時流

グリーンウォッシュ問題への対応が進む
-年金基金の対応を考える-

野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング コンサルタント 高田 晴夏 

要約

環境・社会・ガバナンス(ESG)金融商品に関する虚偽または誇大な宣伝、所謂「グリーンウォッシュ問題」に対する規制が各国で進んでいる。オーストラリア証券投資委員会によるスーパーアニュエーション向けのガイダンスは、運用会社や年金基金が適切にESG金融商品の情報提供を行うための観点を整理している。アセットオーナーとしても当問題に無縁ではないことを踏まえ、我が国の年金基金も、運用を委託するファンドの選定においてグリーンウォッシュ問題に注意し、ESG投資に関する受益者向けの情報開示の充実を図っていくべきではないだろうか。