1. 1999年2月のボン-G7では、国際金融システム強化に関連してヘッジファンド問題が議論され、米国が主張する銀行に対するリスク管理強化を通じた間接規制強化と「金融安定フォーラム」を早ければ同年4月に開催することで合意した。
2. この合意までの米国内論議に眼を向ければ、FRB、SEC等のリスク管理強化路線の一方で、CFTCはOTCデリバティブとヘッジファンドに対する規制強化の立場にあり、米国金融当局間の足並みが乱れていたのも事実であった。
3. バーゼル銀行監督委員会はこうした、米国のリスク管理強化路線の影響を受けて、「ヘッジファンドを特定できない」ことを前提とする報告書「銀行と、レバレッジの高い業務を行う機関との取引」を提言する。この報告書のなかで、銀行のリスク管理強化を通じた間接規制が望ましいとしたのである。
4. ヘッジファンド規制問題は、今後、銀行に対するリスク管理強化を通じた間接規制を中心にしながら、1999年6月に予定されているケルン・サミットに向けて論議が継続されることなり、その動向が注目される。
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