時流

サステナブルファイナンスの本質
-これからの運用会社に求められるもの-

野村アセットマネジメント 責任投資調査部長 今村 敏之

要約

近年の環境・社会・ガバナンス(ESG)投資やサステナブルファイナンスの世界的な拡大に伴い、世界各国でESG投資に関連する規制の強化が進んでいる。しかしながらESG規制を単なる規制対応として考え、その背後にある大きな狙いに気付かないと、「意思のない」投資として、顧客や社会からの信認を得られなくなるという大きな落とし穴にはまる可能性がある。
サステナブル投資は極めて国益に直結する問題でもある。我々日本の運用会社や日本企業がこの流れに乗れないということは、日本にリスクマネーを呼び込めないということを意味しており、それは結果的に日本の運用会社の衰退も意味する。そうならないために最終投資家や社会からの要請に敏感になり、運用会社自身が変化していくことが必要となる。