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資本市場クォータリー 2006年秋号
自助努力を促す中国の年金制度改革
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関根 栄一
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- 中国では、国有企業改革や急速に進む少子高齢化により、過去の年金債務の取り扱いや新規に発生する多額の年金債務の問題が顕在化しており、近年、抜本的な年金制度改革が進められてきている。
- 年金制度改革の基本思想は、企業と個人の自助努力の促進である。基礎年金に相当する基本養老保険へポータビリティのある個人口座を採用し、2004年から本格的に導入された新しい企業年金は、当初から確定拠出型で運営される仕組みとなっている。また、社会保障制度改革に伴って今後発生する財政負担を補うために、全国社会保障基金というセーフティネットが設けられ、国家財政から注入された資金の内外資本市場を活用した運用が開始されつつある。
- 個人口座の流用、全国で未だ不統一な改革の進展といった問題はあるものの、中国で進められている年金制度改革は、中国で事業展開する企業はもとより、中国の資金（チャイナ・マネー）が内外資本市場にもたらす影響を考えて、内外の金融機関や市場関係者からも大きな注目を集めている。
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