野村資本市場研究所｜米国発金融危機の中国の株式市場への影響

9月中旬に、米国の大手証券会社リーマン・ブラザーズが倒産し、米国発の金融危機が深まる中で、中国の株式市場は他の主要市場とともに急落した。金融の安定のために、中国当局は素早く利下げと預金準備比率の引き下げを組み合わせた金融緩和や、印紙税の減免をはじめとする株価梃入れ策を実施した。
最近の大幅調整を経て、中国の株価は、企業の収益といった、市場の基礎的条件から判断して、すでに大幅に割安な水準まで低下している。株の中長期の保有を前提とすれば、その投資価値はむしろ増している。
中国の景気は当面、悪化傾向が続くが、今後も更なる金融緩和と株価梃入れ策の実施が予想され、これらの対策は株価の下支えとなろう。