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野村資本市場クォータリー 2018年春号
モバイル決済のイノベーションとキャッシュレス化の展望
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淵田 康之
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- 本年、わが国では、改正銀行法や改正割賦販売法が施行されるなど、キャッシュレス化に寄与する環境整備が進展する。スマホを使った個人間送金やQRコード決済の仕組みなども、各種登場しつつある。
- モバイル決済は、既存の決済手法に比べ、消費者にも、商店にも様々なメリットがある。しかしクレジットカードや銀行口座が既に一定程度普及している国では、モバイル決済が登場しても、人々の決済慣行は簡単には変化せず、必ずしも順調に普及するとは限らない。モバイル決済が普及しつつある国では、政府や銀行界などによる組織的な普及努力を通じ、コスト削減や付加価値向上が図られている。
- 北欧、英国、米国などに続き、最近は東南アジア諸国でも、モバイル決済の普及に向けた組織的取組みが展開されている。シンガポールのリー首相は、同国のキャッシュレス化が中国に比べて遅れてしまった原因として、あまりに多くの電子決済の仕組みやシステムがあるため、利用者には不便で、商店にはコスト高となっている点を指摘した。同国は、共通決済端末やモバイル決済用の統一QRコードの開発を既に終え、その導入を積極化させつつある。タイやインドネシアでも、同様の動きがあるほか、台湾では、政府主導のモバイルQRコード決済サービスがスタートした。
- 東南アジアの最近の事例を含め、世界の多くの国では、モバイル個人間送金と、そのモバイルQRコード決済への応用がキャッシュレス化に寄与している。しかしわが国のキャッシュレス化政策では、伝統的なクレジットカード決済の普及に焦点を当てた施策が目立つ。モバイル送金・決済分野の各種の統一化や標準化、新たな決済インフラやガバナンス機関の構築といった、組織的な普及努力も図られていない。このままでは、世界のキャッシュレス化の潮流から取り残されることとなろう。
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