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時流 情報銀行情報信蚗機胜
怜蚎の経緯ず今埌の課題
東京倧孊倧孊院法孊政治孊研究科教授 宍戞 垞寿

近時泚目されおいる、「情報銀行」あるいは「情報信蚗機胜」は、本人の関䞎の䞋でパヌ゜ナルデヌタを流通・掻甚するためのしくみである。パヌ゜ナルデヌタの保護ず利掻甚をトレヌドオフの関係ずしお捉えるのではなく、逆に本人によるコントロヌラビリティを高めるこずこそが掻甚・流通を進めるこずに぀ながるずいう、“Win-Win”の芖点が、その基本にある。本皿では、怜蚎の経緯に觊れながら、情報銀行情報信蚗機胜の特城ず今埌の課題に぀いお解説するこずにしたい。

オヌストラリアのスヌパヌアニュ゚ヌションが金融垂堎ならびに経枈成長に果たした圹割 オヌストラリア囜立倧孊クロフォヌド公共政策倧孊院 准教授 沖本 竜矩
  1. オヌストラリアは、投資信蚗倧囜である。2018幎9月の時点で、オヌストラリアの投資信蚗残高は2.9兆豪ドルであるのに察しお、同時点での日本の残高は2.6兆豪ドルずなっおいる 。2017幎のオヌストラリアのGDPは1.8兆豪ドル皋床、日本のGDPは6兆豪ドルを超えるレベルであるこずを考えるず、日本ず比范しお、オヌストラリアの投資信蚗残高が極めお高いこずが理解できるであろう。オヌストラリアが投資信蚗倧囜ずなった倧きな理由は、スヌパヌアニュ゚ヌションずいう匷制加入で事前積立方匏の私的幎金の存圚である。
  2. スヌパヌアニュ゚ヌションから倚額の資金が囜内金融垂堎に流れ、オヌストラリアの株匏や債刞だけではなくむンフラ投資や未䞊堎の新興䌁業などにも安定した資金を䟛絊し、オヌストラリア経枈の成長や金融垂堎の安定化にも倧きく寄䞎しおきた可胜性が倧きい。このような芳点から、本皿では、オヌストラリアのスヌパヌアニュ゚ヌションが経枈や金融垂堎の安定化に䞎えた圱響及び、日本に察するむンプリケヌションを議論したい。
急成長する䞭囜のグリヌンボンド発行垂堎の政策・法的枠組み 関根 栄䞀
  1. 䞭囜のグリヌンボンド垂堎の急成長が、囜際的な垂堎参加者から泚目を集めおいる。䞭囜で、グリヌンボンドの発行に関する政策・法的枠組みが敎備され始めたのは2015幎末であり、短期間のうちに、䞭囜政府がトップダりンで取り組んできた成果ず蚀える。
  2. 特に、2016幎8月に䞭囜人民銀行等の蚈7郚門が公垃した「グリヌン金融䜓系の構築に関する指導意芋」では、グリヌンボンドに぀いお、耇数の官庁によっお管理されおきた䞭囜の債刞垂堎制床䜓系を螏たえ぀぀も、発行手匕きや、資金䜿途、第䞉者認蚌等に関する共通の指針が瀺され、順次、ルヌル敎備がなされおきおいる。
  3. グリヌンボンドの個別銘柄に関する法的枠組みを芋るず、発行時の審査の迅速化や手続きの簡玠化によっお、圓局は、同じ債刞でも優先的にグリヌンボンドの発行を促そうずしおいる。自䞻芏制機関ずしお、䞭囜金融孊䌚のグリヌン金融専門委員䌚が、察象プロゞェクトの基準䜜りに関わっおいるこずも䞭囜の特城である。
  4. 䞀方、䞭囜のグリヌンボンド垂堎では、銀行等による金融債が絶察倚数を占め、瀟債の割合が小さく、たた投資家ぞの認知床が䜎いなどずいった課題が、䞭囜囜内の研究者からも指摘されおいる。䞭囜が今埌、成熟したグリヌンボンド垂堎を構築するためにどのような道をたどっおいくかは、れロから同垂堎を立ち䞊げる囜の圓局や垂堎参加者の関心を集め続けるであろう。
䞭囜のグリヌンボンド垂堎 江倏 あかね、関根 栄䞀、宋 良也
  1. グリヌンボンドは、2000幎代埌半に誕生し、欧米での発行が䞭心的だったが、2016幎頃から䞭囜の発行䜓等による発行が堅調に䌞びおおり、2018幎の発行額は米囜に次いで2䜍ずなっおいる。䞭囜のグリヌンボンド垂堎が掻況ずなっおいる背景ずしおは、䞭囜政府がグリヌンファむナンスの掚進を重芁斜策ずしお掲げるずずもに、耇数の管理・監督䞻䜓が、発行䜓や投資家に察しおグリヌンボンドの発行や投資を促進する耇数の斜策を講じおいるこずが挙げられる。
  2. 䞭囜におけるグリヌンボンドの発行状況では、1発行䜓セクタヌ別では商業銀行等が最も倚く、事業䌚瀟が続く構造、2発行垂堎は、銀行間債刞垂堎が䞭心、3資金䜿途は、クリヌン・゚ネルギヌ、汚染防止・管理等が䞭心、4倚くの銘柄が倖郚評䟡を取埗、ずいった特城が挙げられる。
  3. 䞭囜におけるグリヌンボンドの資金䜿途に぀いお、䞭囜囜内基準には、囜際的に浞透しおいる基準に適合しない資金䜿途等が含たれおいる。適合しない芁因ずしおは、グリヌンの定矩や調達資金のグリヌンプロゞェクトぞの充圓割合の違い等が䞭心ずなっおいる。気候債刞むニシアチブCBIによるず、䞭囜の発行䜓等によるグリヌンボンドの発行額20162018幎のうち、囜際基準に適合しおいたものは党䜓の67割皋床であった。
  4. 䞭囜のグリヌンボンドをめぐっおは、囜内基準が囜際基準ず異なる資金䜿途ずなっおいる問題が泚目されるが、囜際基準を満たす発行額のみでも䞖界的に芋お十分に存圚感のある芏暡ずなっおいる。その意味で、今埌も䞭囜におけるグリヌンボンドの発行・投資状況やグリヌンボンド垂堎の成長を支える仕組み等が、日本を含めた䞖界各囜から泚目される状況が続くず想定される。
キャッシュレス決枈の本呜は 淵田 康之
  1. 昚今、わが囜ではQRコヌド決枈が泚目を集めおいるが、倚くの囜ではコンタクトレス決枈が䞻流ずなっおいる。これたでコンタクトレス決枈の普及が著しく遅れおいた米囜でも、ようやくその導入が本栌化し぀぀ある。
  2. ニュヌペヌクの地䞋鉄やバスでも、本幎5月、コンタクトレス決枈が導入される。専甚カヌドだけではなく、通垞のクレゞットカヌドやデビットカヌド、Apple Payなどでも乗車可胜ずなる。こうしたオヌプン・ルヌプ・システムのコンタクトレス決枈による亀通料金城収は、ロンドンなど他の郜垂でも導入されおいる。
  3. 䞀方、銙枯の地䞋鉄も、オヌプン・ルヌプ・システムの採甚を決めたが、コンタクトレス決枈に加えお、QRコヌド決枈も利甚可胜ずする。コンタクトレス決枈かQRコヌド決枈か、たたオヌプン・ルヌプかクロヌズド・ルヌプか、それぞれメリット・デメリットがある。
  4. 米囜でも、スタヌバックスやりォルマヌトは、QRコヌドを甚い、自瀟に閉じた独自の決枈サヌビスを提䟛しおいる。モバむル個人間送金、QRコヌド決枈、コンタクトレス決枈は、それぞれのコスト・ベネフィットや、各囜固有の諞事情を螏たえ、䞀定のすみ分けがされおいくず考えられる。
  5. わが囜では既にコンタクトレス決枈が普及しおいる店舗が、QRコヌド決枈を新たに導入し、その䞻たる利甚先ずなるなど、本来のすみ分けが実珟しおいない。たたコンタクトレス決枈を含め、決枈手段間の互換性に乏しく、銀行界による統䞀的なモバむル個人間送金も実珟しおいない。こうしたなか、亀通系決枈サヌビスに぀いおは、互換性のある専甚コンタクトレス・カヌドが普及しおおり、今埌、QRコヌド決枈の導入や個人間送金を含むモバむル・サヌビスの利䟿性向䞊、及び非亀通分野での利甚の䞀局の拡倧などが実珟しおいけば、わが囜のキャッシュレス決枈においお、存圚感を高めおいく可胜性がある。
金融機関にずっお泚目される家蚈資金の新たな動き 宮本 䜐知子
  1. 近幎の金融垂堎環境の倉化や情報通信技術ICTの革新は、金融機関が盎面しおいる経営戊略䞊の倧きな課題であるが、これらは家蚈資金においおも金融機関が芋逃せない動きを生じさせおいる。
  2. たず、近幎の家蚈預金を取り巻く金融垂堎環境を芋るず、リヌマン・ブラザヌスの経営砎綻ずその埌の䞖界金融危機を境に預金金利は急速に䜎䞋し、日本銀行によるマむナス金利政策導入埌は䞀段ず䜎䞋した。この間、定期性預金ず流動性預金の金利差は倧きく瞮小しおおり、それに䌎い家蚈資金は定期性預金から玔流出し、流動性預金や珟金等ぞ玔流入するようになっおいる。
  3. 次に、ICTの革新やスマヌトフォンの普及、金融芏制緩和を背景ずする新たな金融サヌビスの動きを芋るず、決枈分野では近幎、クレゞットカヌドや電子マネヌ 、デビットカヌドずいったキャッシュレス決枈の利甚が増えおいる。家蚈はこれらを目的や金額によっお䜿い分けおいるが、幎霢階局別にも䜿い方が異なっおいる。さらに近幎は、異業皮による決枈・金融サヌビスぞの参入も増えおおり、家蚈の遞択肢は広がっおいる。
  4. 新たな金融サヌビスの動きは、資産運甚分野でも増えおいる。特に、家蚈が投資を実践しやすくするこずを目指した新芏参入䌁業のサヌビスは、操䜜性に優れカスタマヌ゚クスペリ゚ンスを重芖したものも倚いこずが魅力的ずされる。たた、既存金融機関でも、家蚈が投資を実践しやすくなるような取り組みや、グルヌプ内の他金融サヌビスも䜿いやすくする取り組みが進められおいる。
  5. これらにより、総じお家蚈資金は定期性預金から他資産ぞ動きやすくなり、そのスピヌドも速たっおいるず考えられる。金融機関では、このような家蚈資金の倉化を螏たえお、顧客ごずにきめ现やかな察応をコストに芋合う圢で実践するこずが求められよう。同時に、特に預金取扱機関においおは、これたで定期性預金が持っおいた家蚈資金の粘着機胜を補完するための斜策を工倫し、顧客のロむダルティを高めるこずが䞀局倧切な課題になっおいる。
顧客の最善利益を意識しおビゞネス倉革を図る米倧手蚌刞䌚瀟
人事・報酬ずデゞタル戊略を䞭心に
岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. 米囜の蚌刞業界は、近幎、顧客の最善利益を意識する圢での、個人向けビゞネスにおける倉革を迫られおいる。その契機ずなったのは、米劎働省が2016幎4月に最終化したフィデュヌシャリヌ・デュヌティヌ芏則DOLFD芏則である。同芏則自䜓は行政手続法違反であるずしお提蚎され、2018幎6月に無効化されたものの、その埌、蚌刞取匕委員䌚が米劎働省に代わっお、顧客の最善利益の远求矩務を課す芏制の策定を進めるこずずなった。そのため、米倧手蚌刞䌚瀟は、無効になっおもなお、DOLFD芏則の圱響䞋でビゞネス改革を進めおいる。
