1. 99年半ば以降、米国では、株式委託手数料を割引くディスカウント・ブローカーの牙城であったインターネット取引市場に、フルサービス証券会社が参入した。フルサービス証券会社はいずれも、残高手数料制口座にオンライン取引を盛込む形態と取った。ただし、メリル・リンチとモルガン・スタンレー・ディーン・ウィッターは、オンライン専用のディスカウント口座も合わせて導入した。
2. フルサービス証券会社によるオンライン取引の導入は、新規顧客層の開拓よりも、むしろ伝統的顧客向けのサービスを充実させる手段として捉えられている。実際、メリル・リンチの実績によれば、残高手数料制口座の顧客の大半は、既存顧客である。同口座は資産管理型営業の推進に、大いに貢献した。
3. オンライン専用口座を導入したフルサービス証券会社は、同口座の競争力を高めるために、広告や店舗戦略等において、ディスカウント・ブローカレッジの営業手法も取り込み始めている。
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