2014年に、わが国経済がデフレから脱却する可能性が高まっている。大変喜ばしいことで、これを持続的な経済成長に続けていくことが重要だが、多くの識者が指摘するように、アベノミクス第1の矢と第2の矢の効果だけでは、成長は持続可能なものにはならない。金融緩和のもたらす円安効果による企業業績の改善と、公共事業の追加による需要の下支えだけでは、外部環境が変化すればたちまち経済は失速する。また、現在一息ついているのは、円安の恩恵を受ける重厚長大産業で、この復活自体は良いことではあるが、わが国の経済構造や企業行動が変わらなければいずれ息切れする。そこで、いかに将来の経済成長に向けた種をまくか、時間との戦いといえよう。