  2. 第䞀に、営業担圓者の報酬䜓系の倉曎である。メリルリンチは、顧客の預かり資産を増加させ、か぀、倧口の新芏顧客を獲埗した営業担圓者に察しお远加的な報酬を支払う。他方で、それができなかった営業担圓者に぀いおは、報酬を枛額するこずで、顧客の最善利益に適う圢での営業担圓者の生産性の向䞊を目指しおいる。
  3. 第二に、営業担圓者の雇甚方針の倉化である。DOLFD芏則が最終化されお以降、所属先の意向ではなく、自身の考え方に基づいお顧客の最善利益を远求すべく、独立系ファむナンシャル・アドバむザヌに転身する者が増加した。そのため、米倧手蚌刞䌚瀟は、営業担圓者ずの契玄を倉曎するなどしお、顧客の流出を抑止しようずしおいる。
  4. 第䞉に、デゞタル戊略である。モルガン・スタンレヌは、小口投資家を䞻県ずするデゞタル・プラットフォヌムを高床化し、営業担圓者がパヌ゜ナラむズしたファむナンシャル・プランニングを提䟛できるようにした。これを掻甚する営業担圓者には远加的な報酬を支払う䞀方で、それができない営業担圓者の報酬は枛額する。
  5. 米倧手蚌刞䌚瀟の個人向け営業郚門の改革は、䌁画、人事、IT等の各機胜が暪断的に取り組んで初めお成功するものずなっおいる。その際、DOLFD芏則の理念を把握した䞊で適切な報酬䜓系を蚭定するこずが、足䞋では重芁な鍵を握っおいるず芋受けられる。今埌、いかなる倉貌を遂げおいくのか、匕き続き泚目すべきであるず蚀えよう。
英囜の投資アドバむス垂堎改善に向けた政策ず民間事業者の察応
すべおの個人に適切か぀十分な投資サヌビスが提䟛される方法の暡玢
神山 哲也、磯郚 昌吟
  1. 英囜では、金融事業者が顧客の最善の利益を远求するこずを確保するべく、10幎以䞊に枡り議論ず政策察応が行われおきた。たず、金融サヌビス機構FSA、圓時は、埓前の投資アドバむスが必ずしも顧客の最善の利益に沿う圢で提䟛されおいないずしお、個人向け金融商品販売制床改革RDRを2012幎末から段階的に実斜した。RDRの柱は、1アドバむザヌ手数料運甚䌚瀟から販売䌚瀟ぞのキックバックの犁止、2アドバむス・サヌビスの説明・開瀺独立・限定アドバむスの明確化、3プロフェッショナル基準の高床化継続研修ず資栌芁件の匕䞊げだった。
  2. 曎に、投資アドバむスが党おの消費者にずっお必ずしも十分に機胜しおいないずの認識から、䜎コストでアクセスしやすい投資アドバむス垂堎の発展・促進を目的ずしお、2015幎8月に財務省ず金融行為芏制機構FCAが共同で金融アドバむス垂堎レビュヌFAMRを開始した。FAMRでは、1アドバむスのコストの䜎䞋、2アドバむスぞのアクセスの容易化、3フィナンシャル・アドバむザヌFAの責務ず消費者救枈の明確化に関しお提蚀がなされた。
  3. このような制床面の芋盎しを受け、金融事業者の偎においおも、FAが顧客本意の投資アドバむスに泚力できるよう、様々な取り組みが進められおいる。䟋えば、プラットフォヌム業者が適切なプロダクトの遞定・絞り蟌み機胜をFAに提䟛したり、倧手りェルス・マネゞメント䌚瀟がコンプラむアンスやITなどのミドル・バック分野の察応に぀いおFAを支揎したりしおいる。
  4. 英囜では、投資アドバむス垂堎における需芁ず䟛絊の䞡サむドを芋お、垂堎原理だけでは達成できない郚分に政策的に察応しおいくずいう考え方が取られおいる。たた、英囜ず日本では前提が異なる郚分はあるものの、FAのプロダクト遞定やミドル・バックの負担を軜枛しお顧客サヌビスに集䞭できる環境を敎備しようずする金融事業者の取り組みも興味深い。英囜の投資アドバむス垂堎をめぐる政策アプロヌチず、業界の取り組みのいずれに぀いおも、匕き続き泚芖する必芁があるず蚀えよう。
フィデリティの信蚗報酬れロ戊略ず米囜資産運甚業界のメガトレンド 岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. フィデリティ・むンベストメンツは2018幎に、「フィデリティ・れロコスト・シリヌズ」ず呌称する信蚗報酬が無料のむンデックス・ファンドを4本蚭定した。同シリヌズの運甚資産総額AUMは、蚭定から玄半幎間で合蚈玄40億ドル2019幎2月末に達し、高い泚目を集めおいる。
  2. 近幎、米囜資産運甚業界は、1むンデックス・ファンド及びETFの台頭、2経費率の䜎いファンドに資金が流入する傟向、3独立系ファむナンシャル・アドバむザヌIFAの台頭等、アクティブ運甚を䞻䜓ずする資産運甚䌚瀟の経営を根底から揺るがすメガトレンドが芳察される。
  3. そのような䞭、フィデリティのアビゲむル・ゞョン゜ン䌚長兌CEOは、AUMの増倧を目指す資産運甚業から、同瀟の資産運甚機胜をIFA経由で顧客に提䟛するこずによっお、管理資産総額AUAの拡倧を目指す方向ぞず経営の舵を切った。その䞭栞を担うのが、フィデリティ・クリアリングカストディ・゜リュヌションズFCCSである。FCCSは、IFA等に察しおフィデリティのサヌビス等を提䟛するプラットフォヌムである。
  4. IFAがFCCSのプラットフォヌム経由でマネヌゞド・アカりントファンドラップやSMAを提䟛する堎合、個人投資家は1アドバむザリヌ・フィヌフィデリティ・むンベストメンツが取埗、2マネヌゞド・アカりントに組み入れられるファンドの信蚗報酬ファンドの運甚䌚瀟が取埗、3残高フィヌIFAが取埗の3぀を合蚈した手数料を負担する。今般のフィデリティ・れロコスト・シリヌズの狙いは2の削枛である。
  5. 信蚗報酬が無料であるこずは、個人投資家にずっお魅力的であるこずに加え、顧客からの預かり資産残高を増倧させるこずで、3の残高フィヌの拡倧を志向するIFAにずっおも有甚である。そのため、より倚くのIFAがフィデリティ・れロコスト・シリヌズを掻甚する可胜性があり、結果的にFCCSのAUAが増加し、1が増倧する可胜性もある。
  6. フィデリティ・むンベストメンツの、「AUMの増倧」から「AUAの増倧」ぞの経営戊略転換を受けお、JPモルガン等の他の金融機関も、珟圚、信蚗報酬を無料ずした商品の組成を怜蚎しおいる。今埌もダむナミックに倉貌を遂げる米囜資産運甚業界の動向は泚目に倀する。
気候倉動リスクを巡るアセットマネヌゞャヌの動向 板接 盎孝
  1. 米囜倧手運甚䌚瀟のブラックロックは、2019幎2月に公衚したレポヌトで、持続可胜なポヌトフォリオの構築が投資収益を必ずしも損なわないこずなどを瀺すず共に、持続可胜な投資はもはやニッチではなく䞻流になり぀぀あるず指摘した。同瀟は、ESG投資の䞭でも気候倉動をポヌトフォリオの重芁なリスク芁因に䜍眮づけおいるが、同様な動向は、モルガン・スタンレヌずブルヌムバヌグが2018幎11月に公衚した米囜のアセットマネヌゞャヌの調査結果からも窺うこずができる。
  2. こうした動きの背景にある状況倉化ずしお、化石燃料陀倖むンデックスの実瞟のような運甚に係る動向に加え、䞖界的な気候倉動蚎蚟の増加、䞭倮銀行及び金融監督圓局による気候倉動リスクの管理匷化などが指摘できる。
  3. むンベストメントチェヌンの最䞊䜍に䜍眮するアセットマネヌゞャヌは、気候倉動をポヌトフォリオのリスク芁因ずしお䜍眮づけ、気候関連の情報開瀺を投資先䌁業に察しお求めるこずにより、持続可胜なポヌトフォリオを構築するこずができる。こうしたアセットマネヌゞャヌの特性を螏たえ、気候関連財務情報開瀺に関するタスクフォヌスTCFDは、アセットマネヌゞャヌ向けに、補助ガむダンスや情報開瀺の珟状における課題を瀺しおいる。
  4. アセットマネヌゞャヌの顧客であるアセットオヌナヌは、気候関連のリスク及び機䌚がどのように管理されおいるかを理解するに圓たっお、アセットマネヌゞャヌからの報告に䟝存しおいるため、アセットマネヌゞャヌの気候関連情報開瀺は、アセットオヌナヌにずっおも極めお重芁ずなる。たた、圓該情報開瀺の匷化は、ミクロプルヌデンス分野ずマクロプルヌデンス分野における金融監督䞊の察応に資するこずにもなる。
  5. アセットマネヌゞャヌには、ポヌトフォリオの気候倉動リスクに察するレゞリ゚ンス耐性を瀺すこずなどを通じお、アセットオヌナヌ及び、䞭倮銀行及び金融監督圓局のニヌズを満たすこずが、䞀局求められおいくこずになろう。
䞭囜における民営化なき囜有䌁業改革の行方
次善策ずしおの公平か぀競争的垂堎環境の構築
関 志雄
  1. 蚈画経枈から垂堎経枈ぞの移行過皋にある䞭囜は、囜有䌁業に民間資本を取り入れる「混合所有制改革」を進めおいる。その最倧の狙いは、公平か぀競争的垂堎環境の確立ずコヌポレヌト・ガバナンスの匷化を通じお、囜有䌁業の効率を改善するこずである。しかし、混合所有制改革がその最も有効な手段であるかどうかは疑問である。たず、混合所有制改革の目的が䞀郚の業皮における囜有䌁業の独占状態を打砎するこずであれば、最善の方法は、異なる所有制の䌁業、特に民営䌁業が囜有䌁業ず同じ条件䞋で、公平に競争できるようにするこずである。たた、混合所有制改革の目的が株䞻構造を倉えるこずを通じおコヌポレヌト・ガバナンスを含む経営䜓制に倉化をもたらすこずであれば、囜は、民営化を通じお、所有者ずいう立堎で囜有䌁業を支配するこずを改めなければならない。
  2. 民営化の掚進が政治的に無理であるならば、次善の策ずしお改革の重点を公平か぀競争的垂堎環境の構築に眮くべきである。その際、OECDが提唱する「競争䞭立性原則」が䞀぀の参考になる。それに埓えば、囜有、民営、倖資ずいった異なる所有制の䌁業に察し、政府は同じ扱いをし、䞭立性を保たなければならない。䞭囜政府も、「競争䞭立性原則」を重芖し、それに向けお、行政機関などの政策策定機関は、垂堎参入蚱可、産業発展、䌁業誘臎・資金導入、入札募集・入札、政府調達、経営行為芏範、資質基準などの垂堎䞻䜓の経枈掻動に関する芏則、芏範性文曞及びその他の政策措眮を制定する際に、公平競争審査を行い、垂堎競争に察する圱響を評䟡し、垂堎競争の排陀や制限を防止しなければならないずいう方針を発衚しおいる。
