1. 2002年9月26日、フランクフルト証券取引所などを運営するドイツ取引所は、ベンチャー企業向け株式市場「ノイア・マルクト」の廃止を含む、全面的な市場改革を行う方針を発表した。ノイア・マルクトは遅くとも2003年末までに廃止し、フランクフルト証券取引所は、「プライム・スタンダード」、「ドメスティック・スタンダード」の2つの市場セグメントで構成されることになる。
2. 「プライム・スタンダード」と「ドメスティック・スタンダード」の2つの市場セグメントの違いは、企業による情報開示の充実度の違いによるものであって、企業の規模や成熟度の違いとは無関係である。「プライム・スタンダード」に属する企業は、四半期開示、少なくとも1年に1度のアナリスト・ミーティングの実施、英語での情報開示など様々な項目を充たさなければならない。
3. フランクフルト証券取引所を代表する株価指数は、ダックス指数を含め、今後すべて「プライム・スタンダード」の企業で構成されることになる。ドイツ取引所は、プライム・スタンダードの中に、従来のノイア・マルクト指数(Nemax指数)にとってかわるものとして、テクノロジー・セグメント指数の導入を検討している。しかしながら、ドイツ取引所の市場改革は、開示情報の充実ばかりに目がいき、肝心のベンチャー企業育成という視点が欠けているような気がしてならない。
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