1. わが国の証券市場は、取引の多くの部分を人手や紙に頼っており、電子的なネットワークによる証券取引が相当程度普及した欧米の市場に比べ、著しく後進的な姿となっている。
2. しかし最近、ビッグバンの進展により、ようやくわが国においても証券取引の電子化が活発化している。この場合、各参加者が個々ばらばらに各種のシステムを導入しても、相互の接続性が確保されず、取引電子化の恩恵は限定的なものとなってしまう。
3. 欧米では、昨今、各種のネットワーク間のコネクティビティを確保し、STPを実現させるために、FIXやISITCなど、プロトコル統一の動きが活発化している。97年11月には、グローバルなSTPを推進するために、GSTPC構想が打ち出されている。
4. わが国においても、ほとんど未発達の状態から電子化を進める上では、最初から欧米のSTPに向けての動きを先取りしたJSTPCとも言うべき統一的構想を打ち出し、これを実現させていくことが望まれる。この実現を円滑化する上では、民間のイニシャティブと公的なサポートが、それぞれ適切に発揮される必要がある。
|