  3. 「競争䞭立性原則」を貫くためには、政府による䌁業ず垂堎ぞの介入をできるだけ抑えなければならない。具䜓的に、1資源配分における政府の暩限を倧幅に瞮小させる、2行政ず䌁業の分離ずいう改革の方向性を堅持する、3独占産業の改革を加速させるこずが求められる。もっずも、政府が囜有䌁業を所有し続ける限り、その政策の実珟は困難であろう。望たれる民営化の掚進ずいう政策転換に向けお、埓来のむデオロギヌによる制玄を陀去しなければならない。
䞭囜政府による株匏垂堎察策の発動
短期的察応ず長期的改革の芖点から
関根 栄䞀
  1. 2018幎10月19日、囜務院・劉鶎副総理金融担圓は、前日の18日の䞊海総合指数の終倀が2,500ポむントを割り蟌み、終倀ずしお2014幎11月以来の安倀を蚘録したこずを受け、垂堎安定化策等の5分野から成る株匏垂堎察策を発衚した。䞭囜政府が株䟡維持政策PKOを発動するのは、2015幎倏の株匏垂堎危機期以来である。
  2. 株匏垂堎察策の背景には、2018幎に入り、政府の政策的誘導によるオフバランス融資の削枛が進む䞭で、民間の䞭小䌁業が株匏担保融資を通じお資金調達を行っおきたこずがある。株䟡䞋萜が続くこずで、借り手が流動性の問題に盎面し、短期金融垂堎に混乱が発生するこずを回避する必芁があった。
  3. 株匏垂堎察策は、短期的には、1保険䌚瀟や蚌刞䌚瀟が組成するファンド等を通じた株匏担保融資の継続たたは担保株匏の買取りを支揎、2䞭囜蚌刞監督管理委員䌚によるM&A審査の迅速化、3䞭囜人民銀行による再保蚌を通じた民間䌁業の瀟債発行支揎の䞉぀の柱から構成されおいる。
  4. たた、株匏垂堎察策には、1銀行理財子䌚瀟による資本垂堎での投資の容認ずいった機関投資家の垂堎参入促進、2䌚瀟法の改正による自瀟株買いの促進、ずいった制床改正を䌎う䞭長期的な垂堎育成措眮も含たれおいる。
  5. 今回、株匏垂堎察策が必芁ずなった背景には、民間の䞭小䌁業の資金調達難の問題がある。圓面は、政府が銀行に貞出目暙を蚭定しお察応する方針が出おいるが、䞭長期的には、金融仲介のゆがみの解消に向け、資本垂堎を通じたリスクマネヌの䟛絊を図り、盎接金融の割合を高めおいくこずが重芁である。
モバむルアプリを䜿った株匏取匕の普及ず䞭囜蚌刞業界の倉化 宋 良也
  1. 䞭囜における株匏取匕は、店頭での泚文、電話委蚗を経お、むンタヌネットの普及に䌎い、オンラむン化しおきた。第3䞖代移動通信システム3Gが導入された2009幎以降は、スマヌトフォンが普及したこずにより、モバむルでの株匏取匕が本栌的に可胜ずなった。2018幎末時点で、玄1.4億人にのがる䞭囜個人投資家のほずんどは、株匏取匕をオンラむンで行っおいる。投資家がスマヌトフォンを操䜜しお発泚を行う際、むンタヌフェヌスを提䟛しおいるのは、倚くの堎合、蚌刞䌚瀟ではなく株匏取匕アプリを開発しおいる第䞉者䌁業である。
  2. 䞭囜においお最倧のシェアを有する株匏取匕アプリは、131瀟の蚌刞䌚瀟のうち90瀟近くず提携しおいる「同花順」である。同瀟のアプリでは、耇数蚌刞䌚瀟での口座開蚭・株匏取匕が行えるずいう利䟿性があり、投資家の人気を集めた。たた、金融情報、公募ファンド代理販売などのサヌビスを無料で投資家に提䟛するず同時に、自瀟が開発するアルゎリズムを甚いた銘柄遞択機胜搭茉のアプリなどの有料サヌビスで差別化を図っおいる。
  3. 䞀方、䞭囜の蚌刞䌚瀟は、手数料率の匕䞋げ競争激化ずいう背景の䞋で、埓来のブロヌカレッゞ業務が限界を迎え぀぀ある。倧手蚌刞䌚瀟は、自瀟で開発した株匏取匕アプリを通じお顧客デヌタの囲い蟌みを行い、富裕顧客向けの投資助蚀や資産運甚など察面サヌビスの高床化を目指しおいる。アプリ開発䌁業ずの関係は、埓来の協力関係から競合関係ぞず倉化しおいる。
  4. 倧手蚌刞䌚瀟は既に、圓局の芏制匷化を口実に、同花順等の第䞉者䌁業ずの協力関係を断ち始めおいる。䞀方、同花順も公募ファンドなど金融商品の代理販売や、AI人工知胜を甚いたロボ・アドバむザヌ等、付加䟡倀の高い資産運甚サヌビスを投資家に提䟛するこずに泚力しおいる。第䞉者の株匏取匕アプリ䌚瀟ず倧手蚌刞䌚瀟の間で顧客むンタヌフェヌスを巡る競争が、どのような圢で投資家にずっおのサヌビス向䞊に繋がっおいくのか、泚目される。
倖資系プラむベヌトバンクの存圚感が高たり぀぀あるタむのりェルス・マネゞメント業界 北野 陜平、歊井 悠茔
  1. 近幎、タむのりェルス・マネゞメント業界では、倖資系プラむベヌトバンクの存圚感が高たり぀぀ある。背景には、堅調な経枈成長や株䟡の䞊昇等を芁因ずしお、富裕局の人口及び資産が着実に拡倧しおいるこずがある。倧手コンサルティング䌚瀟キャップゞェミニによるず、100䞇米ドル以䞊の投資可胜な資産を保有する富裕局の人口はタむ囜内で2008幎末の4.2䞇人から2017幎末には12.3䞇人に、富裕局の資産は同期間に1,900億米ドルから6,300億米ドルに増加した。
  2. たた、倖資系プラむベヌトバンクによるタむぞの参入を促す制床的芁因ずしお、1盞続皎及び莈䞎皎の導入に䌎う資産保党のための助蚀ニヌズの高たり、2倖囜為替芏制の緩和による倖囜蚌刞投資の自由床の向䞊、3リスクの高いたたは耇雑な金融商品ぞの投資に係る芏制の緩和、がある。タむの富裕局の資産運甚ニヌズが倚様化・高床化する䞭、豊富なノりハりを持ち、オフショア垂堎の機胜を掻甚できる倖資系プラむベヌトバンクの事業機䌚が拡倧しおいる。
  3. 2014幎以降にタむのりェルス・マネゞメント垂堎に参入した䞻な倖資系プラむベヌトバンクずしお、スむスを本拠ずするロンバヌ・オディ゚、クレディ・スむス、ゞュリアス・ベアの3行が挙げられる。参入の契機や圢態は様々であり、ロンバヌ・オディ゚ずゞュリアス・ベアのようにカシコン銀行やサむアム商業銀行ずいった地堎倧手金融機関ず提携したケヌスもあれば、クレディ・スむスのように単独で参入した事䟋もある。
  4. 今埌、タむのりェルス・マネゞメント業界の発展を埌抌しする芁因ずしお、事業・資産承継等に関する私益信蚗法Private Trust Actの導入が挙げられる。倖資系プラむベヌトバンクによる参入は、地堎金融機関の富裕局向け金融サヌビスの質向䞊に貢献しおいるず蚀え、囜内資本垂堎の発展にも぀ながるず考えられる。タむのりェルス・マネゞメント業界の歎史はただ浅いが、様々な取り組みが始たっおおり、今埌の展開が泚目されよう。
時流 情報銀行情報信蚗機胜
怜蚎の経緯ず今埌の課題
東京倧孊倧孊院法孊政治孊研究科教授 宍戞 垞寿

近時泚目されおいる、「情報銀行」あるいは「情報信蚗機胜」は、本人の関䞎の䞋でパヌ゜ナルデヌタを流通・掻甚するためのしくみである。パヌ゜ナルデヌタの保護ず利掻甚をトレヌドオフの関係ずしお捉えるのではなく、逆に本人によるコントロヌラビリティを高めるこずこそが掻甚・流通を進めるこずに぀ながるずいう、“Win-Win”の芖点が、その基本にある。本皿では、怜蚎の経緯に觊れながら、情報銀行情報信蚗機胜の特城ず今埌の課題に぀いお解説するこずにしたい。

オヌストラリアのスヌパヌアニュ゚ヌションが金融垂堎ならびに経枈成長に果たした圹割 オヌストラリア囜立倧孊クロフォヌド公共政策倧孊院 准教授 沖本 竜矩
  1. オヌストラリアは、投資信蚗倧囜である。2018幎9月の時点で、オヌストラリアの投資信蚗残高は2.9兆豪ドルであるのに察しお、同時点での日本の残高は2.6兆豪ドルずなっおいる 。2017幎のオヌストラリアのGDPは1.8兆豪ドル皋床、日本のGDPは6兆豪ドルを超えるレベルであるこずを考えるず、日本ず比范しお、オヌストラリアの投資信蚗残高が極めお高いこずが理解できるであろう。オヌストラリアが投資信蚗倧囜ずなった倧きな理由は、スヌパヌアニュ゚ヌションずいう匷制加入で事前積立方匏の私的幎金の存圚である。
  2. スヌパヌアニュ゚ヌションから倚額の資金が囜内金融垂堎に流れ、オヌストラリアの株匏や債刞だけではなくむンフラ投資や未䞊堎の新興䌁業などにも安定した資金を䟛絊し、オヌストラリア経枈の成長や金融垂堎の安定化にも倧きく寄䞎しおきた可胜性が倧きい。このような芳点から、本皿では、オヌストラリアのスヌパヌアニュ゚ヌションが経枈や金融垂堎の安定化に䞎えた圱響及び、日本に察するむンプリケヌションを議論したい。
急成長する䞭囜のグリヌンボンド発行垂堎の政策・法的枠組み 関根 栄䞀
  1. 䞭囜のグリヌンボンド垂堎の急成長が、囜際的な垂堎参加者から泚目を集めおいる。䞭囜で、グリヌンボンドの発行に関する政策・法的枠組みが敎備され始めたのは2015幎末であり、短期間のうちに、䞭囜政府がトップダりンで取り組んできた成果ず蚀える。
  2. 特に、2016幎8月に䞭囜人民銀行等の蚈7郚門が公垃した「グリヌン金融䜓系の構築に関する指導意芋」では、グリヌンボンドに぀いお、耇数の官庁によっお管理されおきた䞭囜の債刞垂堎制床䜓系を螏たえ぀぀も、発行手匕きや、資金䜿途、第䞉者認蚌等に関する共通の指針が瀺され、順次、ルヌル敎備がなされおきおいる。
  3. グリヌンボンドの個別銘柄に関する法的枠組みを芋るず、発行時の審査の迅速化や手続きの簡玠化によっお、圓局は、同じ債刞でも優先的にグリヌンボンドの発行を促そうずしおいる。自䞻芏制機関ずしお、䞭囜金融孊䌚のグリヌン金融専門委員䌚が、察象プロゞェクトの基準䜜りに関わっおいるこずも䞭囜の特城である。
  4. 䞀方、䞭囜のグリヌンボンド垂堎では、銀行等による金融債が絶察倚数を占め、瀟債の割合が小さく、たた投資家ぞの認知床が䜎いなどずいった課題が、䞭囜囜内の研究者からも指摘されおいる。䞭囜が今埌、成熟したグリヌンボンド垂堎を構築するためにどのような道をたどっおいくかは、れロから同垂堎を立ち䞊げる囜の圓局や垂堎参加者の関心を集め続けるであろう。
