時流

ESG 評価と企業価値、企業ブランド

早稲田大学大学院 教授 根本 直子

要約

  1. コロナ危機で失業や経済格差の拡大が懸念され、また企業の持続的な成長に関心が高まる中で、環境(E)、社会(S)、企業統治(G)に注目して投資先を選ぶESG投資が拡大している。
  2. しかしESG投資の意義を支えるESG評価と企業の業績や企業価値との関係については、コンセンサスが確立しているとはいえない。
  3. ESGへの取り組みが企業価値の向上につながるのかを考察するため、ESG評価と学生の人気ランキングの関連性について分析を行ってみたところ、プラスの関係があるという結果となった。企業は環境への取り組みやダイバーシティ向上によって、良い人材を惹きつけ長期的な企業価値を高めることができる。
  4. ESGが与えるプラスの効果についてさらに分析が進み、従業員の意識が変わることが望まれる。