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資本市場クォータリー 2000年秋号
市場間競争と証券取引所のあり方
大崎 貞和
要約
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最近、株式市場や債券市場、先物市場を運営する取引所が、一般の事業会社のように買収・合併や提携を模索したり、競うように新分野へ進出したりする動きが、世界各地で激化している。「市場間戦争」という表現がさほど大袈裟でもないほどにまで、市場間競争が激化しているのである。

市場間競争の激化という世界的な流れの中で、際だっている現象の一つが、伝統的な会員制取引所とは異なる形態をとる私設電子取引システム(PTS)の台頭と会員制取引所による公開株式会社化の動きである。わが国においても、東京証券取引所が、株式会社形態への転換の可能性をも視野に入れた検討を開始している。

しかし、東証の株式会社化は、(1)短期的な利益の拡大を目的とした場口銭や情報料の引き上げ、(2)自主規制機能の低下と市場の質への影響、(3)発展途上国への知的支援などの国際交流機能の低下、といった弊害につながることが予想される。また、株式会社化のメリットとして一般的に指摘されているような効果は、他の手段によっても達成可能である。証券会社間の競争が激化する中で、会員制の取引所といえども投資家の声を無視した経営はできない。しかも、仮に株式会社化しても、法律の規定で取引所に対するTOBが不可能となっているなど、経営効率の向上には限界がある。もともと東証は、直接的な競争の脅威にさらされているわけでもない。

わが国の証券取引所に求められているのは、欧米の取引所間の合従連衡や表面的な変化ばかりにいたずらに目を奪われることなく、大局的見地に立つ市場振興策を着実に実行に移していくことである。証券取引所、とりわけわが国最大、最高の市場を運営する取引所である東京証券取引所が、目先の利益のみにとらわれざるを得ないPTS等には期待できない、公益的な立場からの見識を発揮することが、今こそ期待されている。

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