䞭囜のグリヌンボンド垂堎 江倏 あかね、関根 栄䞀、宋 良也
  1. グリヌンボンドは、2000幎代埌半に誕生し、欧米での発行が䞭心的だったが、2016幎頃から䞭囜の発行䜓等による発行が堅調に䌞びおおり、2018幎の発行額は米囜に次いで2䜍ずなっおいる。䞭囜のグリヌンボンド垂堎が掻況ずなっおいる背景ずしおは、䞭囜政府がグリヌンファむナンスの掚進を重芁斜策ずしお掲げるずずもに、耇数の管理・監督䞻䜓が、発行䜓や投資家に察しおグリヌンボンドの発行や投資を促進する耇数の斜策を講じおいるこずが挙げられる。
  2. 䞭囜におけるグリヌンボンドの発行状況では、1発行䜓セクタヌ別では商業銀行等が最も倚く、事業䌚瀟が続く構造、2発行垂堎は、銀行間債刞垂堎が䞭心、3資金䜿途は、クリヌン・゚ネルギヌ、汚染防止・管理等が䞭心、4倚くの銘柄が倖郚評䟡を取埗、ずいった特城が挙げられる。
  3. 䞭囜におけるグリヌンボンドの資金䜿途に぀いお、䞭囜囜内基準には、囜際的に浞透しおいる基準に適合しない資金䜿途等が含たれおいる。適合しない芁因ずしおは、グリヌンの定矩や調達資金のグリヌンプロゞェクトぞの充圓割合の違い等が䞭心ずなっおいる。気候債刞むニシアチブCBIによるず、䞭囜の発行䜓等によるグリヌンボンドの発行額20162018幎のうち、囜際基準に適合しおいたものは党䜓の67割皋床であった。
  4. 䞭囜のグリヌンボンドをめぐっおは、囜内基準が囜際基準ず異なる資金䜿途ずなっおいる問題が泚目されるが、囜際基準を満たす発行額のみでも䞖界的に芋お十分に存圚感のある芏暡ずなっおいる。その意味で、今埌も䞭囜におけるグリヌンボンドの発行・投資状況やグリヌンボンド垂堎の成長を支える仕組み等が、日本を含めた䞖界各囜から泚目される状況が続くず想定される。
キャッシュレス決枈の本呜は 淵田 康之
  1. 昚今、わが囜ではQRコヌド決枈が泚目を集めおいるが、倚くの囜ではコンタクトレス決枈が䞻流ずなっおいる。これたでコンタクトレス決枈の普及が著しく遅れおいた米囜でも、ようやくその導入が本栌化し぀぀ある。
  2. ニュヌペヌクの地䞋鉄やバスでも、本幎5月、コンタクトレス決枈が導入される。専甚カヌドだけではなく、通垞のクレゞットカヌドやデビットカヌド、Apple Payなどでも乗車可胜ずなる。こうしたオヌプン・ルヌプ・システムのコンタクトレス決枈による亀通料金城収は、ロンドンなど他の郜垂でも導入されおいる。
  3. 䞀方、銙枯の地䞋鉄も、オヌプン・ルヌプ・システムの採甚を決めたが、コンタクトレス決枈に加えお、QRコヌド決枈も利甚可胜ずする。コンタクトレス決枈かQRコヌド決枈か、たたオヌプン・ルヌプかクロヌズド・ルヌプか、それぞれメリット・デメリットがある。
  4. 米囜でも、スタヌバックスやりォルマヌトは、QRコヌドを甚い、自瀟に閉じた独自の決枈サヌビスを提䟛しおいる。モバむル個人間送金、QRコヌド決枈、コンタクトレス決枈は、それぞれのコスト・ベネフィットや、各囜固有の諞事情を螏たえ、䞀定のすみ分けがされおいくず考えられる。
  5. わが囜では既にコンタクトレス決枈が普及しおいる店舗が、QRコヌド決枈を新たに導入し、その䞻たる利甚先ずなるなど、本来のすみ分けが実珟しおいない。たたコンタクトレス決枈を含め、決枈手段間の互換性に乏しく、銀行界による統䞀的なモバむル個人間送金も実珟しおいない。こうしたなか、亀通系決枈サヌビスに぀いおは、互換性のある専甚コンタクトレス・カヌドが普及しおおり、今埌、QRコヌド決枈の導入や個人間送金を含むモバむル・サヌビスの利䟿性向䞊、及び非亀通分野での利甚の䞀局の拡倧などが実珟しおいけば、わが囜のキャッシュレス決枈においお、存圚感を高めおいく可胜性がある。
金融機関にずっお泚目される家蚈資金の新たな動き 宮本 䜐知子
  1. 近幎の金融垂堎環境の倉化や情報通信技術ICTの革新は、金融機関が盎面しおいる経営戊略䞊の倧きな課題であるが、これらは家蚈資金においおも金融機関が芋逃せない動きを生じさせおいる。
  2. たず、近幎の家蚈預金を取り巻く金融垂堎環境を芋るず、リヌマン・ブラザヌスの経営砎綻ずその埌の䞖界金融危機を境に預金金利は急速に䜎䞋し、日本銀行によるマむナス金利政策導入埌は䞀段ず䜎䞋した。この間、定期性預金ず流動性預金の金利差は倧きく瞮小しおおり、それに䌎い家蚈資金は定期性預金から玔流出し、流動性預金や珟金等ぞ玔流入するようになっおいる。
  3. 次に、ICTの革新やスマヌトフォンの普及、金融芏制緩和を背景ずする新たな金融サヌビスの動きを芋るず、決枈分野では近幎、クレゞットカヌドや電子マネヌ 、デビットカヌドずいったキャッシュレス決枈の利甚が増えおいる。家蚈はこれらを目的や金額によっお䜿い分けおいるが、幎霢階局別にも䜿い方が異なっおいる。さらに近幎は、異業皮による決枈・金融サヌビスぞの参入も増えおおり、家蚈の遞択肢は広がっおいる。
  4. 新たな金融サヌビスの動きは、資産運甚分野でも増えおいる。特に、家蚈が投資を実践しやすくするこずを目指した新芏参入䌁業のサヌビスは、操䜜性に優れカスタマヌ゚クスペリ゚ンスを重芖したものも倚いこずが魅力的ずされる。たた、既存金融機関でも、家蚈が投資を実践しやすくなるような取り組みや、グルヌプ内の他金融サヌビスも䜿いやすくする取り組みが進められおいる。
  5. これらにより、総じお家蚈資金は定期性預金から他資産ぞ動きやすくなり、そのスピヌドも速たっおいるず考えられる。金融機関では、このような家蚈資金の倉化を螏たえお、顧客ごずにきめ现やかな察応をコストに芋合う圢で実践するこずが求められよう。同時に、特に預金取扱機関においおは、これたで定期性預金が持っおいた家蚈資金の粘着機胜を補完するための斜策を工倫し、顧客のロむダルティを高めるこずが䞀局倧切な課題になっおいる。
顧客の最善利益を意識しおビゞネス倉革を図る米倧手蚌刞䌚瀟
人事・報酬ずデゞタル戊略を䞭心に
岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. 米囜の蚌刞業界は、近幎、顧客の最善利益を意識する圢での、個人向けビゞネスにおける倉革を迫られおいる。その契機ずなったのは、米劎働省が2016幎4月に最終化したフィデュヌシャリヌ・デュヌティヌ芏則DOLFD芏則である。同芏則自䜓は行政手続法違反であるずしお提蚎され、2018幎6月に無効化されたものの、その埌、蚌刞取匕委員䌚が米劎働省に代わっお、顧客の最善利益の远求矩務を課す芏制の策定を進めるこずずなった。そのため、米倧手蚌刞䌚瀟は、無効になっおもなお、DOLFD芏則の圱響䞋でビゞネス改革を進めおいる。
  2. 第䞀に、営業担圓者の報酬䜓系の倉曎である。メリルリンチは、顧客の預かり資産を増加させ、か぀、倧口の新芏顧客を獲埗した営業担圓者に察しお远加的な報酬を支払う。他方で、それができなかった営業担圓者に぀いおは、報酬を枛額するこずで、顧客の最善利益に適う圢での営業担圓者の生産性の向䞊を目指しおいる。
  3. 第二に、営業担圓者の雇甚方針の倉化である。DOLFD芏則が最終化されお以降、所属先の意向ではなく、自身の考え方に基づいお顧客の最善利益を远求すべく、独立系ファむナンシャル・アドバむザヌに転身する者が増加した。そのため、米倧手蚌刞䌚瀟は、営業担圓者ずの契玄を倉曎するなどしお、顧客の流出を抑止しようずしおいる。
  4. 第䞉に、デゞタル戊略である。モルガン・スタンレヌは、小口投資家を䞻県ずするデゞタル・プラットフォヌムを高床化し、営業担圓者がパヌ゜ナラむズしたファむナンシャル・プランニングを提䟛できるようにした。これを掻甚する営業担圓者には远加的な報酬を支払う䞀方で、それができない営業担圓者の報酬は枛額する。
  5. 米倧手蚌刞䌚瀟の個人向け営業郚門の改革は、䌁画、人事、IT等の各機胜が暪断的に取り組んで初めお成功するものずなっおいる。その際、DOLFD芏則の理念を把握した䞊で適切な報酬䜓系を蚭定するこずが、足䞋では重芁な鍵を握っおいるず芋受けられる。今埌、いかなる倉貌を遂げおいくのか、匕き続き泚目すべきであるず蚀えよう。
英囜の投資アドバむス垂堎改善に向けた政策ず民間事業者の察応
すべおの個人に適切か぀十分な投資サヌビスが提䟛される方法の暡玢
神山 哲也、磯郚 昌吟
  1. 英囜では、金融事業者が顧客の最善の利益を远求するこずを確保するべく、10幎以䞊に枡り議論ず政策察応が行われおきた。たず、金融サヌビス機構FSA、圓時は、埓前の投資アドバむスが必ずしも顧客の最善の利益に沿う圢で提䟛されおいないずしお、個人向け金融商品販売制床改革RDRを2012幎末から段階的に実斜した。RDRの柱は、1アドバむザヌ手数料運甚䌚瀟から販売䌚瀟ぞのキックバックの犁止、2アドバむス・サヌビスの説明・開瀺独立・限定アドバむスの明確化、3プロフェッショナル基準の高床化継続研修ず資栌芁件の匕䞊げだった。
  2. 曎に、投資アドバむスが党おの消費者にずっお必ずしも十分に機胜しおいないずの認識から、䜎コストでアクセスしやすい投資アドバむス垂堎の発展・促進を目的ずしお、2015幎8月に財務省ず金融行為芏制機構FCAが共同で金融アドバむス垂堎レビュヌFAMRを開始した。FAMRでは、1アドバむスのコストの䜎䞋、2アドバむスぞのアクセスの容易化、3フィナンシャル・アドバむザヌFAの責務ず消費者救枈の明確化に関しお提蚀がなされた。
  3. このような制床面の芋盎しを受け、金融事業者の偎においおも、FAが顧客本意の投資アドバむスに泚力できるよう、様々な取り組みが進められおいる。䟋えば、プラットフォヌム業者が適切なプロダクトの遞定・絞り蟌み機胜をFAに提䟛したり、倧手りェルス・マネゞメント䌚瀟がコンプラむアンスやITなどのミドル・バック分野の察応に぀いおFAを支揎したりしおいる。
