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野村資本市場クォータリー 2017年夏号
アジアのソブリン・ウェルス・ファンドの投資戦略の変化と影響
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富永 健司
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- 各国の中央銀行や政府が管理・運用するソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)の運用資産残高は2016年3月時点で約6.5兆ドルとなった。運用資産残高の成長は徐々に緩やかになっているが、グローバル金融市場に大きな影響を与える規模になったと言えよう。昨今、シンガポール、マレーシア、韓国におけるSWFは、グローバルな地域分散投資や、プライベート・エクイティ(PE)等の代替資産へと資金を振り向けるなど、アセット・アロケーションの変更を行っている。
- 例えば、シンガポールのテマセク・ホールディングスは、情報技術分野等におけるPE投資を活発化させている。特に中国における企業の成長を取り込んでいくという投資姿勢が見て取れる。シンガポール政府投資公社は、リスク資産の運用の中心だった先進国株式の割合を低下させ、新興国株式投資や情報技術分野への投資等を進めている。マレーシアのカザナ・ナショナルは、運用資産の成長の源となっていた政府系企業が成熟するに従い、今後の成長の源泉を、より若い企業に求めて資金を配分している。韓国投資公社は、伝統的資産の収益率の低下に伴い、代替資産投資を拡大しており、ポートフォリオにおける同資産の割合を、2020年までに現在の12.4%から20%へと高める方針を掲げている。
- これらのSWFがアセット・アロケーションの変更を行う際、多くの場合、伝統的資産の売却により資金確保が行われていると見られる。資産の入替等による資産売却が大規模なものになる場合には、金融市場にも影響する可能性がある。原油価格の下落が産油国のSWFの資産売却につながった2014〜15年に続き、2016年以降もこうしたSWFによる資産入替の動きは継続しており、金融市場への影響が注目されよう。
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