1. 自治体が管理・運用する公金には、大きく分けて「歳計現金」と「基金の積立金」がある。前者は決済性の高い資金であり運用制約も多いが、後者は計画的に運用することが可能であり、歳計現金よりは多様な運用手法を選択できる。
2. ペイオフ解禁を目前に控えて自治体の公金運用の見直しが行われている。一部の自治体では、銀行預金のみの運用から国債などの債券を組み入れた運用を開始している。
3. しかし、債券運用には預貯金での運用とは異なるノウハウが必要であり、効率的に運用するにはそれなりの資金規模も求められることから、小規模の自治体が単独でその体制を整えるのは厳しいと思われる。
4. 実際、減債基金の積立金の運用状況をみると、大都市では有価証券への投資が20%を超えているのに対し、町村では0.1%未満であり、その差は歴然としている。
5. 本レポートでは、小規模自治体が効率的な運用を行うためには、複数の自治体の資金を合同で運用することを提案する。現行法の下では、(1)一部事務組合を設立、(2)私募投信の利用、(3)投資一任会社の合同運用の利用、などが合同運用を可能にする方法と思われる。
|