時流

IPCC報告書と環境ファイナンス
-求められる社会システムの変革-

国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 主任研究員 森田 香菜子

要約

2022年4月に発表され、気候変動に関する最新の科学的知見をまとめた、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書の第三作業部会(気候変動の緩和)は、気候変動の緩和策だけでなく、気候変動への適応策や持続可能な開発との関係も記述としており、世界全体の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑える努力を求める「1.5℃目標」に向けた大幅な温室効果ガス排出削減とそのための社会システム変革の必要性について記述している。本原稿では投資とファイナンス章を含めIPCC新報告書のメッセージについて紹介する。