1. 2004年6月25日、中国の深セン取引所で中小企業を対象とした新たな市場(中小企業板)の取引が開始された。2000年にベンチャー市場構想が頓挫し、深セン取引所への新規上場が停止されてから実に3年越しの構想実現である。
2. 今回導入されたのは、ベンチャー市場創設へ向けた第一弾で、メインボード内に新しい区分を設けるというものである。適用される法規制や上場基準などはメインボードと同じである。将来的には、上場基準の引き下げ、最終的には市場としての独立が目指されている。
3. 中小企業株投資のリスクを考慮し、メインボードと異なる制度も導入されている。価格変動に留意した取引の仕組みや、取引の透明性の確保、企業のディスクロージャーの強化などである。
4. 中小企業板の成否は深セン証券取引所の今後の行く末を決定付ける重要な政策である。また、中小企業板は、中国の証券市場がこれまでの国有企業中心ではなく、今後の中国経済を支えていく民間企業や成長企業にとっての市場に脱皮できるのかが試される場であるともいえる。
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