時流

バイデン政権の誕生は米中関係の改善のきっかけになるか
-協力的競争関係に向けて-

関 志雄

要約

2017年に米国でトランプ政権が誕生してから、貿易戦争の勃発に象徴されるように、米中関係は急速に悪化し、新冷戦の様相を呈していた。2021年1月に就任したバイデン大統領は、米国が人権や安全保障の分野において中国に対して強硬になる必要があると訴える一方、利益が共通している分野においては中国と協調する用意があると表明している。米国における政権交代は、米中の「協力的競争関係」への転換、ひいて緊張緩和のきっかけになることが期待される。