1. FRBは、8月22日、銀行持ち株会社の傘下にある銀行と証券会社(セクション20子会社)との間のファイヤーウォールを大部分撤廃することを決定した。FRBは既に今年1月、ファイヤーウォール緩和提案を公表しており、1月の提案内容をほぼ踏襲する形で、今回の最終決定に至っている。残されたファイヤーウォールは、8つの新業務基準に移行され、10月27日より施行される。
2. 1987年と89年にファイヤーウォールが導入された後、連邦準備法23A、23B条などをはじめ、銀行と関連会社との取引を規制する法律が整備されたため、FRBは、ファイヤーウォールを撤廃しても、証券の引き受けやディーリングに伴うリスクを管理することは可能と判断したのが、ファイヤーウォール撤廃の背景にある。
3. ファイヤーウォール撤廃で注目されるのは、1)銀行のセクション20子会社の取引先に対する信用供与、2)銀行のセクション20子会社に対する信用供与、3)銀行とセクション20子会社との間での顧客の非公開情報の共有が可能になり、4)銀行とセクション20子会社との店舗分離規制が撤廃されたことである。
4. ファイヤーウォールの撤廃により、銀行とセクション20子会社との関係は、連邦準備法23A条、23B条に服する関連会社と基本的に同じ扱いとなったといえよう。
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