時流

発足から70年-投資信託の現状と課題

元 日本証券経済研究所特任リサーチフェロー 杉田 浩治

要約

1951年の証券投資信託法施行によりスタートした日本の投信は今年で満70年を迎えるが、2020年末の残高は米国の22分の1に止まっている。今後、投信が日本人の資産形成に資するためには、(1)資産運用面で投資手法の高度化と併せて日本企業の価値向上への貢献、オルタナティブ投資の検討など、(2)販売面で残高報酬重視への転換、DC・NISAを通じての「長期・積立・分散投資」の徹底的推進、そして(3)既存商品を大事にする商品政策の定着が課題となろう。また、投信会社は、ETFを(従来型ファンドとの関係において)どう位置づけていくか、資産運用のカスタマイゼイションが進む中で合同運用の投信を如何に生かしていくかを詰める必要があろう。