1. 2003年3月14日、「証券取引等の一部を改正する法律案」が国会に提出された。この法案は、2002年8月に金融庁が発表した「証券市場の改革促進プログラム」を受け、金融審議会における議論を経て取りまとめられたものである。
2. 法案の内容は、二つに大別される。第一は、証券仲介業制度の導入、協同組織金融機関による有価証券売買の書面取り次ぎ業務の解禁など、証券業規制に係わる改正である。その狙いは、投資家が証券取引を行うことのできる店舗の拡充、多様化を図り、証券投資の拡大を促進することである。
3. 第二は、証券取引所を支配する取引所持株会社制度の導入、国内証券取引所による在外端末設置や海外取引所による国内端末設置の解禁など、取引所規制に係わる改正である。その狙いは、グローバルな市場間競争の展開に対応することである。
4. 改正案の狙いは理解できるが、金融機関による証券仲介業務を認めていないことや取引所及び取引所持株会社の過半数の株式保有を禁止していることなど、疑問点もある。また、今回の改正が、直接的に市場活性化へとつながるかどうかは、不透明な部分も多い。
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