1. 米国で、企業グループ内における個人信用情報の共有に関連した連邦法が2003年末に強化され、最近、同法に基づく規則案が公表された。わが国では「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」の施行が2005年4月に迫り、現在ガイドラインの整備が進められているところであり、金融・信用情報分野の規制面で先行している米国の動向は注目される。
2. 米国の金融・信用情報保護に関する連邦法には、公正信用報告法(FCRA)、金融制度改革法(GLBA)、FCRAの改正法(FACTA)がある。FACTAでは、系列会社間で共有した個人信用情報をマーケティングに利用する場合に、情報の主体である個人に拒否権(オプト・アウト権)を付与することが義務づけられた。
3. 金融規制当局から公表されたFACTAに基づく規則案では、系列会社に情報を提供した会社側に通知やオプト・アウト権の付与義務を課すことや、金融グループ内での間接的な情報共有(コンストラクティブ・シェアリング)に新規則を適用すること等が提案された。金融グループ内で共有した情報をマーケティングに利用することに対して個人が拒否の意思表示を行うことができる制度が整備されつつある。
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