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野村資本市場クォータリー 2016年秋号
社債権者補佐人制度の概要と意義
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佐藤 淳
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- 日本証券業協会の「社債市場の活性化に向けたインフラ整備に関するワーキング・グループ」は、2016年8月、報告書「社債権者補佐人制度に係る社債要項及び業務委託契約について」を公表した。この報告書おいて、社債権者保護の新たな担い手である「社債権者補佐人」制度の普及・利用促進に向けた具体的な規定案が提示されている。
- 新制度の目的は、信用リスクが相対的に大きい企業の社債発行及び投資家の裾野拡大に向けた環境整備のための社債権者保護の充実である。日本の低格付社債の発行市場は未発達であり、その主な要因は間接金融のコスト優位と推察されるが、今後の市場拡大のために必要条件となるのが社債権者保護の充実である。
- 戦後の日本において社債のデフォルト事例は限定的であったが、グローバル金融危機による経済環境悪化を受けてデフォルト案件が散見されるようになった。社債権者保護に対する市場参加者の関心は高まり、特にデフォルト後の債権保全・回収に関するサポートに対する投資家のニーズが聞かれるようになった。
- 日本における社債権者保護の役割は、会社法に規定される社債管理者が担っているが、社債管理者は、その権限及び責任の範囲が不明確であり、過大な責任を負わされる可能性があることから制度の運営が難しくなっているとの見方がある。これを踏まえ、限定された責任の範囲で実行可能な社債権者保護の担い手を設定することが、社債権者補佐人制度の基本的な考え方である。
- 社債権者補佐人制度は、低格付社債市場の活性化に向けて、社債発行関係者が新たな市場慣行を形成する取り組みの一歩である。
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