2004年2月24日、米国の証券取引委員会(SEC)は、全国市場システム(NMS)を構成する株式市場規制に関する新規則レギュレーションNMSの提案を決定した。新規則案には、同じ銘柄が複数の取引所やECNで取引されている場合に、最良気配が提示されている市場以外で注文を執行する「トレード・スルー」と呼ばれる行為の禁止規制を緩和することなどが盛り込まれている。おりからわが国では、上場銘柄に関する取引所取引原則の撤廃や証券会社に対する最良執行義務の導入などを柱とする市場規制の見直しが進められている。米国の新規則案は、米国株式市場に大きな構造変化をもたらす可能性を秘めているばかりでなく、わが国における最良執行義務の導入を始めとする制度改革の検討に対しても示唆に富んでいる。
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