1. ベンチャー企業育成、既存企業のリストラ、不良債権の処理といった、我が国経済が抱える主要な問題の解決には、ベンチャー・キャピタル、バイアウト・ファンド、破綻証券ファンドなど、プライベート・エクイティ市場の発達が不可欠である。
2. ベンチャー・キャピタルは、従来よりそんざいしたが、有限責任性やディスクロージャーの問題から、年金基金など機関投資家の投資は不活発であった。この点は、98年11月、投資事業有限責任組合法が施行され、改善に向かうことが期待される。
3. バイアウト・ファンドや破綻証券ファンドの活動も、一部で具体化してきた。
4. ただし、ファンド運営者が投資先企業の経営にコミットし、投資価値を高めていくという、欧米流のプライベート・エクイティファンドの機能が、日本で十分発揮されていくかどうか、今後の課題と言える。
5. 昨今、我が国の企業、投資家、ファンドによる欧米プライベート・エクイティ市場の活用が活発化している。欧米ファンドの日本進出や、欧米投資家の対日プライベート・エクイティ投資も見られ始めた。こうした動きを通じて、我が国のプライベート・エクイティ市場が、欧米流の良い点を取り入れ、発展していくことが期待される。
|