時流

SDGsの限界と展望

東洋大学大学院 教授 公民連携専攻長 根本 祐二

要約

新型コロナウイルス感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻により、Sustainable Development Goals(SDGs)の中の健康・平和といった目標が大きな影響を受けている。東洋大学では、2022年11月に第17回国際PPPフォーラム「SDGsの限界と展望」を開催し、SDGsを普遍的なものとするための制度的な革新や、リスク発生に備えた事前対応計画の重要性などを議論した。また、同フォーラム終了後に学生向けにアンケートを実施したところ、総じていえば、SDGsに対して肯定的であり、自分で行動したいと考える人が半数を占める一方、国家間の利害対立から実現困難とする見方も3割を占めた。また、企業・自治体による取り組みを「ファッション」と捉えている人は9割以上となった。若者はクールに捉えているとともに、大人の責任が問われていると言える。