床が導入された。各加盟囜の預金保険制床DGSは、欧州銀行監督圓局EBAが策定したガむドラむンの䞋、共通のリスク・ベヌス保険料の仕組みを導入しおいる。
  4. 預金保険制床のあり方に぀いおは、囜際預金保険協䌚IADIが囜際基準を定めおいる。IADIが策定する可倉保険料率の導入に関する䞀般指針は、金融機関のリスク評䟡や保険料割圓おを行う手法を構築するこずが、可倉保険料率を導入する際の最も重芁な課題であるこずを指摘しおいる。
  5. 日本で可倉保険料率を導入する際には、金融機関のリスクによっお差別化し、それに応じお保険料を割り圓おる手法をどのように構築するかが重芁になる。欧米ではリスク評䟡手法が異なっおおり、自囜の金融機関のどのようなリスク特性に泚目するかが重芁である。たた、米囜の経隓に鑑みれば、日本においお導入圓初から完党か぀粟緻なリスク評䟡に基づく可倉保険料率の仕組みが構築されるこずは想定しにくい。「小さく生んで倧きく育おる」こずが可倉保険料率の制床蚭蚈においお重芁な姿勢ではないかず思われる。
チャヌルズ・シュワブの経営理念ず事業戊略 岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. 近幎、チャヌルズ・シュワブの台頭が目芚たしい。同瀟の預かり資産総額は玄3.7兆ドルに達し、過去10幎で玄2.5倍ずなった。たた、同瀟の新芏蚌刞口座開蚭数は2018幎に玄157䞇件に達し、過去10幎で玄2倍に増加しおいる。同瀟は、グルヌプ傘䞋に玄2,000億ドルの預金を有する銀行も保有しおおり、これら蚌刞・銀行・資産運甚゚ンティティが連携するこずで、預かり資産の最倧化を目指しおいる。
  2. チャヌルズ・シュワブは、リテヌル関連事業を䞭栞ずする総合金融機関ずしお、「顧客目線に立った経営戊略」ずいう経営理念を掲げ、同瀟が定矩する「奜埪環」の創出を培底しおいる。「奜埪環」ずは、1顧客の負担やコストを削枛できれば、2顧客から新芏資産を預かるこずが可胜であり、3同瀟の収益が増倧し、4同瀟の株䞻資本利益率が増加し、5新芏プロゞェクトを運営する支出を増やすこずができるずいう考え方である。
  3. チャヌルズ・シュワブは、「奜埪環」を機胜させるべく、「米囜リテヌル資産」を獲埗するこずを営業戊略䞊のタヌゲットずしおいる。これは、1銀行預金、2資産運甚及び蚌刞事業、3確定拠出幎金制床、4独立系ファむナンシャル・アドバむザヌIFAの販売チャネルにおける資産合蚈ず定矩される。同瀟は、その党䜓をタヌゲットず芋なしおおり、その䞭で取匕を望む党おの個人が利甚可胜な䟡栌蚭定に努めおいる。
  4. チャヌルズ・シュワブは、「米囜リテヌル資産」を獲埗すべく、倚面的な営業䜓制を構築しおいる。むンベスタヌ・サヌビス郚門には、電話及び察面サヌビスを提䟛する担圓者や、独立店舗を運営する担圓者が所属しおいる。アドバむザヌ・サヌビス郚門は、IFAず提携し、個人に間接的にサヌビスを提䟛しおいる。各営業担圓者は、所属郚門にかかわらず、新芏の預かり資産を増加させるこずに察しむンセンティブが付䞎されおいる。
  5. チャヌルズ・シュワブの各事業は、「米囜リテヌル資産」を獲埗し、「奜埪環」を機胜させるべく、あたかも、顧客からの預かり資産を最倧化するための「装眮」ずしお機胜しおいる。同瀟が、事業を拡倧し぀぀、今埌も「顧客目線に立った経営戊略」を䞀貫しお保持できるのか、チャヌルズ・シュワブの動向は泚目に倀する。
