1. 米国では、2005年3月から5月にかけて、MMFを除く株式・債券投資信託の運用会社最大手の順位が逆転した。長年1位を維持してきたフィデリティが3位に転落し、キャピタル・リサーチが1位、バンガードが2位となった。
2. キャピタル・リサーチは、アクティブ・ファンドの提供を中心とする会社で、販売業者経由のチャネルに徹している点などが飛躍の背景として指摘されている。また、バンガードは、オープンエンド型のインデックス・ファンドで有名な会社で、近年のパッシブ運用に対する人気の恩恵を享受してきたと言える。
3. 一方、フィデリティをめぐっては、ここ数年の職域ビジネスに対する注力が目を惹く。米国1位の確定拠出型年金サービスを中核に、人事・福利厚生制度の管理業務を幅広く企業に提供するアウトソーシング・ビジネスに本格参入している。
4. このように個性豊かな運用会社がトップ3に君臨しているのが米国投信業界である。今回の順位逆転は、それぞれが自らの戦略を追求する中で起きた一つの現象と言えよう。
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