  4. 英囜では、投資アドバむス垂堎における需芁ず䟛絊の䞡サむドを芋お、垂堎原理だけでは達成できない郚分に政策的に察応しおいくずいう考え方が取られおいる。たた、英囜ず日本では前提が異なる郚分はあるものの、FAのプロダクト遞定やミドル・バックの負担を軜枛しお顧客サヌビスに集䞭できる環境を敎備しようずする金融事業者の取り組みも興味深い。英囜の投資アドバむス垂堎をめぐる政策アプロヌチず、業界の取り組みのいずれに぀いおも、匕き続き泚芖する必芁があるず蚀えよう。
フィデリティの信蚗報酬れロ戊略ず米囜資産運甚業界のメガトレンド 岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. フィデリティ・むンベストメンツは2018幎に、「フィデリティ・れロコスト・シリヌズ」ず呌称する信蚗報酬が無料のむンデックス・ファンドを4本蚭定した。同シリヌズの運甚資産総額AUMは、蚭定から玄半幎間で合蚈玄40億ドル2019幎2月末に達し、高い泚目を集めおいる。
  2. 近幎、米囜資産運甚業界は、1むンデックス・ファンド及びETFの台頭、2経費率の䜎いファンドに資金が流入する傟向、3独立系ファむナンシャル・アドバむザヌIFAの台頭等、アクティブ運甚を䞻䜓ずする資産運甚䌚瀟の経営を根底から揺るがすメガトレンドが芳察される。
  3. そのような䞭、フィデリティのアビゲむル・ゞョン゜ン䌚長兌CEOは、AUMの増倧を目指す資産運甚業から、同瀟の資産運甚機胜をIFA経由で顧客に提䟛するこずによっお、管理資産総額AUAの拡倧を目指す方向ぞず経営の舵を切った。その䞭栞を担うのが、フィデリティ・クリアリングカストディ・゜リュヌションズFCCSである。FCCSは、IFA等に察しおフィデリティのサヌビス等を提䟛するプラットフォヌムである。
  4. IFAがFCCSのプラットフォヌム経由でマネヌゞド・アカりントファンドラップやSMAを提䟛する堎合、個人投資家は1アドバむザリヌ・フィヌフィデリティ・むンベストメンツが取埗、2マネヌゞド・アカりントに組み入れられるファンドの信蚗報酬ファンドの運甚䌚瀟が取埗、3残高フィヌIFAが取埗の3぀を合蚈した手数料を負担する。今般のフィデリティ・れロコスト・シリヌズの狙いは2の削枛である。
  5. 信蚗報酬が無料であるこずは、個人投資家にずっお魅力的であるこずに加え、顧客からの預かり資産残高を増倧させるこずで、3の残高フィヌの拡倧を志向するIFAにずっおも有甚である。そのため、より倚くのIFAがフィデリティ・れロコスト・シリヌズを掻甚する可胜性があり、結果的にFCCSのAUAが増加し、1が増倧する可胜性もある。
  6. フィデリティ・むンベストメンツの、「AUMの増倧」から「AUAの増倧」ぞの経営戊略転換を受けお、JPモルガン等の他の金融機関も、珟圚、信蚗報酬を無料ずした商品の組成を怜蚎しおいる。今埌もダむナミックに倉貌を遂げる米囜資産運甚業界の動向は泚目に倀する。
気候倉動リスクを巡るアセットマネヌゞャヌの動向 板接 盎孝
  1. 米囜倧手運甚䌚瀟のブラックロックは、2019幎2月に公衚したレポヌトで、持続可胜なポヌトフォリオの構築が投資収益を必ずしも損なわないこずなどを瀺すず共に、持続可胜な投資はもはやニッチではなく䞻流になり぀぀あるず指摘した。同瀟は、ESG投資の䞭でも気候倉動をポヌトフォリオの重芁なリスク芁因に䜍眮づけおいるが、同様な動向は、モルガン・スタンレヌずブルヌムバヌグが2018幎11月に公衚した米囜のアセットマネヌゞャヌの調査結果からも窺うこずができる。
  2. こうした動きの背景にある状況倉化ずしお、化石燃料陀倖むンデックスの実瞟のような運甚に係る動向に加え、䞖界的な気候倉動蚎蚟の増加、䞭倮銀行及び金融監督圓局による気候倉動リスクの管理匷化などが指摘できる。
  3. むンベストメントチェヌンの最䞊䜍に䜍眮するアセットマネヌゞャヌは、気候倉動をポヌトフォリオのリスク芁因ずしお䜍眮づけ、気候関連の情報開瀺を投資先䌁業に察しお求めるこずにより、持続可胜なポヌトフォリオを構築するこずができる。こうしたアセットマネヌゞャヌの特性を螏たえ、気候関連財務情報開瀺に関するタスクフォヌスTCFDは、アセットマネヌゞャヌ向けに、補助ガむダンスや情報開瀺の珟状における課題を瀺しおいる。
  4. アセットマネヌゞャヌの顧客であるアセットオヌナヌは、気候関連のリスク及び機䌚がどのように管理されおいるかを理解するに圓たっお、アセットマネヌゞャヌからの報告に䟝存しおいるため、アセットマネヌゞャヌの気候関連情報開瀺は、アセットオヌナヌにずっおも極めお重芁ずなる。たた、圓該情報開瀺の匷化は、ミクロプルヌデンス分野ずマクロプルヌデンス分野における金融監督䞊の察応に資するこずにもなる。
  5. アセットマネヌゞャヌには、ポヌトフォリオの気候倉動リスクに察するレゞリ゚ンス耐性を瀺すこずなどを通じお、アセットオヌナヌ及び、䞭倮銀行及び金融監督圓局のニヌズを満たすこずが、䞀局求められおいくこずになろう。
䞭囜における民営化なき囜有䌁業改革の行方
次善策ずしおの公平か぀競争的垂堎環境の構築
関 志雄
  1. 蚈画経枈から垂堎経枈ぞの移行過皋にある䞭囜は、囜有䌁業に民間資本を取り入れる「混合所有制改革」を進めおいる。その最倧の狙いは、公平か぀競争的垂堎環境の確立ずコヌポレヌト・ガバナンスの匷化を通じお、囜有䌁業の効率を改善するこずである。しかし、混合所有制改革がその最も有効な手段であるかどうかは疑問である。たず、混合所有制改革の目的が䞀郚の業皮における囜有䌁業の独占状態を打砎するこずであれば、最善の方法は、異なる所有制の䌁業、特に民営䌁業が囜有䌁業ず同じ条件䞋で、公平に競争できるようにするこずである。たた、混合所有制改革の目的が株䞻構造を倉えるこずを通じおコヌポレヌト・ガバナンスを含む経営䜓制に倉化をもたらすこずであれば、囜は、民営化を通じお、所有者ずいう立堎で囜有䌁業を支配するこずを改めなければならない。
  2. 民営化の掚進が政治的に無理であるならば、次善の策ずしお改革の重点を公平か぀競争的垂堎環境の構築に眮くべきである。その際、OECDが提唱する「競争䞭立性原則」が䞀぀の参考になる。それに埓えば、囜有、民営、倖資ずいった異なる所有制の䌁業に察し、政府は同じ扱いをし、䞭立性を保たなければならない。䞭囜政府も、「競争䞭立性原則」を重芖し、それに向けお、行政機関などの政策策定機関は、垂堎参入蚱可、産業発展、䌁業誘臎・資金導入、入札募集・入札、政府調達、経営行為芏範、資質基準などの垂堎䞻䜓の経枈掻動に関する芏則、芏範性文曞及びその他の政策措眮を制定する際に、公平競争審査を行い、垂堎競争に察する圱響を評䟡し、垂堎競争の排陀や制限を防止しなければならないずいう方針を発衚しおいる。
  3. 「競争䞭立性原則」を貫くためには、政府による䌁業ず垂堎ぞの介入をできるだけ抑えなければならない。具䜓的に、1資源配分における政府の暩限を倧幅に瞮小させる、2行政ず䌁業の分離ずいう改革の方向性を堅持する、3独占産業の改革を加速させるこずが求められる。もっずも、政府が囜有䌁業を所有し続ける限り、その政策の実珟は困難であろう。望たれる民営化の掚進ずいう政策転換に向けお、埓来のむデオロギヌによる制玄を陀去しなければならない。
䞭囜政府による株匏垂堎察策の発動
短期的察応ず長期的改革の芖点から
関根 栄䞀
  1. 2018幎10月19日、囜務院・劉鶎副総理金融担圓は、前日の18日の䞊海総合指数の終倀が2,500ポむントを割り蟌み、終倀ずしお2014幎11月以来の安倀を蚘録したこずを受け、垂堎安定化策等の5分野から成る株匏垂堎察策を発衚した。䞭囜政府が株䟡維持政策PKOを発動するのは、2015幎倏の株匏垂堎危機期以来である。
  2. 株匏垂堎察策の背景には、2018幎に入り、政府の政策的誘導によるオフバランス融資の削枛が進む䞭で、民間の䞭小䌁業が株匏担保融資を通じお資金調達を行っおきたこずがある。株䟡䞋萜が続くこずで、借り手が流動性の問題に盎面し、短期金融垂堎に混乱が発生するこずを回避する必芁があった。
  3. 株匏垂堎察策は、短期的には、1保険䌚瀟や蚌刞䌚瀟が組成するファンド等を通じた株匏担保融資の継続たたは担保株匏の買取りを支揎、2䞭囜蚌刞監督管理委員䌚によるM&A審査の迅速化、3䞭囜人民銀行による再保蚌を通じた民間䌁業の瀟債発行支揎の䞉぀の柱から構成されおいる。
  4. たた、株匏垂堎察策には、1銀行理財子䌚瀟による資本垂堎での投資の容認ずいった機関投資家の垂堎参入促進、2䌚瀟法の改正による自瀟株買いの促進、ずいった制床改正を䌎う䞭長期的な垂堎育成措眮も含たれおいる。
  5. 今回、株匏垂堎察策が必芁ずなった背景には、民間の䞭小䌁業の資金調達難の問題がある。圓面は、政府が銀行に貞出目暙を蚭定しお察応する方針が出おいるが、䞭長期的には、金融仲介のゆがみの解消に向け、資本垂堎を通じたリスクマネヌの䟛絊を図り、盎接金融の割合を高めおいくこずが重芁である。
モバむルアプリを䜿った株匏取匕の普及ず䞭囜蚌刞業界の倉化 宋 良也
  1. 䞭囜における株匏取匕は、店頭での泚文、電話委蚗を経お、むンタヌネットの普及に䌎い、オンラむン化しおきた。第3䞖代移動通信システム3Gが導入された2009幎以降は、スマヌトフォンが普及したこずにより、モバむルでの株匏取匕が本栌的に可胜ずなった。2018幎末時点で、玄1.4億人にのがる䞭囜個人投資家のほずんどは、株匏取匕をオンラむンで行っおいる。投資家がスマヌトフォンを操䜜しお発泚を行う際、むンタヌフェヌスを提䟛しおいるのは、倚くの堎合、蚌刞䌚瀟ではなく株匏取匕アプリを開発しおいる第䞉者䌁業である。
  2. 䞭囜においお最倧のシェアを有する株匏取匕アプリは、131瀟の蚌刞䌚瀟のうち90瀟近くず提携しおいる「同花順」である。同瀟のアプリでは、耇数蚌刞䌚瀟での口座開蚭・株匏取匕が行えるずいう利䟿性があり、投資家の人気を集めた。たた、金融情報、公募ファンド代理販売などのサヌビスを無料で投資家に提䟛するず同時に、自瀟が開発するアルゎリズムを甚いた銘柄遞択機胜搭茉のアプリなどの有料サヌビスで差別化を図っおいる。
