1. 現在、わが国では銀行の「貸し渋り」が問題となっている。本来ならば、コマーシャル・ペーパー(CP)のような直接金融商品が間接金融を補完すべきである。
2. わが国CP市場は、87年の創設以来、償還期間や発行適格企業の拡大といった措置がとられたにも関わらず、その後、発展は頭打ちとなっている。その規模は米国の10分の1、また、国内の他の短期金融商品(コール、CD、債券現先)と比較しても見劣りする。
3. CPの発行の約8割が銀行を通したものであり、さらに残高の半分以上が銀行自ら保有されている。CPについては直接金融と言うよりも、むしろ間接金融の延長線上にあるといえる。
4. 来年度からは販売人を通さない、ダイレクト・ペーパーの発行が解禁される。また、ビッグバンにより投資信託などのCPの潜在的な投資家の拡大も期待される。
5. ペーパーレス化や印紙税の撤廃といった事務コストの削減や、オンライン・システムの導入による決済システムの整備などを同時に進め、CPを真の意味での直接商品として育てていくことが必要であろう。
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