野村資本市場研究所｜人口減少時代に対応する地方債としてのレベニュー債と永久債の可能性

日本の地方公共団体は現在、地方債市場が堅調に推移する中で、極めて良好な資金調達が可能となっている。しかし、人口減少時代においては、金融市場の構造が大幅に変化し、これまでのような容易な資金調達ができなくなる可能性があり、通常の枠組みに捕らわれない資金調達手法を幅広く検討することが望まれる。
人口減少時代に資金調達環境が悪化しても耐久性があるファイナンス手法を考えた場合、ガバナンスの仕組みが機能する資金や、より長期性のある資金がカギになると考えられ、レベニュー債と永久債が有効な資金調達手段になり得る可能性がある。
2つの手法は、現在の日本では制度面の課題や支える金融市場がないといった問題があり本格的には導入されていない。しかしながら、人口減少時代を迎えてからではなく、現在から資金調達戦略の一環として次世代のファイナンス手法に関する検討を進めることが、中長期的な将来にわたって財政の持続可能性を維持する上での一助になると期待される。