時流

ガバナンスの一環としてのサプライチェーンマネジメント
-企業価値向上のために不可欠な経営戦略へ-

野村證券 エクイティ・リサーチ部 ESGチームヘッド 若生 寿一

要約

サプライチェーン(供給網)の効率化を目指すサプライチェーンマネジメント(SCM)は、コロナ禍と地政学的リスクの顕在化も経て、意味合いが変わってきた。SCMを通じた効率的な製品やサービスの供給はもとより、着実にScope3の温室効果ガス(GHG)削減が進められ、人権リスクへの対処もスムーズに行われることなどにより、安定した企業経営が継続できれば、企業に対する評価も高まりやすくなる。その意味では、SCMは企業価値向上のために不可欠な経営戦略と位置付けられるのではないだろうか。