野村資本市場研究所｜米国財務省が公表した金融規制改革のフレームワーク

2009年3月26日、米国財務省は、今後取り組んでいく包括的金融規制改革の4つの要素として、システミックリスクへの対応、消費者･投資家保護、規制におけるギャップ（隙間）の解消、国際協調をあげ、第一弾のフォーカスとして「システミックリスクへの対応」に関するフレームワークを発表した。
具体的な柱は、(1)システム上重要な金融機関と重要な支払・決済システムの規制機関、(2)自己資本・リスクマネジメント基準、(3)ヘッジファンドなどの登録制、(4)OTC デリバティブ市場の監督・保護・情報開示、(5)MMF（マネーマーケットファンド）の大量解約請求リスクを低減する措置、そして(6)大型複合金融機関の破綻処理メカニズムである。
システミックリスク規制の対象として、金融機関だけでなく、決済システムに重大な影響を持つ金融市場を含めるとしたこと、システム上重要な金融機関に関する破綻処理権限の法制化を図るとしたことなどが注目される。
一方で、システム上重要な金融機関の定義、「システミックリスクレギュレーター」を誰にするのか、OTCデリバティブ市場の規制の妥当性・具体的内容など課題も多い。