時流

「ネット炭素税」による最適ポートフォリオの再構築とグリーンボンド

慶應義塾大学経済学部 名誉教授 吉野 直行

要約

環境問題、グリーンボンド、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資など、活発な議論が行われている。現状のグリーンボンドの定義では、資産配分の歪みを発生させる可能性を指摘し、「ネット炭素税」により資産配分の最適化がなされることを説明し、中央銀行の中立性を維持するためには、従来のような国債購入による金融調節が望ましいことを述べたい。