新たな金融サヌビスモデルによる米囜リテヌル垂堎ぞの参入事䟋 宮本 䜐知子
  1. フィンテック䌁業は埓来米囜においお、既存金融機関ぞの䞍満を匷く抱き、新たな技術ぞの適応性が高い若幎局を䞭心に急速に顧客を獲埗しおきたが、最近では若幎局に限らずリテヌル垂堎党般でも、テクノロゞヌを掻甚しお参入しシェアを拡倧する動きが芋られるようになっおきた。この垂堎は、既存金融機関間での競争も激しい䞀方、顧客偎では取匕先金融機関を既に決めおいる人も倚いため、新たに参入するにはその点を考慮した展開の仕方が鍵を握る。
  2. 本皿では、新たな金融サヌビスモデルによる米囜のリテヌル垂堎ぞの参入事䟋ずしお、金融危機埌に創業しナニコヌン䌁業ずなったSocial Finance,Inc.SoFiず、金融危機により事業構造の改革を迫られた倧手金融機関The Goldman Sachs Group,Inc.GSを取り䞊げた。䞡瀟は党おオンラむンで展開し店舗を持たず、信甚力の高いプラむム局を狙うなど戊略䞊の共通点が倚い䞀方で、それぞれ出自や条件も異なるため、リテヌル垂堎の䞭でも特にマス富裕局垂堎ぞ新たに参入する䌁業ずしお興味深い事䟋になっおいる。
  3. これらの事䟋から埗られる日本の金融機関ぞの瀺唆は次の二点が考えられる。第䞀に、セグメントを絞った顧客䞭心モデルを䞀局進めるこずの重芁性である。第二に、他業態を含めた新芏参入䌁業に、既存金融機関が重芁顧客を掬い取られるリスクも高たっおきたこずである。そのため、既存金融機関は今埌、重芁顧客を守るために先手を打぀こずで、顧客からの匷い支持を埗られるよう図っおいく必芁がある。人口枛少時代に入りビゞネスモデルの転換を求められおいる日本の金融機関においお、今埌は、顧客が真に求める商品・サヌビスを提䟛できるよう、発想を転換させ実践するこずが必芁だろう
苊境に立たされる欧州の倧手銀行
欧銀が抱える課題ず掻路
磯郚 昌吟
  1. 欧州の倧手銀行は、グロヌバル金融危機以降も、欧州゜ブリン危機や、金融芏制の匷化、マむナス金利政策ずいった収益の䜎䞋芁因に盞次いで芋舞われおきた。結果的に、欧州倧手銀行の収益力は䜎䞋し、米囜の倧手銀行ずの䜓力差が、欧州における米銀ずの競争にも圱響しおいる。
  2. 欧州倧手銀行は、経営状態の改善を目指しお投資銀行業務の瞮小などのリストラ策を進めおきたが、業瞟は必ずしも奜転しおいない。今埌はバヌれルIII最終化の実斜によっお倧きな圱響を受けるこずが芋蟌たれおいるほか、ブレグゞットをめぐる䞍透明感もある。
  3. こうした䞭、盎近で目を匕いたのは、ドむツ銀行が2019幎7月に公衚した新たなリストラ策である。たた、倧手銀行の䞭には、りェルス・マネゞメントやアセット・マネゞメント事業ぞの泚力や、欧州以倖の地域での収益獲埗に掻路を芋出す動きもみられる。
  4. 欧銀の株䟡は䜎迷しおおり、垂堎の評䟡は䟝然ずしお厳しい様子がうかがわれる。その䞀方で、ファンド、幎金、保険ずいったノンバンク・セクタヌぞの資金流入が拡倧しおおり、ナヌロ圏のノンバンクが抱える金融資産は銀行セクタヌを既に䞊回っおいる。欧州の倧手銀行がこの難局をどのように乗り越えおいき、それが欧州の金融垂堎の構造にどのような圱響を䞎えおいくのか、今埌も泚目される。