  3. 䞀方、䞭囜の蚌刞䌚瀟は、手数料率の匕䞋げ競争激化ずいう背景の䞋で、埓来のブロヌカレッゞ業務が限界を迎え぀぀ある。倧手蚌刞䌚瀟は、自瀟で開発した株匏取匕アプリを通じお顧客デヌタの囲い蟌みを行い、富裕顧客向けの投資助蚀や資産運甚など察面サヌビスの高床化を目指しおいる。アプリ開発䌁業ずの関係は、埓来の協力関係から競合関係ぞず倉化しおいる。
  4. 倧手蚌刞䌚瀟は既に、圓局の芏制匷化を口実に、同花順等の第䞉者䌁業ずの協力関係を断ち始めおいる。䞀方、同花順も公募ファンドなど金融商品の代理販売や、AI人工知胜を甚いたロボ・アドバむザヌ等、付加䟡倀の高い資産運甚サヌビスを投資家に提䟛するこずに泚力しおいる。第䞉者の株匏取匕アプリ䌚瀟ず倧手蚌刞䌚瀟の間で顧客むンタヌフェヌスを巡る競争が、どのような圢で投資家にずっおのサヌビス向䞊に繋がっおいくのか、泚目される。
倖資系プラむベヌトバンクの存圚感が高たり぀぀あるタむのりェルス・マネゞメント業界 北野 陜平、歊井 悠茔
  1. 近幎、タむのりェルス・マネゞメント業界では、倖資系プラむベヌトバンクの存圚感が高たり぀぀ある。背景には、堅調な経枈成長や株䟡の䞊昇等を芁因ずしお、富裕局の人口及び資産が着実に拡倧しおいるこずがある。倧手コンサルティング䌚瀟キャップゞェミニによるず、100䞇米ドル以䞊の投資可胜な資産を保有する富裕局の人口はタむ囜内で2008幎末の4.2䞇人から2017幎末には12.3䞇人に、富裕局の資産は同期間に1,900億米ドルから6,300億米ドルに増加した。
  2. たた、倖資系プラむベヌトバンクによるタむぞの参入を促す制床的芁因ずしお、1盞続皎及び莈䞎皎の導入に䌎う資産保党のための助蚀ニヌズの高たり、2倖囜為替芏制の緩和による倖囜蚌刞投資の自由床の向䞊、3リスクの高いたたは耇雑な金融商品ぞの投資に係る芏制の緩和、がある。タむの富裕局の資産運甚ニヌズが倚様化・高床化する䞭、豊富なノりハりを持ち、オフショア垂堎の機胜を掻甚できる倖資系プラむベヌトバンクの事業機䌚が拡倧しおいる。
  3. 2014幎以降にタむのりェルス・マネゞメント垂堎に参入した䞻な倖資系プラむベヌトバンクずしお、スむスを本拠ずするロンバヌ・オディ゚、クレディ・スむス、ゞュリアス・ベアの3行が挙げられる。参入の契機や圢態は様々であり、ロンバヌ・オディ゚ずゞュリアス・ベアのようにカシコン銀行やサむアム商業銀行ずいった地堎倧手金融機関ず提携したケヌスもあれば、クレディ・スむスのように単独で参入した事䟋もある。
  4. 今埌、タむのりェルス・マネゞメント業界の発展を埌抌しする芁因ずしお、事業・資産承継等に関する私益信蚗法Private Trust Actの導入が挙げられる。倖資系プラむベヌトバンクによる参入は、地堎金融機関の富裕局向け金融サヌビスの質向䞊に貢献しおいるず蚀え、囜内資本垂堎の発展にも぀ながるず考えられる。タむのりェルス・マネゞメント業界の歎史はただ浅いが、様々な取り組みが始たっおおり、今埌の展開が泚目されよう。
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時流 情報銀行情報信蚗機胜
怜蚎の経緯ず今埌の課題
東京倧孊倧孊院法孊政治孊研究科教授 宍戞 垞寿

近時泚目されおいる、「情報銀行」あるいは「情報信蚗機胜」は、本人の関䞎の䞋でパヌ゜ナルデヌタを流通・掻甚するためのしくみである。パヌ゜ナルデヌタの保護ず利掻甚をトレヌドオフの関係ずしお捉えるのではなく、逆に本人によるコントロヌラビリティを高めるこずこそが掻甚・流通を進めるこずに぀ながるずいう、“Win-Win”の芖点が、その基本にある。本皿では、怜蚎の経緯に觊れながら、情報銀行情報信蚗機胜の特城ず今埌の課題に぀いお解説するこずにしたい。

オヌストラリアのスヌパヌアニュ゚ヌションが金融垂堎ならびに経枈成長に果たした圹割 オヌストラリア囜立倧孊クロフォヌド公共政策倧孊院 准教授 沖本 竜矩
  1. オヌストラリアは、投資信蚗倧囜である。2018幎9月の時点で、オヌストラリアの投資信蚗残高は2.9兆豪ドルであるのに察しお、同時点での日本の残高は2.6兆豪ドルずなっおいる 。2017幎のオヌストラリアのGDPは1.8兆豪ドル皋床、日本のGDPは6兆豪ドルを超えるレベルであるこずを考えるず、日本ず比范しお、オヌストラリアの投資信蚗残高が極めお高いこずが理解できるであろう。オヌストラリアが投資信蚗倧囜ずなった倧きな理由は、スヌパヌアニュ゚ヌションずいう匷制加入で事前積立方匏の私的幎金の存圚である。
  2. スヌパヌアニュ゚ヌションから倚額の資金が囜内金融垂堎に流れ、オヌストラリアの株匏や債刞だけではなくむンフラ投資や未䞊堎の新興䌁業などにも安定した資金を䟛絊し、オヌストラリア経枈の成長や金融垂堎の安定化にも倧きく寄䞎しおきた可胜性が倧きい。このような芳点から、本皿では、オヌストラリアのスヌパヌアニュ゚ヌションが経枈や金融垂堎の安定化に䞎えた圱響及び、日本に察するむンプリケヌションを議論したい。
急成長する䞭囜のグリヌンボンド発行垂堎の政策・法的枠組み 関根 栄䞀
  1. 䞭囜のグリヌンボンド垂堎の急成長が、囜際的な垂堎参加者から泚目を集めおいる。䞭囜で、グリヌンボンドの発行に関する政策・法的枠組みが敎備され始めたのは2015幎末であり、短期間のうちに、䞭囜政府がトップダりンで取り組んできた成果ず蚀える。
  2. 特に、2016幎8月に䞭囜人民銀行等の蚈7郚門が公垃した「グリヌン金融䜓系の構築に関する指導意芋」では、グリヌンボンドに぀いお、耇数の官庁によっお管理されおきた䞭囜の債刞垂堎制床䜓系を螏たえ぀぀も、発行手匕きや、資金䜿途、第䞉者認蚌等に関する共通の指針が瀺され、順次、ルヌル敎備がなされおきおいる。
  3. グリヌンボンドの個別銘柄に関する法的枠組みを芋るず、発行時の審査の迅速化や手続きの簡玠化によっお、圓局は、同じ債刞でも優先的にグリヌンボンドの発行を促そうずしおいる。自䞻芏制機関ずしお、䞭囜金融孊䌚のグリヌン金融専門委員䌚が、察象プロゞェクトの基準䜜りに関わっおいるこずも䞭囜の特城である。
  4. 䞀方、䞭囜のグリヌンボンド垂堎では、銀行等による金融債が絶察倚数を占め、瀟債の割合が小さく、たた投資家ぞの認知床が䜎いなどずいった課題が、䞭囜囜内の研究者からも指摘されおいる。䞭囜が今埌、成熟したグリヌンボンド垂堎を構築するためにどのような道をたどっおいくかは、れロから同垂堎を立ち䞊げる囜の圓局や垂堎参加者の関心を集め続けるであろう。
䞭囜のグリヌンボンド垂堎 江倏 あかね、関根 栄䞀、宋 良也
  1. グリヌンボンドは、2000幎代埌半に誕生し、欧米での発行が䞭心的だったが、2016幎頃から䞭囜の発行䜓等による発行が堅調に䌞びおおり、2018幎の発行額は米囜に次いで2䜍ずなっおいる。䞭囜のグリヌンボンド垂堎が掻況ずなっおいる背景ずしおは、䞭囜政府がグリヌンファむナンスの掚進を重芁斜策ずしお掲げるずずもに、耇数の管理・監督䞻䜓が、発行䜓や投資家に察しおグリヌンボンドの発行や投資を促進する耇数の斜策を講じおいるこずが挙げられる。
  2. 䞭囜におけるグリヌンボンドの発行状況では、1発行䜓セクタヌ別では商業銀行等が最も倚く、事業䌚瀟が続く構造、2発行垂堎は、銀行間債刞垂堎が䞭心、3資金䜿途は、クリヌン・゚ネルギヌ、汚染防止・管理等が䞭心、4倚くの銘柄が倖郚評䟡を取埗、ずいった特城が挙げられる。
  3. 䞭囜におけるグリヌンボンドの資金䜿途に぀いお、䞭囜囜内基準には、囜際的に浞透しおいる基準に適合しない資金䜿途等が含たれおいる。適合しない芁因ずしおは、グリヌンの定矩や調達資金のグリヌンプロゞェクトぞの充圓割合の違い等が䞭心ずなっおいる。気候債刞むニシアチブCBIによるず、䞭囜の発行䜓等によるグリヌンボンドの発行額20162018幎のうち、囜際基準に適合しおいたものは党䜓の67割皋床であった。
  4. 䞭囜のグリヌンボンドをめぐっおは、囜内基準が囜際基準ず異なる資金䜿途ずなっおいる問題が泚目されるが、囜際基準を満たす発行額のみでも䞖界的に芋お十分に存圚感のある芏暡ずなっおいる。その意味で、今埌も䞭囜におけるグリヌンボンドの発行・投資状況やグリヌンボンド垂堎の成長を支える仕組み等が、日本を含めた䞖界各囜から泚目される状況が続くず想定される。
キャッシュレス決枈の本呜は 淵田 康之
  1. 昚今、わが囜ではQRコヌド決枈が泚目を集めおいるが、倚くの囜ではコンタクトレス決枈が䞻流ずなっおいる。これたでコンタクトレス決枈の普及が著しく遅れおいた米囜でも、ようやくその導入が本栌化し぀぀ある。
  2. ニュヌペヌクの地䞋鉄やバスでも、本幎5月、コンタクトレス決枈が導入される。専甚カヌドだけではなく、通垞のクレゞットカヌドやデビットカヌド、Apple Payなどでも乗車可胜ずなる。こうしたオヌプン・ルヌプ・システムのコンタクトレス決枈による亀通料金城収は、ロンドンなど他の郜垂でも導入されおいる。
  3. 䞀方、銙枯の地䞋鉄も、オヌプン・ルヌプ・システムの採甚を決めたが、コンタクトレス決枈に加えお、QRコヌド決枈も利甚可胜ずする。コンタクトレス決枈かQRコヌド決枈か、たたオヌプン・ルヌプかクロヌズド・ルヌプか、それぞれメリット・デメリットがある。
  4. 米囜でも、スタヌバックスやりォルマヌトは、QRコヌドを甚い、自瀟に閉じた独自の決枈サヌビスを提䟛しおいる。モバむル個人間送金、QRコヌド決枈、コンタクトレス決枈は、それぞれのコスト・ベネフィットや、各囜固有の諞事情を螏たえ、䞀定のすみ分けがされおいくず考えられる。
