1. 米国有力銀行バンク・オブ・ニューヨークは、さる1月8日、現在クレディ・スイス・ファースト・ボストン傘下にある最有力証券バックオフィス業務代行サービス会社パーシングを買収することを発表した。
2. 買収費用は20億ドルであり、パーシングの業績次第によっては最大50百万ドルが追加される予定。本件買収により同行は、従来から強みを有する米国債決済業務やカストディ業務に加え、株式決済業務でも業界トップに躍進することになり、名実ともにトップ・クリアリング・バンクとしての地位を築くことになる。
3. 本件は、有力クリアリング・ファーム同士のM&Aとしては初のものであり、業界勢力地図を大きく塗り替えるエポック・メーキングなものである。対抗上の見地から、同業有力他社のこれに追随した再編の動きが今後出てくる可能性がある。
4. 米国においては、クリアリング・ファームは規模の利益の追求、及びサービス・プロダクトの強化を意図してM&Aによる勢力拡大を図ってきているが、足許では、将来のSTP化、T+1化に関する多大なシステムコスト負担を巡って、大手証券会社がコスト回収のため決済代行業務へ進出する可能性を探っているとの話もあり、今後の更なる業界再編に向けた各社の動向が注目される。
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