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野村資本市場クォータリー 2011年冬号
アジア各国との連携を強化する韓国取引所−ラオス証券取引所設立にも関与−
林 宏美
要約
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  1. 韓国取引所(KRX)がアジア各国の証券取引所と連携する動きが目立っている。2011年1月11日に取引を開始したラオス証券取引所をはじめ、2011年にも設立が見込まれているカンボジア証券取引所に関しても、共同で証券取引所を設立し、かつ運営に関与することで合意している。KRXはまた、KOSCOMが開発した自前のITシステムを海外の証券取引所に輸出する動きも加速させている。KRXが2005年以降、自前のITシステムを海外向けに売り込む動きに出た結果、同ITシステムを利用する証券取引所は、東南アジアにとどまらず、ラテン・アメリカや中央アジアにまで広がっている。
  2. KRXがITシステムの海外への輸出やアジアの証券取引所設立への関与を積極化している背景には、KRXが掲げるグローバリゼーション・プロジェクトがある。KRXのキム・ボンス会長兼CEOは、韓国が金融ハブになるという韓国政府の計画の下、北部アジアにおけるベストな資本市場を目指す向こう10年間、KRXにとってグローバル化が鍵を握る、と述べている。
  3. KRXがITシステムの輸出、証券取引所の設立・運営への関与を進めることで、韓国仕様の株式市場がアジアのデファクト・スタンダードになりうる素地が整えられることにつながる。こうした動きは、海外企業のKRXへの上場が容易になるほか、韓国に拠点を置く証券会社などが、KRXが連携する取引所につなぐブローカレッジを行いやすい面もあることから、今後の展開が注目される。

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