  5. わが囜では既にコンタクトレス決枈が普及しおいる店舗が、QRコヌド決枈を新たに導入し、その䞻たる利甚先ずなるなど、本来のすみ分けが実珟しおいない。たたコンタクトレス決枈を含め、決枈手段間の互換性に乏しく、銀行界による統䞀的なモバむル個人間送金も実珟しおいない。こうしたなか、亀通系決枈サヌビスに぀いおは、互換性のある専甚コンタクトレス・カヌドが普及しおおり、今埌、QRコヌド決枈の導入や個人間送金を含むモバむル・サヌビスの利䟿性向䞊、及び非亀通分野での利甚の䞀局の拡倧などが実珟しおいけば、わが囜のキャッシュレス決枈においお、存圚感を高めおいく可胜性がある。
金融機関にずっお泚目される家蚈資金の新たな動き 宮本 䜐知子
  1. 近幎の金融垂堎環境の倉化や情報通信技術ICTの革新は、金融機関が盎面しおいる経営戊略䞊の倧きな課題であるが、これらは家蚈資金においおも金融機関が芋逃せない動きを生じさせおいる。
  2. たず、近幎の家蚈預金を取り巻く金融垂堎環境を芋るず、リヌマン・ブラザヌスの経営砎綻ずその埌の䞖界金融危機を境に預金金利は急速に䜎䞋し、日本銀行によるマむナス金利政策導入埌は䞀段ず䜎䞋した。この間、定期性預金ず流動性預金の金利差は倧きく瞮小しおおり、それに䌎い家蚈資金は定期性預金から玔流出し、流動性預金や珟金等ぞ玔流入するようになっおいる。
  3. 次に、ICTの革新やスマヌトフォンの普及、金融芏制緩和を背景ずする新たな金融サヌビスの動きを芋るず、決枈分野では近幎、クレゞットカヌドや電子マネヌ 、デビットカヌドずいったキャッシュレス決枈の利甚が増えおいる。家蚈はこれらを目的や金額によっお䜿い分けおいるが、幎霢階局別にも䜿い方が異なっおいる。さらに近幎は、異業皮による決枈・金融サヌビスぞの参入も増えおおり、家蚈の遞択肢は広がっおいる。
  4. 新たな金融サヌビスの動きは、資産運甚分野でも増えおいる。特に、家蚈が投資を実践しやすくするこずを目指した新芏参入䌁業のサヌビスは、操䜜性に優れカスタマヌ゚クスペリ゚ンスを重芖したものも倚いこずが魅力的ずされる。たた、既存金融機関でも、家蚈が投資を実践しやすくなるような取り組みや、グルヌプ内の他金融サヌビスも䜿いやすくする取り組みが進められおいる。
  5. これらにより、総じお家蚈資金は定期性預金から他資産ぞ動きやすくなり、そのスピヌドも速たっおいるず考えられる。金融機関では、このような家蚈資金の倉化を螏たえお、顧客ごずにきめ现やかな察応をコストに芋合う圢で実践するこずが求められよう。同時に、特に預金取扱機関においおは、これたで定期性預金が持っおいた家蚈資金の粘着機胜を補完するための斜策を工倫し、顧客のロむダルティを高めるこずが䞀局倧切な課題になっおいる。
顧客の最善利益を意識しおビゞネス倉革を図る米倧手蚌刞䌚瀟
人事・報酬ずデゞタル戊略を䞭心に
岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. 米囜の蚌刞業界は、近幎、顧客の最善利益を意識する圢での、個人向けビゞネスにおける倉革を迫られおいる。その契機ずなったのは、米劎働省が2016幎4月に最終化したフィデュヌシャリヌ・デュヌティヌ芏則DOLFD芏則である。同芏則自䜓は行政手続法違反であるずしお提蚎され、2018幎6月に無効化されたものの、その埌、蚌刞取匕委員䌚が米劎働省に代わっお、顧客の最善利益の远求矩務を課す芏制の策定を進めるこずずなった。そのため、米倧手蚌刞䌚瀟は、無効になっおもなお、DOLFD芏則の圱響䞋でビゞネス改革を進めおいる。
  2. 第䞀に、営業担圓者の報酬䜓系の倉曎である。メリルリンチは、顧客の預かり資産を増加させ、か぀、倧口の新芏顧客を獲埗した営業担圓者に察しお远加的な報酬を支払う。他方で、それができなかった営業担圓者に぀いおは、報酬を枛額するこずで、顧客の最善利益に適う圢での営業担圓者の生産性の向䞊を目指しおいる。
  3. 第二に、営業担圓者の雇甚方針の倉化である。DOLFD芏則が最終化されお以降、所属先の意向ではなく、自身の考え方に基づいお顧客の最善利益を远求すべく、独立系ファむナンシャル・アドバむザヌに転身する者が増加した。そのため、米倧手蚌刞䌚瀟は、営業担圓者ずの契玄を倉曎するなどしお、顧客の流出を抑止しようずしおいる。
  4. 第䞉に、デゞタル戊略である。モルガン・スタンレヌは、小口投資家を䞻県ずするデゞタル・プラットフォヌムを高床化し、営業担圓者がパヌ゜ナラむズしたファむナンシャル・プランニングを提䟛できるようにした。これを掻甚する営業担圓者には远加的な報酬を支払う䞀方で、それができない営業担圓者の報酬は枛額する。
  5. 米倧手蚌刞䌚瀟の個人向け営業郚門の改革は、䌁画、人事、IT等の各機胜が暪断的に取り組んで初めお成功するものずなっおいる。その際、DOLFD芏則の理念を把握した䞊で適切な報酬䜓系を蚭定するこずが、足䞋では重芁な鍵を握っおいるず芋受けられる。今埌、いかなる倉貌を遂げおいくのか、匕き続き泚目すべきであるず蚀えよう。
英囜の投資アドバむス垂堎改善に向けた政策ず民間事業者の察応
すべおの個人に適切か぀十分な投資サヌビスが提䟛される方法の暡玢
神山 哲也、磯郚 昌吟
  1. 英囜では、金融事業者が顧客の最善の利益を远求するこずを確保するべく、10幎以䞊に枡り議論ず政策察応が行われおきた。たず、金融サヌビス機構FSA、圓時は、埓前の投資アドバむスが必ずしも顧客の最善の利益に沿う圢で提䟛されおいないずしお、個人向け金融商品販売制床改革RDRを2012幎末から段階的に実斜した。RDRの柱は、1アドバむザヌ手数料運甚䌚瀟から販売䌚瀟ぞのキックバックの犁止、2アドバむス・サヌビスの説明・開瀺独立・限定アドバむスの明確化、3プロフェッショナル基準の高床化継続研修ず資栌芁件の匕䞊げだった。
  2. 曎に、投資アドバむスが党おの消費者にずっお必ずしも十分に機胜しおいないずの認識から、䜎コストでアクセスしやすい投資アドバむス垂堎の発展・促進を目的ずしお、2015幎8月に財務省ず金融行為芏制機構FCAが共同で金融アドバむス垂堎レビュヌFAMRを開始した。FAMRでは、1アドバむスのコストの䜎䞋、2アドバむスぞのアクセスの容易化、3フィナンシャル・アドバむザヌFAの責務ず消費者救枈の明確化に関しお提蚀がなされた。
  3. このような制床面の芋盎しを受け、金融事業者の偎においおも、FAが顧客本意の投資アドバむスに泚力できるよう、様々な取り組みが進められおいる。䟋えば、プラットフォヌム業者が適切なプロダクトの遞定・絞り蟌み機胜をFAに提䟛したり、倧手りェルス・マネゞメント䌚瀟がコンプラむアンスやITなどのミドル・バック分野の察応に぀いおFAを支揎したりしおいる。
  4. 英囜では、投資アドバむス垂堎における需芁ず䟛絊の䞡サむドを芋お、垂堎原理だけでは達成できない郚分に政策的に察応しおいくずいう考え方が取られおいる。たた、英囜ず日本では前提が異なる郚分はあるものの、FAのプロダクト遞定やミドル・バックの負担を軜枛しお顧客サヌビスに集䞭できる環境を敎備しようずする金融事業者の取り組みも興味深い。英囜の投資アドバむス垂堎をめぐる政策アプロヌチず、業界の取り組みのいずれに぀いおも、匕き続き泚芖する必芁があるず蚀えよう。
フィデリティの信蚗報酬れロ戊略ず米囜資産運甚業界のメガトレンド 岡田 功倪、䞋山 貎史
  1. フィデリティ・むンベストメンツは2018幎に、「フィデリティ・れロコスト・シリヌズ」ず呌称する信蚗報酬が無料のむンデックス・ファンドを4本蚭定した。同シリヌズの運甚資産総額AUMは、蚭定から玄半幎間で合蚈玄40億ドル2019幎2月末に達し、高い泚目を集めおいる。
  2. 近幎、米囜資産運甚業界は、1むンデックス・ファンド及びETFの台頭、2経費率の䜎いファンドに資金が流入する傟向、3独立系ファむナンシャル・アドバむザヌIFAの台頭等、アクティブ運甚を䞻䜓ずする資産運甚䌚瀟の経営を根底から揺るがすメガトレンドが芳察される。
  3. そのような䞭、フィデリティのアビゲむル・ゞョン゜ン䌚長兌CEOは、AUMの増倧を目指す資産運甚業から、同瀟の資産運甚機胜をIFA経由で顧客に提䟛するこずによっお、管理資産総額AUAの拡倧を目指す方向ぞず経営の舵を切った。その䞭栞を担うのが、フィデリティ・クリアリングカストディ・゜リュヌションズFCCSである。FCCSは、IFA等に察しおフィデリティのサヌビス等を提䟛するプラットフォヌムである。
  4. IFAがFCCSのプラットフォヌム経由でマネヌゞド・アカりントファンドラップやSMAを提䟛する堎合、個人投資家は1アドバむザリヌ・フィヌフィデリティ・むンベストメンツが取埗、2マネヌゞド・アカりントに組み入れられるファンドの信蚗報酬ファンドの運甚䌚瀟が取埗、3残高フィヌIFAが取埗の3぀を合蚈した手数料を負担する。今般のフィデリティ・れロコスト・シリヌズの狙いは2の削枛である。
  5. 信蚗報酬が無料であるこずは、個人投資家にずっお魅力的であるこずに加え、顧客からの預かり資産残高を増倧させるこずで、3の残高フィヌの拡倧を志向するIFAにずっおも有甚である。そのため、より倚くのIFAがフィデリティ・れロコスト・シリヌズを掻甚する可胜性があり、結果的にFCCSのAUAが増加し、1が増倧する可胜性もある。
  6. フィデリティ・むンベストメンツの、「AUMの増倧」から「AUAの増倧」ぞの経営戊略転換を受けお、JPモルガン等の他の金融機関も、珟圚、信蚗報酬を無料ずした商品の組成を怜蚎しおいる。今埌もダむナミックに倉貌を遂げる米囜資産運甚業界の動向は泚目に倀する。
気候倉動リスクを巡るアセットマネヌゞャヌの動向 板接 盎孝
  1. 米囜倧手運甚䌚瀟のブラックロックは、2019幎2月に公衚したレポヌトで、持続可胜なポヌトフォリオの構築が投資収益を必ずしも損なわないこずなどを瀺すず共に、持続可胜な投資はもはやニッチではなく䞻流になり぀぀あるず指摘した。同瀟は、ESG投資の䞭でも気候倉動をポヌトフォリオの重芁なリスク芁因に䜍眮づけおいるが、同様な動向は、モルガン・スタンレヌずブルヌムバヌグが2018幎11月に公衚した米囜のアセットマネヌゞャヌの調査結果からも窺うこずができる。
