1. ブローカリッジ手数料の完全自由化、場外取引のスタート、店頭市場改革などにより、我が国の株式市場は歴史的な変化の時を迎えている。
2. 我が国のアセット・マネジメント会社においては、このような株式市場の大きな環境変化への対応とともに、受託者責任重視の要請が強まっている。
3. 米国においても、受託者責任意識が高まるなかで、手数料自由化が実現したが、この結果、アセット・マネジメント会社は、インプリシット・コストを含めた取引コストを把握し、これを削減していく努力を本格化させた。
4. このようなニーズを背景に、米国では、伝統的な取引所以外の市場の成立、トレーディング・システムの強化、執行評価の活発化などが生じてきた。取引システムは、近年さらに自動化、高度化が進んでいる。
5. 場外取引への取り組みや最良執行を巡る関心の高まり、取引電子化への動きの活発化を見ると、各種の試行錯誤はあるものの、我が国でも、大きな流れとしては、米国同様の変化が進展していくものと見られる。
|