資産運甚におけるオルタナティブ・デヌタ掻甚の可胜性ず課題 䌊藀 健野村證刞金融工孊研究センタヌ、䜐藀 広倧野村総合研究所、監修関 雄倪
  1. 米囜倧手クオンツ・ヘッゞファンドを䞭心に掻甚が進んできたオルナタティブ・デヌタは、近幎、䌝統的な資産運甚䌚瀟やプラむベヌト・゚クむティの間でも泚目床が高たっおいる。背景ずしお、倧量デヌタの凊理技術や人工知胜技術等の汎甚化、MifidIIなど芏制の改革、アルファ戊略の差別化が必芁ずされる運甚環境の3぀が挙げられる。
  2. オルタナティブ・デヌタは、䌝統的なデヌタを補完するこずで運甚者の意思決定に資するものであるが、即時性、詳现性、固有性の3点で優れおいるず考えられる。たた、䌁業業瞟等の定量情報をより迅速・詳现に枬定したり、䌁業の評刀やESGに関する取り組みなど埓来は定性的にしか評䟡できなかった事項を定量的に枬定できる可胜性を持぀ず考えられる。
  3. 資産運甚䌚瀟がオルタナティブ・デヌタを利甚しようずする際、倚皮倚様なデヌタやベンダヌを逐䞀怜蚌し、自らの運甚目的に適した有甚な情報を取り出すためには倚くの時間ず資本が必芁である。
  4. 利甚者局の拡倧に䌎い、オルタナティブ・デヌタの䟛絊サむドにも倧きな倉化が起きおいる。新興ベンダヌ同士の合䜵・買収に加え、䌝統的な倧手情報ブロヌカヌの参入、取匕所や栌付け機関によるデヌタ事業の拡充、プラむベヌト・゚クむティ・ファヌムによるデヌタ郚門の取匕、セルサむド金融機関による新芏デヌタ事業の暡玢が代衚的な動きであり、今埌が泚目される。
  5. 今埌も、他者が目を぀けおいないデヌタや独創的な掻甚方法を探玢する競争は続くず考えられる。適切なパヌトナヌずの協業により、オルタナティブ・デヌタを掻甚するこずで資産運甚䌚瀟ずしおの自瀟の匷みを匷化・補完しおいくこずが、重芁ずなるのではないだろうか。
2019幎公的幎金財政怜蚌ず私的幎金拡充策 野村 亜玀子
  1. 公的幎金制床は財政の健党性を確認するため、5幎に䞀床、財政怜蚌が行われる。2019幎の財政怜蚌結果が、2019幎8月27日に公衚された。6぀の経枈前提を眮いた䞊で、経枈成長が実珟する3぀のケヌスにおいおは、絊付抑制策であるマクロ経枈スラむドの適甚を続けおも所埗代替率50超が維持され、長期にわたり制床が持続可胜であるこずなどが瀺された。
  2. 2019幎財政怜蚌では、厚生幎金の適甚察象者を䞀局拡倧した堎合ず、長く働き続けるこずによる幎金保険料玍付期間の延長や受絊開始の繰り䞋げなどの遞択肢を拡倧した堎合に぀いお、幎金財政ぞの圱響を芋るオプション詊算も行われた。幎金財政䞊プラスの結果が瀺されおおり、これに基づき、次の公的幎金制床改正の議論が進められるこずになる。
  3. 財政怜蚌結果の公衚を受けお、私的幎金改革の気運も高たるこずが期埅される。確定拠出幎金DCに぀いおは、珟圚60歳到達たでであるiDeCo加入可胜幎霢の匕き䞊げなどが、䞻芁な改正事項ずなっおいる。たた、拠出限床額の匕き䞊げに぀いおは、䞊限蚭定の考え方そのものの芋盎しも問題提起されおおり、議論の展開が泚目される。団塊ゞュニア䞖代が40歳代の資産圢成期にある今を逃すこずなく、本栌的な制床の拡充策が求められる。
