1. 2004年8月5日、SECは、GPRA(政府業績評価法)に基づき、2004年から2009年に向けてのストラテジック・プランを公表した。エンロン事件や投信不正問題等の一連の問題の発生や、ニューヨーク州司法長官の積極的な証券不祥事摘発姿勢が目立つなかで、SECがどのような中期プランを掲げるのか、注目された。
2. 今回のストラテジック・プランでは、予防型行政という新たな考え方が打ち出されていること、及びIT戦略が重視されている点が注目される。
3. 予防型行政とは、問題が生じてから関係者を摘発し、罰するというよりも、そもそも問題が生じる芽を摘むことを重視しようという発想である。この行政手法を実践するため、新たにリスクアセスメント室が設置された。
4. IT戦略では、XBRLのようなタグ付きのコンピュータ言語の活用、業者のデータへの広範な電子的アクセスの確立、内部の業務効率化のための文書管理やワークフロー管理のシステムの導入などが掲げられている。
|