1. 2001年10月29日、ロンドン国際金融先物取引所(以下LIFFE)は、ユーロネクストからの買収提案を受け入れることを発表した。LIFFEは、ユーロネクストに加え、ロンドン証券取引所とドイツ取引所から買収提案を受けていた。ユーロネクストは、LIFFEの発行済み株式を1株当たり18.25ポンドで、全額現金で買い取る。
2. ユーロネクストとLIFFEを合わせると、ユーレックスと並ぶ世界最大規模の派生商品取引所となる。派生商品取引所として単独での生き残りは難しいと考えていたLIFFEと、派生商品取引の強化や、ロンドンでのプレゼンスの拡大を望むユーロネクストの狙いが合致した。また、ユーロネクストにとっては、ロンドン証券取引所によるLIFFE買収を阻止するということも、重要な狙いだったと思われる。
3. ロンドン証券取引所は、3者の中で一番先にLIFFEに買収を提案し、一部株式交換を含む条件だったものの、時価で換算すればユーロネクストよりも高い買収価格を提示していただけに、LIFFEがユーロネクストを選んだことは、堂取引所にとって大きなショックだった。派生商品取引の取扱いに加え、取引システムの販売など、業務範囲を広げるチャンスを失い、ロンドン証券取引所の取りうる戦略の選択肢は大幅に狭まった。
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