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資本市場クォータリー 2010年冬号
金融規制強化の流れの中で注目を集める新たなコンティンジェント・キャピタルの発行
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三宅 裕樹
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- 2009年11月に、英国のロイズ・バンキング・グループがココ・ボンドを発行するとの方針を示したことが注目を集めている。ココ・ボンドとは、自己資本比率の水準が一定水準を下回るなど、一定の条件(トリガー条項)が満たされると自動的に、もしくは発行体の選択に基づいて、発行体の資本に転換されるというコンティンジェント・キャピタルの一種で、債券として発行されるものを指す。
- ココ・ボンド、あるいはコンティンジェント・キャピタルに対しては、金融規制の新たな政策手段として期待する声がある。そこでは、(1)金融機関にとっては比較的低いコストでの資金調達手段と考えられるとともに、(2)財務状態が悪化した際の自己資本の増強手段が確保できること、また、(3)規制当局にとっては公的資金を活用した支援を行う可能性を抑えつつ、金融システムの安定化を図れること、といった利点が注目されている。
- 他方、ココ・ボンドの抱える課題を指摘する見解もみられる。その第一のポイントは、トリガー条項をどのように設定すればよいのか、あるいはココ・ボンドの普通株式などへの転換による発行済み株式の希薄化の懸念が高まると、株価のさらなる下落が生じかねないといったことを踏まえれば、果たして本当にココ・ボンドは金融システムの安定化につながるのか、という点である。第二は、ココ・ボンドは十分な投資家を引き付けることが可能なのか、という点である。
- ココ・ボンドは、英国で実際に発行され、そして米国では新たな金融規制の枠組みの中に導入しようという動きが具体的に進展しつつある。今後、ココ・ボンドが資本市場における位置づけを高めていくことになるのか、注目される。
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