金融イノベーション

JPモルガンのテーマ型投資システム「IndexGPT」
-生成AIを活用した金融サービス-

坂上 聖奈

要約

  1. 生成AIの進化が目覚ましい。バーゼル銀行監督委員会は2024年5月16日に公表した「金融のデジタル化」で、新たなテクノロジーとして人工知能(AI)を取り上げ、金融機関における生成AIの活用事例を紹介した。そうした中、JPモルガンは2024年5月、生成AIを活用したテーマ型投資システム「IndexGPT(インデックスGPT)」を導入した。
  2. インデックスGPTの特徴として、投資テーマに基づいた銘柄選定を自動化する機能を具備しており、従来よりもキーワードの分布が拡大し、キーワードの特定を、より迅速に精度高く行えることが挙げられる。
  3. 背景には、インデックス商品全般にAIを統合し、AIを活用した金融サービス提供を目指していくというJPモルガンの狙いがある。JPモルガンは、AIの活用を成長戦略の一環として位置づけており、積極的な投資と予測AIや機械学習(ML)の探求が功を奏し、大手金融機関では初めて、顧客向けに生成AIを活用した金融サービスとしてインデックスGPTの開発に成功した。
  4. 米国金融業界において、生成AIの活用は大いに注目を集めている。今後、生成AIを顧客向けの金融サービスに導入することで、業務効率化だけではなく、顧客が銘柄選定に要する時間も短縮し、更には新たな付加価値も提供していくことができるのか、注目される。