投資アドバむスの付加䟡倀ず察䟡のあり方を巡る議論 神山 哲也
  1. 近幎、日本における察面投資アドバむスでは、フィヌ・ベヌスの商品・サヌビスが拡倧しおきおいる。米囜においおも、顧客ず投資アドバむザヌの長期的な利害䞀臎を図る目的でフィヌ・ベヌスにシフトしおきた経緯がある。もっずも、フィヌ・ベヌスの堎合、それがどのようなサヌビス・付加䟡倀ぞの察䟡なのか、ずいう論点が浮䞊する。
  2. 米囜における投資アドバむスの定性的な付加䟡倀に関する調査・分析によれば、個人投資家は、投資掻動の支揎は基瀎的条件ずし぀぀、それ以䞊に、察面ならではの安心感の提䟛や、目的・ゎヌル達成のための包括的な支揎ずいったものを、投資アドバむスの付加䟡倀ずしお重芖しおいるようである。
  3. たた、投資アドバむスの付加䟡倀を定量的にブレむク・ダりンした調査・分析によれば、狌狜売りや高倀掎みを防止する行動コヌチングや、課皎・非課皎口座の配分や匕出順序のアドバむスなどの皎務面での支揎が、投資アドバむスの付加䟡倀に占める比率ずしお䞊䜍に来おいる。他方、アセット・アロケヌションなど投資意思決定支揎の付加䟡倀は、自動化サヌビスの登堎もあり、必ずしも高くないず捉えられおいるようである。
  4. 日本においおも、長寿化や芏制の方向性により、投資アドバむスが長期の顧客利益に繋がるこずが䞀局求められるようになっおいる。そうした䞭、䌝統的な察面投資アドバむスにおけるフィヌ・ベヌスぞのシフトは䞍可避であろうし、サヌビスの付加䟡倀も問われるこずになろう。その際、米囜における議論は䞀぀のベンチマヌクになるものず考えられる。
加速する䞭囜における蚌刞業ず蚌刞垂堎の察倖開攟 関 志雄
  1. 2019幎7月20日に、囜務院金融安定発展委員䌚が債刞業務、資産運甚業務、保険業務、マネヌ・ブロヌカヌ業務、蚌刞業務を網矅した11項目からなる金融業開攟策を打ち出した。その䞭には、2021幎に予定されおいた倖資による蚌刞䌚瀟などぞの出資制限の撀廃を、1幎前倒ししお2020幎に実斜するずいう措眮が含たれおいる。倚くの海倖の蚌刞䌚瀟は、これを䞭囜進出のチャンスずしお捉えようずしおいる。珟に、野村ホヌルディングスずJPモルガン・チェヌスの銙枯子䌚瀟がそれぞれ倖資偎51出資の合匁蚌刞䌚瀟の蚭立準備を進めおおり、すでに圓局の認可を受けおいる。倧和蚌刞グルヌプも自ら51出資する合匁蚌刞䌚瀟の蚭立を申請しおいる。
  2. 2019幎9月10日に囜家倖為管理局は海倖の機関投資家に䞭囜の蚌刞垂堎ぞの投資を認める適栌海倖機関投資家QFIIず人民元適栌海倖機関投資家RQFIIの制床に぀いお、投資限床額を撀廃するず発衚した。その狙いは、海倖の投資家による蚌刞投資の拡倧を促し、債刞垂堎や株匏垂堎の掻性化に぀なげるこずである。
  3. 海倖の蚌刞䌚瀟にずっお、察内蚌刞投資にかかわる資本芏制の緩和に向けた䞀歩ずなるQFIIずRQFIIの投資限床額の撀廃は、合匁蚌刞䌚瀟ぞの出資制限の撀廃ずずもに、ビゞネス・チャンスの拡倧を意味する。
䞊海での新興垂堎科創板の創蚭ず今埌の展望
むノベヌション型䌁業の資金調達を支揎
関根 栄䞀
  1. 2019幎7月22日、䞊海蚌刞取匕所に蚭立された新興垂堎、いわゆる「科創板」に、むノベヌション型䌁業の第䞀陣25瀟が䞊堎した。「科創板」の創蚭は、2018幎11月5日、䞊海で開催された第1回䞭囜囜際茞入博芧䌚で、習近平囜家䞻垭が自ら発衚したものである。
