野村資本市場研究所｜域外適用をめぐり混乱が続く店頭デリバティブ規制

米国の商品先物取引委員会（CFTC）は2013年7月12日、店頭デリバティブの国際取引を規制するためのガイダンス（域外適用ガイダンス）と、その適用を時限的に免除する指令を公表した。
域外適用について、（1）厳格な規制の導入を図るCFTCが他の当局と歩調を合わせられず、度重なる適用の延期や規制内容の緩和を行ったこと、（2）依然として規制内容に差異が存在すること、（3）海外当局との連携も進まず、規制が重複していることが指摘できる。
対応すべき事項と時期が予見できず市場に混乱が見られたため、CFTCは規制が同等と認めた地域において一部の規制を現地当局に委ね、規制の適用も2013年10月まで延期した。しかし、移行期間が短く、内容に曖昧な部分が残り、同等性評価の過程も不明確と批判されている。
今後の注目点として、市場参加者の対応状況やコメントを踏まえた規制の修正、CFTCが同等性評価で認める範囲、米国内のCFTCとSECの連携が挙げられる。その行方に注目するとともに、我が国規制当局や金融機関には積極的に規制適用に関する国際協議に加わることを期待したい。