野村資本市場研究所は、金融資本市場および金融機関の制度・構造・動向などを専門的に調査・研究する機関として2004年に発足し、以後、20年を超える活動を継続してきました。
野村グループが設立100周年を迎えるに際して策定したパーパス「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」の精神に則り、従来の「中立性」「専門性」「実践性」に根差した調査・研究を一層強力に推進し、豊かな社会の実現に貢献していく所存です。
内外の金融資本市場を取り巻く環境は激しく変化しています。日本では人口高齢化が着実に進行し、社会・経済構造に多大な影響を及ぼしつつあります。日本が持つ最大のリソースである約2,200兆円の家計金融資産の有効活用に向けて、年金制度改革、資産運用の高度化が重要な課題になっています。
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- 取締役社長
稲井田 洋右
また、新たな金融規制の枠組みが確立されていく中で、伝統的な金融機関によるリスクテイク能力が制約を受ける一方、従来とは異なるタイプの投資ファンド等がリスクテイカーないし流動性供給主体として台頭しています。更に、ブロックチェーンなどのテクノロジーの進展が金融資本市場にも様々な形で浸透してきており、金融サービスも変容を迫られています。
こうした構造変化を迅速かつ正確に把握・理解した上で、金融実務への影響を考察し、広く知見を共有していくことが、私たちの重要なミッションだと考えます。
加えて、野村サステナビリティ研究センターでは、世界かつ日本のサステナビリティ関連課題の解決に向けて、金融資本市場がどのように活用されるべきかといった観点で調査・研究を展開しています。
「調査の野村」の歴史は1906年の調査部の設立に遡ります。私たちも、その進取の精神を引き継ぎ、金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現していきたいと考えています。