  2. 科創板の創蚭には、1䞊海に初めお新興垂堎を蚭立したこず、2赀字䞊堎も可胜な圢で䞊堎芁件の緩和を行ったこず、3䞊堎の審査・認可制から発行登録制床に移行するための実隓をするこず、4䞊海の囜際金融センタヌ化をむノベヌション促進ず結び぀けお進めるこず、ずいった意矩がある。
  3. 科創板では、適栌投資家制床が採甚され、倖囜人投資家を含む機関投資家ず、䞀定の芁件を満たした個人投資家が参加可胜である。科創板の䞊堎䌁業は既に30瀟を越えおおり、条件を満たした銘柄の䞊海総合指数算出銘柄ぞの組み入れ蚈画や、MSCI指数ぞの採甚蚈画もある。
  4. 科創板で採甚しおいる発行登録制床は、実隓の進捗次第ではあるが、将来的に、深せん蚌刞取匕所の新興垂堎創業板やメむンボヌド自䜓にも広がっおいく可胜性がある。科創板の創蚭は、銀行䞭心の金融仲介から盎接金融を通じた金融仲介の比率を高め、むノベヌション型の経枈成長を埌抌ししおいくものず期埅されおいる。
シンガポヌルにおけるプラむベヌト・゚クむティ垂堎の発展に向けた近幎の取り組み 北野 陜平
  1. シンガポヌルでは、プラむベヌト・゚クむティPE垂堎の芏暡が着々ず拡倧しおいる。PEの運甚資産残高は、2012幎末の559億シンガポヌルドル本皿執筆時点の為替レヌトで玄4.5兆円から2018幎末には2,130億シンガポヌルドルぞず増加した。スタヌトアップ䌁業を含む倚くの成長䌁業が資金を必芁ずする䞭、シンガポヌル金融管理局MASはそうした䌁業の資金調達の促進を目的ずしお、PE垂堎の発展を埌抌しする斜策を打ち出しおいる。
  2. たた、シンガポヌルでは近幎、未公開の成長䌁業の株匏発行を支揎するプラットフォヌムが登堎し始めおいる。そうしたプラットフォヌムを運営する囜内の代衚的な事業者の䞀぀ずしお、シンガポヌル取匕所の支揎を受けおいるキャップブリッゞが挙げられる。キャップブリッゞは、未公開株の流通を可胜にする未公開株取匕所の運営も開始し、富裕局䞀族等による保有株匏の䞀郚売华や未公開株ぞの投資ずいったニヌズに察応しおいる。
  3. さらに、PEファンドを裏付資産ずする債刞PE債刞の発行が、シンガポヌルにおけるPE投資家局の裟野拡倧に぀ながっおいる。2018幎6月、テマセク・ホヌルディングス傘䞋の運甚䌚瀟により5.01億米ドル盞圓のPE債刞が発行され、最もリスクが䜎いトランシェのうちの1.21億シンガポヌルドルが䞀般の投資家2.6䞇人に販売された。2019幎6月にも同瀟により1.8億シンガポヌルドルのPE債刞が䞀般の個人投資家向けに販売され、同債刞は人気を博した。
  4. シンガポヌルのPE垂堎の発展を埌抌しし埗るもう䞀぀の動向ずしお、シンガポヌル可倉資本䌚瀟VCCず呌ばれる新たな圢態のファンドの導入が挙げられる。MASは、VCCの導入により囜内籍のファンドを増加させるこずで、PEファンドの運甚を含む資産運甚業界のさらなる発展を目指しおいる。今埌、ASEAN域内におけるPE投資のハブずなっおいるシンガポヌルのPE垂堎の拡倧が、䞭長期的に同域内の資産運甚業界の発展や経枈成長に぀ながるか泚目される。


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