1. 米国では、SEC規則に基づき、株主提案が総会議題となるには高いハードルがある。株主提案できる内容については我が国よりはるかに厳格だが、実際の行使件数をみると、圧倒的に米国が多い。
2. 92年に、会社の雇用問題に関する株主提案を除外することを認めたSECのノー・アクション・レターに関して、その株主である公的年金が訴訟を提起したことが大きな反響を呼び、それが株主アクティビズムの高まりに呼応し、同SEC規則の見直しが行われることとなった。
3. SECは、98年5月に、株主提案に関して、その範囲を拡げ、わかりやすいQ&A方式を採用するなどのSEC規則を改正した。
4. 我が国では、一部の企業では、法令遵守のための倫理規定の策定、執行役員制の導入など、自発的にマネジメントへのガバナンスの取り組みが進められつつある。一方、株主サイドでは、ガバナンス活動について意識は高まっているものの、まだはっきりとした羅針盤を持ち得ていないようである。近年増加傾向にある株主提案権の行使など、株主アクティビズムの萌芽を育む土壌の整地こそ重要である。
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