1. 米国では、インターネットを通じて個人顧客から株式、債券、投資信託などの売買注文を集めるインターネット・ブローカーが、急速に勢力を拡大させている。
2. インターネット・ブローカーの登場は、ディスカウント・ブローカー間の激しい価格競争を引き起こした。最近では、フィデリティ、クイック・アンド・ライリーといった大手業者が積極的に手数料を引き下げており、その水準は、格安手数料で有名になったEトレードに並ぶまでになっている。この結果、引き下げ競争の火蓋を切ったチャールズ・シュワブのeシュワブの手数料の高さが目立っている。また、大手の引き下げ攻勢に対抗して取引1件当たり8ドルという超格安手数料を打ち出したアメリトレードのような動きもある。
3. 手数料の安さ以外に、(1)システムの使い勝手や信頼性、(2)提供する情報、(3)新規公開株の販売、(4)外国語ページや航空会社カードとの連携といった付加的サービスなど、様々な局面での競争が展開されている。
4. インターネット取引の定着とともに、大手証券会社や銀行が、インターネット・ブローカーを買収するなどして、インターネット取引を自らの経営戦略の一環として位置づけようとする動きが本格化している。
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