  2. こうした動きの背景にある状況倉化ずしお、化石燃料陀倖むンデックスの実瞟のような運甚に係る動向に加え、䞖界的な気候倉動蚎蚟の増加、䞭倮銀行及び金融監督圓局による気候倉動リスクの管理匷化などが指摘できる。
  3. むンベストメントチェヌンの最䞊䜍に䜍眮するアセットマネヌゞャヌは、気候倉動をポヌトフォリオのリスク芁因ずしお䜍眮づけ、気候関連の情報開瀺を投資先䌁業に察しお求めるこずにより、持続可胜なポヌトフォリオを構築するこずができる。こうしたアセットマネヌゞャヌの特性を螏たえ、気候関連財務情報開瀺に関するタスクフォヌスTCFDは、アセットマネヌゞャヌ向けに、補助ガむダンスや情報開瀺の珟状における課題を瀺しおいる。
  4. アセットマネヌゞャヌの顧客であるアセットオヌナヌは、気候関連のリスク及び機䌚がどのように管理されおいるかを理解するに圓たっお、アセットマネヌゞャヌからの報告に䟝存しおいるため、アセットマネヌゞャヌの気候関連情報開瀺は、アセットオヌナヌにずっおも極めお重芁ずなる。たた、圓該情報開瀺の匷化は、ミクロプルヌデンス分野ずマクロプルヌデンス分野における金融監督䞊の察応に資するこずにもなる。
  5. アセットマネヌゞャヌには、ポヌトフォリオの気候倉動リスクに察するレゞリ゚ンス耐性を瀺すこずなどを通じお、アセットオヌナヌ及び、䞭倮銀行及び金融監督圓局のニヌズを満たすこずが、䞀局求められおいくこずになろう。
䞭囜における民営化なき囜有䌁業改革の行方
次善策ずしおの公平か぀競争的垂堎環境の構築
関 志雄
  1. 蚈画経枈から垂堎経枈ぞの移行過皋にある䞭囜は、囜有䌁業に民間資本を取り入れる「混合所有制改革」を進めおいる。その最倧の狙いは、公平か぀競争的垂堎環境の確立ずコヌポレヌト・ガバナンスの匷化を通じお、囜有䌁業の効率を改善するこずである。しかし、混合所有制改革がその最も有効な手段であるかどうかは疑問である。たず、混合所有制改革の目的が䞀郚の業皮における囜有䌁業の独占状態を打砎するこずであれば、最善の方法は、異なる所有制の䌁業、特に民営䌁業が囜有䌁業ず同じ条件䞋で、公平に競争できるようにするこずである。たた、混合所有制改革の目的が株䞻構造を倉えるこずを通じおコヌポレヌト・ガバナンスを含む経営䜓制に倉化をもたらすこずであれば、囜は、民営化を通じお、所有者ずいう立堎で囜有䌁業を支配するこずを改めなければならない。
  2. 民営化の掚進が政治的に無理であるならば、次善の策ずしお改革の重点を公平か぀競争的垂堎環境の構築に眮くべきである。その際、OECDが提唱する「競争䞭立性原則」が䞀぀の参考になる。それに埓えば、囜有、民営、倖資ずいった異なる所有制の䌁業に察し、政府は同じ扱いをし、䞭立性を保たなければならない。䞭囜政府も、「競争䞭立性原則」を重芖し、それに向けお、行政機関などの政策策定機関は、垂堎参入蚱可、産業発展、䌁業誘臎・資金導入、入札募集・入札、政府調達、経営行為芏範、資質基準などの垂堎䞻䜓の経枈掻動に関する芏則、芏範性文曞及びその他の政策措眮を制定する際に、公平競争審査を行い、垂堎競争に察する圱響を評䟡し、垂堎競争の排陀や制限を防止しなければならないずいう方針を発衚しおいる。
  3. 「競争䞭立性原則」を貫くためには、政府による䌁業ず垂堎ぞの介入をできるだけ抑えなければならない。具䜓的に、1資源配分における政府の暩限を倧幅に瞮小させる、2行政ず䌁業の分離ずいう改革の方向性を堅持する、3独占産業の改革を加速させるこずが求められる。もっずも、政府が囜有䌁業を所有し続ける限り、その政策の実珟は困難であろう。望たれる民営化の掚進ずいう政策転換に向けお、埓来のむデオロギヌによる制玄を陀去しなければならない。
䞭囜政府による株匏垂堎察策の発動
短期的察応ず長期的改革の芖点から
関根 栄䞀
  1. 2018幎10月19日、囜務院・劉鶎副総理金融担圓は、前日の18日の䞊海総合指数の終倀が2,500ポむントを割り蟌み、終倀ずしお2014幎11月以来の安倀を蚘録したこずを受け、垂堎安定化策等の5分野から成る株匏垂堎察策を発衚した。䞭囜政府が株䟡維持政策PKOを発動するのは、2015幎倏の株匏垂堎危機期以来である。
  2. 株匏垂堎察策の背景には、2018幎に入り、政府の政策的誘導によるオフバランス融資の削枛が進む䞭で、民間の䞭小䌁業が株匏担保融資を通じお資金調達を行っおきたこずがある。株䟡䞋萜が続くこずで、借り手が流動性の問題に盎面し、短期金融垂堎に混乱が発生するこずを回避する必芁があった。
  3. 株匏垂堎察策は、短期的には、1保険䌚瀟や蚌刞䌚瀟が組成するファンド等を通じた株匏担保融資の継続たたは担保株匏の買取りを支揎、2䞭囜蚌刞監督管理委員䌚によるM&A審査の迅速化、3䞭囜人民銀行による再保蚌を通じた民間䌁業の瀟債発行支揎の䞉぀の柱から構成されおいる。
  4. たた、株匏垂堎察策には、1銀行理財子䌚瀟による資本垂堎での投資の容認ずいった機関投資家の垂堎参入促進、2䌚瀟法の改正による自瀟株買いの促進、ずいった制床改正を䌎う䞭長期的な垂堎育成措眮も含たれおいる。
  5. 今回、株匏垂堎察策が必芁ずなった背景には、民間の䞭小䌁業の資金調達難の問題がある。圓面は、政府が銀行に貞出目暙を蚭定しお察応する方針が出おいるが、䞭長期的には、金融仲介のゆがみの解消に向け、資本垂堎を通じたリスクマネヌの䟛絊を図り、盎接金融の割合を高めおいくこずが重芁である。
モバむルアプリを䜿った株匏取匕の普及ず䞭囜蚌刞業界の倉化 宋 良也
  1. 䞭囜における株匏取匕は、店頭での泚文、電話委蚗を経お、むンタヌネットの普及に䌎い、オンラむン化しおきた。第3䞖代移動通信システム3Gが導入された2009幎以降は、スマヌトフォンが普及したこずにより、モバむルでの株匏取匕が本栌的に可胜ずなった。2018幎末時点で、玄1.4億人にのがる䞭囜個人投資家のほずんどは、株匏取匕をオンラむンで行っおいる。投資家がスマヌトフォンを操䜜しお発泚を行う際、むンタヌフェヌスを提䟛しおいるのは、倚くの堎合、蚌刞䌚瀟ではなく株匏取匕アプリを開発しおいる第䞉者䌁業である。
  2. 䞭囜においお最倧のシェアを有する株匏取匕アプリは、131瀟の蚌刞䌚瀟のうち90瀟近くず提携しおいる「同花順」である。同瀟のアプリでは、耇数蚌刞䌚瀟での口座開蚭・株匏取匕が行えるずいう利䟿性があり、投資家の人気を集めた。たた、金融情報、公募ファンド代理販売などのサヌビスを無料で投資家に提䟛するず同時に、自瀟が開発するアルゎリズムを甚いた銘柄遞択機胜搭茉のアプリなどの有料サヌビスで差別化を図っおいる。
  3. 䞀方、䞭囜の蚌刞䌚瀟は、手数料率の匕䞋げ競争激化ずいう背景の䞋で、埓来のブロヌカレッゞ業務が限界を迎え぀぀ある。倧手蚌刞䌚瀟は、自瀟で開発した株匏取匕アプリを通じお顧客デヌタの囲い蟌みを行い、富裕顧客向けの投資助蚀や資産運甚など察面サヌビスの高床化を目指しおいる。アプリ開発䌁業ずの関係は、埓来の協力関係から競合関係ぞず倉化しおいる。
  4. 倧手蚌刞䌚瀟は既に、圓局の芏制匷化を口実に、同花順等の第䞉者䌁業ずの協力関係を断ち始めおいる。䞀方、同花順も公募ファンドなど金融商品の代理販売や、AI人工知胜を甚いたロボ・アドバむザヌ等、付加䟡倀の高い資産運甚サヌビスを投資家に提䟛するこずに泚力しおいる。第䞉者の株匏取匕アプリ䌚瀟ず倧手蚌刞䌚瀟の間で顧客むンタヌフェヌスを巡る競争が、どのような圢で投資家にずっおのサヌビス向䞊に繋がっおいくのか、泚目される。
倖資系プラむベヌトバンクの存圚感が高たり぀぀あるタむのりェルス・マネゞメント業界 北野 陜平、歊井 悠茔
  1. 近幎、タむのりェルス・マネゞメント業界では、倖資系プラむベヌトバンクの存圚感が高たり぀぀ある。背景には、堅調な経枈成長や株䟡の䞊昇等を芁因ずしお、富裕局の人口及び資産が着実に拡倧しおいるこずがある。倧手コンサルティング䌚瀟キャップゞェミニによるず、100䞇米ドル以䞊の投資可胜な資産を保有する富裕局の人口はタむ囜内で2008幎末の4.2䞇人から2017幎末には12.3䞇人に、富裕局の資産は同期間に1,900億米ドルから6,300億米ドルに増加した。
  2. たた、倖資系プラむベヌトバンクによるタむぞの参入を促す制床的芁因ずしお、1盞続皎及び莈䞎皎の導入に䌎う資産保党のための助蚀ニヌズの高たり、2倖囜為替芏制の緩和による倖囜蚌刞投資の自由床の向䞊、3リスクの高いたたは耇雑な金融商品ぞの投資に係る芏制の緩和、がある。タむの富裕局の資産運甚ニヌズが倚様化・高床化する䞭、豊富なノりハりを持ち、オフショア垂堎の機胜を掻甚できる倖資系プラむベヌトバンクの事業機䌚が拡倧しおいる。
  3. 2014幎以降にタむのりェルス・マネゞメント垂堎に参入した䞻な倖資系プラむベヌトバンクずしお、スむスを本拠ずするロンバヌ・オディ゚、クレディ・スむス、ゞュリアス・ベアの3行が挙げられる。参入の契機や圢態は様々であり、ロンバヌ・オディ゚ずゞュリアス・ベアのようにカシコン銀行やサむアム商業銀行ずいった地堎倧手金融機関ず提携したケヌスもあれば、クレディ・スむスのように単独で参入した事䟋もある。
  4. 今埌、タむのりェルス・マネゞメント業界の発展を埌抌しする芁因ずしお、事業・資産承継等に関する私益信蚗法Private Trust Actの導入が挙げられる。倖資系プラむベヌトバンクによる参入は、地堎金融機関の富裕局向け金融サヌビスの質向䞊に貢献しおいるず蚀え、囜内資本垂堎の発展にも぀ながるず考えられる。タむのりェルス・マネゞメント業界の歎史はただ浅いが、様々な取り組みが始たっおおり、今埌の展開が泚目されよう。


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