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資本市場クォータリー 2009年冬号
証券化市場の信頼回復のための欧米の取り組み
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小立 敬
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- サブプライム問題の影響からグローバルの証券化商品の発行額が大幅に減少しており、証券化市場は機能不全に陥っている。金融危機の影響を受けて投資家がリスクテイク能力を失ったことに加えて、大幅に価値を毀損した証券化商品に対する投資家の信用が失墜したことが影響している。
- その根本的な原因は、原資産であるサブプライム・ローンのオリジネーションと証券化商品の格付けのモデル・エラーにある。一方、「オリジネート・トゥ・ディストリビュート」と呼ばれる証券化モデルには、様々なインセンティブ問題が生じていたことが窺われるが、そのことが直ちに証券化の意義を否定するものではない。
- こうした中、欧米の証券化市場における信頼回復の取り組みとして、米国の証券業金融市場協会、全米証券化フォーラム、欧州証券化フォーラム、オーストラリア証券化フォーラムによる証券化市場の信頼回復のためのグローバル・ジョイント・イニシアティブの取り組みが注目される。グローバル・ジョイント・イニシアティブは、2008年12月に証券化市場の信頼回復のための実務改革に関する提言を行っており、情報開示の拡充に加えてデュー・デリジェンスの品質保証やオリジネーターによるRMBSに関する表明・保証などモラルハザードを防ぐ手立てを提案している。
- 金融仲介や市場機能の低下から事業会社の資金繰りに対する懸念が世界的に高まっている。かかる状況下、銀行の自己資本に関するプロシクリカリティの問題が懸念されている。証券化市場が正常に機能していれば、証券化を通じて資金需要者に必要な流動性を提供することが可能となり、銀行セクターに対する資金需要の圧力が緩和されることになるだろう。証券化市場に対する信頼と市場機能の回復が早急に望まれる。
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