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野村資本市場クォータリー 2014年秋号
フランスにみる協同組合金融機関改革 −クレディ・アグリコルの事例−
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神山 哲也
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- 日本では、農林漁業の成長産業化が重要な政策課題となっており、その中で農業協同組合等の系統組織における金融事業のあり方が論点の一つとなっている。そこで、フランスに目を転じると、協同組合組織が銀行業界で中核的な役割を担っている。本稿では、その最大手であるクレディ・アグリコルの組織や金融サービス、改革の経緯を概観する。
- クレディ・アグリコル・グループは、クレディ・アグリコルS.A.を上場持株会社とし、フランス国内各地で総合金融サービスを提供する39の地域金庫が上場持株会社を50%超保有する一方、上場持株会社は地域金庫を25%ほど保有する。また、地域金庫で販売される金融商品については、地域金庫ネットワークとは別に上場持株会社が保有する保険・証券・運用会社が製造する体制となっている。
- クレディ・アグリコルは元々、公的資金を農業従事者へ供給する役割を担っていたが、1900年代半ばから対象顧客・組合員を拡大し、現在では顧客・組合員に係る制約はない。実際、融資でも住宅ローンが農家向けを上回って主力となっている。また、2001年には株式会社化・上場を果たし、クレディ・リヨネの買収などを経て、グローバルな金融コングロマリットとなっている。
- グループ内では、クレディ・アグリコルS.A.を中心とするリスク管理態勢が構築されている。まず、地域金庫が集めた資金については、一部地域金庫の裁量による運用を認めつつ、大部分はクレディ・アグリコルS.A.で集中管理することとなっている。また、「スイッチ・メカニズム」の下、クレディ・アグリコルS.A.の地域金庫持分の価値下落を地域金庫が保証することにより、自己資本規制等への対応を図っている。
- クレディ・アグリコルの近年の歩みは、グローバル金融コングロマリットの路線を追求しつつ、地域金庫については、従来の仕組みを極力維持することを基本戦略としてきたと言えよう。クレディ・アグリコルが試行錯誤してきた協同組合金融機関における一体的事業運営のあり方は、日本の農協改革論議においても、参考になるところがあろう。
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